最近は「安くて高性能なゲーミングPC」がかなり増えてきました。以前は“ゲーミングPC=高い”というイメージがありましたが、今は10万円前後でも十分なスペックを手に入れることができます。とはいえ、価格が下がったとはいえ、選び方を間違えると「思っていたより性能が出ない」「すぐに買い替える羽目になる」なんてことも。この記事では、コスパ重視でゲーミングPCを選びたい人に向けて、“安くて高性能”を両立させるポイントをわかりやすく解説していきます。
なぜ今「安くて高性能なゲーミングPC」が増えているのか
まず知っておきたいのは、「なぜ安くても高性能なPCが手に入るようになったのか」という背景です。
ひとつはハードウェアの世代交代が早いこと。GPUやCPUは1〜2年ごとに新モデルが出るため、旧世代の価格がぐっと下がります。例えば、1年前に20万円台だった構成が、今では10万円台で買えることも珍しくありません。
もうひとつは、BTOメーカー(受注生産型PC)の競争が激化していること。パソコン工房やマウスコンピューター、ドスパラなどが「コスパ重視モデル」を次々に投入し、価格帯の幅が広がっています。以前よりも、性能と価格のバランスが取れたモデルが増えたというわけです。
さらに、最近はユーザーの“用途に合わせた選び方”が浸透してきたのも大きいです。4K・ウルトラ設定で遊びたい人もいれば、フルHDで十分という人もいる。こうしたニーズの違いを反映したモデルが出てきたことで、「必要十分なスペックを安く買う」という選択肢が現実的になっています。
まず決めるべきは「どんな環境で遊びたいか」
安くても満足できるゲーミングPCを買うためには、まず目的を明確にすることが大事です。
たとえば、
- フルHD(1920×1080)で60fps~144fps出したい
- WQHD(2560×1440)で高設定を維持したい
- 4K画質で最新ゲームを遊びたい
このどれを目指すかで、必要なGPUもCPUもまったく違ってきます。
多くのゲーマーにとって、コスパが最も良いのはフルHD+高フレームレート環境。ここを狙えば、10万円台前半でも快適に遊べる構成が見つかります。逆に「とにかく最高画質!」を求めると、20万円を超えるのが普通なので、まずは“自分に必要な快適さ”を決めましょう。
GPU重視で選ぶのが鉄則
ゲーム性能を決める一番の要素は、やはりGPU(グラフィックスカード)です。CPUやメモリももちろん大切ですが、フレームレートや描画クオリティを左右するのはGPU。ここでケチると、後で後悔することになります。
予算を抑えたい人は、次のようなGPUを目安にすると良いでしょう。
- フルHD向け:NVIDIA GeForce RTX 4060、RTX 3060、AMD Radeon RX 6600〜AMD Radeon RX 7600
- WQHD向け:RTX 4070、Radeon RX 7700 XT 以上
最新世代にこだわらなくても、1世代前のGPUでも十分戦えます。特に「RTX 3060」や「RX 6650 XT」は、今でもフルHDなら快適に動かせる優秀な選択肢です。
CPUは“必要十分”を狙う
CPUは「ボトルネックにならない範囲でコスパ重視」が基本です。GPUが性能を発揮できる程度にCPUがしっかりしていれば問題ありません。
おすすめの目安は以下の通りです。
これらのCPUはどれも6コア12スレッド前後で、ゲーム用途に最適。動画編集や配信もある程度こなせます。無理にCore i7やRyzen 7を選ばなくても、体感差はそこまで大きくありません。
メモリ・ストレージ・冷却も侮れない
安く抑えたいとはいえ、最低限のバランスは維持することが大事です。
- メモリ:16GB以上は必須。最近のゲームはメモリを多く使うため、8GBだと不足します。
- ストレージ:SSD(できればNVMeタイプ)で512GB以上。ゲームを複数入れるとすぐ容量が埋まります。
- 冷却:空冷でも十分ですが、ケース内のエアフローが確保されているかチェック。熱がこもると性能が落ちます。
BTOパソコンなら、構成を選ぶ段階で「メモリ増設」「SSD容量アップ」などのカスタマイズが可能です。最初から盛りすぎるよりも、必要になったら後から増やす方がコスパは良いです。
「旧世代モデル」を狙うのも賢い選択
新しいモデルが出たタイミングで、1世代前のパーツが一気に値下がりします。この「旧モデルの在庫処分セール」は、コスパ重視派にとって最大のチャンス。
たとえば、RTX 4070が登場した後にRTX 3060 TiやRTX 3070が大幅値下げされたケースもありました。性能差はあるものの、価格あたりの性能(コストパフォーマンス)では旧世代が勝ることも多いのです。
また、CPUも同様で、AMD Ryzen 5 5600やIntel Core i5-12400Fなどは価格がこなれてきています。新品でも十分安く、パフォーマンスも文句なし。発売から時間が経っている分、安定性や互換性も確立されており、初めての自作やBTOにもおすすめです。
セールやキャンペーンを上手く活用する
BTOメーカーや通販サイトでは、定期的にキャンペーンが開催されています。特に狙い目なのが以下のタイミングです。
- 決算期(3月・9月)
- ブラックフライデー、年末年始セール
- 新型GPU発売前後
- 学生・新生活応援キャンペーン
これらの時期には、同じ構成でも1〜3万円ほど安くなることもあります。購入を急がないなら、セール情報をチェックしておくのが◎。また、クーポンコードやポイント還元も忘れずに確認しておきましょう。
中古・再生品も視野に入れる
「とにかく初期費用を抑えたい」という人は、中古や再生品も検討の余地ありです。信頼できるショップで購入すれば、意外と状態の良いPCが手に入ります。
ただし注意点もあります。中古はパーツの劣化や保証期間が短いことが多く、トラブル時に修理できない場合もあります。中古を選ぶなら、
- 保証付き(30日〜1年)
- 動作確認済み
- 冷却ファン・電源の状態が明記されている
こうした条件を満たすショップを選びましょう。安いだけで飛びつくと、かえって高くつくこともあるので慎重に。
周辺機器も含めた“トータルのコスパ”を考える
ゲーミングPC本体に気を取られがちですが、モニター・マウス・キーボードも重要です。いくら高性能なPCでも、モニターが60Hzでは性能を発揮しきれません。逆に、周辺機器にお金をかけすぎて本体が低スペックになっても本末転倒です。
トータルで考えると、
- モニター:144Hz対応(フルHDまたはWQHD)
- マウス:軽量・高精度センサータイプ
- キーボード:メカニカルまたは静音タイプ
このあたりを押さえておけば、全体の満足度が高まります。後で一気に買い替えるより、少しずつ環境を整えていくのもおすすめです。
長く使うために意識したいアップグレード性
せっかく買うなら、2〜3年後も現役で使えるPCを選びたいですよね。そのためには、最初から拡張性のある構成を選ぶのがポイントです。
・電源ユニットが交換可能か
・メモリスロットに空きがあるか
・ストレージを増設できるか
・ケース内部にスペースがあるか
このあたりをチェックしておくと、将来GPUやSSDを追加する際に無駄がありません。BTOパソコンはメーカーによって拡張性が異なるため、購入前に仕様をよく確認しておくと安心です。
安くて高性能なゲーミングPCを選ぶときの注意点
最後に、安く買うときに気をつけたいポイントをまとめておきます。
- スペック表記を鵜呑みにしない
「ゲーミング」と書いてあっても、GPUがローエンド(GT1030など)の場合もあります。型番を必ずチェック。 - 冷却と電源を軽視しない
安いモデルは冷却性能が弱いことが多く、熱で性能が落ちることも。電源も品質が低いと寿命に影響します。 - 保証・サポート内容を確認する
BTOメーカーなら3年保証付きもあります。修理対応や交換ポリシーも確認しておくと安心です。 - 無駄なオプションは外す
初期構成で十分なのに、RGB照明や大型水冷などを付けると一気に価格が上がります。本当に必要な機能だけを残しましょう。
まとめ|ゲーミングPCを安く買う方法とは?コスパを最大化する考え方
ここまで紹介したポイントを押さえれば、「安くて高性能なゲーミングPC」は十分実現できます。
- 自分の遊び方に合った解像度・性能を見極める
- GPUを中心に構成を考え、CPUやメモリは必要十分でOK
- 旧世代やセールを活用してコストを抑える
- 拡張性・冷却・保証を忘れずに確認する
これらを意識するだけで、10〜15万円前後でも快適なゲーミング環境が手に入ります。
そして何より大切なのは、「最新・最高」よりも自分にとってちょうどいい性能を見つけること。
それこそが、真の意味での“コストパフォーマンス抜群の選択肢”です。
