「健康管理は日々の積み重ねが大事」。そう分かっていても、毎日血圧を測ったり、心拍を記録したりするのはなかなか続きませんよね。そこで注目されているのが、医療機器として正式に認定されたスマートウォッチです。特に日本製モデルや国内で認可を受けた製品は、精度と安心感の両方を兼ね備えています。
今回は、「日本製スマートウォッチの医療機器認定モデル5選」というテーマで、信頼できる機種やその背景、選び方のポイントをわかりやすく解説します。
- 医療機器認定スマートウォッチとは？
- 日本製スマートウォッチの現状
- 医療機器認定モデル1：OMRON HeartGuide HCR-6900T-M
- 医療機器認定モデル2：HUAWEI WATCH D2
- 医療機器認定モデル3：Apple Watch Series 9 / Apple Watch Ultra 2
- 医療機器認定モデル4：オムロン×京セラの共同開発モデル（開発中）
- 医療機器認定モデル5：Withings ScanWatch 2
- 日本製スマートウォッチが少ない理由
- 医療機器認定スマートウォッチの正しい使い方
- 今後の展望：日本発の医療スマートウォッチに期待
- 日本製スマートウォッチの医療機器認定モデル5選！信頼性と機能を比較【まとめ】
医療機器認定スマートウォッチとは？
まず、「医療機器認定」とは何かを簡単に整理しておきましょう。
日本では、厚生労働省およびPMDA（医薬品医療機器総合機構）が定める基準に基づき、医療機器として認可を受ける必要があります。スマートウォッチの場合、単なる健康管理やライフログ機能だけなら「一般機器」として扱われますが、血圧測定や心電図のように医療に関わる機能を搭載する場合は「管理医療機器」や「高度管理医療機器」として正式な認証が必要になります。
認定を受けているということは、「一定の精度・安全性が公的に保証されている」という意味。つまり、医師の診断を補助するレベルの信頼性が担保されているわけです。
日本製スマートウォッチの現状
「日本製のスマートウォッチで医療機器認定を受けているものってあるの？」という疑問を持つ方は多いでしょう。実は、ここが重要なポイント。
現時点で、日本企業が製造し、正式に医療機器認定を取得しているスマートウォッチは非常に限られています。多くの医療機器認定モデルは、AppleやHUAWEIといった海外ブランドが中心。日本企業では、医療用機器メーカーが開発した「血圧計一体型スマートウォッチ」などが該当します。
つまり、「医療機器認定 × 日本製」という条件を完全に満たすモデルは少ないのが実情です。それでも、国内メーカーが培ってきた医療技術や精密測定技術は世界的に評価されており、今後の展開には期待が集まっています。
医療機器認定モデル1：OMRON HeartGuide HCR-6900T-M
オムロンといえば血圧計の代名詞。その技術をそのまま腕時計型にしたのが「OMRON HeartGuide HCR-6900T-M」です。
この製品は“世界初のウェアラブル血圧計”として誕生し、日本でも正式な医療機器認証を取得しています。手首に装着するだけで、空気圧式カフを用いた血圧測定が可能。つまり、家庭用血圧計と同等の仕組みで正確に測れるということです。
さらに、スマートフォンアプリ「HeartAdvisor」と連携すれば、測定データを自動で記録。血圧の変化をグラフで確認でき、医師との共有もスムーズです。
唯一の注意点は、ややサイズが大きめなこと。ただし、それを補って余りある信頼性を備えた、日本を代表する医療機器型スマートウォッチです。
医療機器認定モデル2：HUAWEI WATCH D2
次に注目すべきは、2024年に日本で医療機器認証を取得した「HUAWEI WATCH D2」。中国メーカーの製品ながら、国内で正式に認められた数少ないスマートウォッチの一つです。
このモデルの特徴は、「血圧測定」「心電図（ECG）」の両方に対応している点。専用の空気袋を内蔵し、約30秒で血圧を自動測定できます。しかも、認証番号（306AGBZI00008000）が公表されている公式な管理医療機器です。
心電図機能では、不整脈や心房細動の兆候を検出する補助的な役割を果たします。医療用心電計の代わりにはなりませんが、異常の早期発見に役立つ点で高く評価されています。
デザインもスタイリッシュで、医療機器とは思えない洗練さ。スマートウォッチとしての完成度も高く、実用性とファッション性を両立させた一台です。
医療機器認定モデル3：Apple Watch Series 9 / Apple Watch Ultra 2
Apple Watchも、実は日本国内で「医療機器認可」を受けています。Series 4以降に搭載された「心電図アプリ（ECG）」は、2020年に日本で正式に承認されました。
この機能は、手首と指を利用して電気信号を測定し、心拍リズムを解析。不整脈の可能性がある場合はユーザーに通知してくれます。
ただし、Apple自身も「診断目的ではなく健康管理の補助」と明記しており、医療行為そのものを代替するものではありません。
Apple Watchは「医療機器」としての厳密な認証よりも、「医療補助機能」として位置づけられていますが、日本の認可を受けた正規機能を搭載している点で信頼できます。
医療機器認定モデル4：オムロン×京セラの共同開発モデル（開発中）
日本企業による医療機器認定スマートウォッチの流れを強化する動きとして、オムロンと京セラの共同開発プロジェクトが進行中です。
京セラは通信・センサー分野での高い技術力を持ち、オムロンは医療・ヘルスケア機器の精度で定評があります。両社の強みを融合したモデルが実現すれば、「真の日本製医療スマートウォッチ」として期待が高まります。
現時点では試作段階の情報ですが、血圧・脈波・心電信号を高精度で取得できる技術の実証が進んでおり、実用化すれば国産モデルの転換点となるでしょう。
医療機器認定モデル5：Withings ScanWatch 2
フランスの医療機器メーカーWithings（ウィジングス）は、日本でも医療機器認定を取得しており、正式に販売されています。Withings ScanWatch 2はアナログデザインながら、心電図測定・血中酸素濃度・睡眠分析など、医療レベルのデータを取得できます。
日本では「管理医療機器」として届け出済みであり、アプリを通じて日々の変化を可視化。特に心疾患リスクを早期に把握したいユーザーに人気です。
欧州医療認証（CEマーク）を持つことも信頼性を裏付けています。
日本製スマートウォッチが少ない理由
ここで疑問。「なぜ日本製で医療機器認定を受けたスマートウォッチが少ないのか？」
理由は大きく三つあります。
- 認証コストが高い
医療機器認可を取るには、臨床試験や品質保証体制の構築など、多大なコストと時間がかかります。ガジェット系メーカーにとっては負担が大きく、参入障壁となっています。 - 医療機器としての責任が重い
医療機器は「精度のズレ＝命に関わる」可能性があります。メーカーには厳格な安全基準が求められ、販売後も管理義務が発生します。 - 日本市場の需要構造
日本では依然として医療機器は病院・薬局中心の販売ルートが主流で、一般消費者向けスマートウォッチ市場とは棲み分けられています。
ただし、近年は政府の「デジタルヘルス推進政策」や高齢化の進行もあり、国産医療ウェアラブルの開発を後押しする動きが進んでいます。
医療機器認定スマートウォッチの正しい使い方
医療機器認定を受けたスマートウォッチは精度が高いとはいえ、万能ではありません。
正しく使うためには、次の3つを意識することが大切です。
- 医師の診断を置き換えない
異常を感じた場合は必ず医療機関を受診。スマートウォッチは「気づきのきっかけ」として使うのが正しい。 - 測定姿勢やタイミングを守る
血圧測定時は腕を心臓の高さに合わせ、リラックスした状態で。誤った姿勢では正確な数値が得られません。 - データを記録して活用する
日々の変化を蓄積し、医師に共有することで、診察時の参考資料として役立ちます。
今後の展望：日本発の医療スマートウォッチに期待
日本は精密機器や医療機器分野で世界有数の技術力を持っています。そのため、今後は「日本製 × 医療機器認定 × スマートウォッチ」という理想的なモデルが登場する可能性は十分にあります。
特に、オムロンや京セラ、セイコーなどの企業がヘルスケア領域を強化しており、国内開発の波が静かに広がっています。高齢化社会を背景に、家庭で手軽に測定できる“信頼できる医療デバイス”のニーズは今後さらに高まるでしょう。
日本製スマートウォッチの医療機器認定モデル5選！信頼性と機能を比較【まとめ】
日本で使える医療機器認定スマートウォッチは、ようやく一般にも浸透し始めました。
現時点では、
といったラインナップが中心です。
まだ日本製の数は少ないものの、今後は確実に拡大していく分野。
「信頼できる計測」「医療機器としての安心感」を求めるなら、認定済みスマートウォッチを選ぶのが賢明です。
毎日の健康管理を、もっと正確に、もっと身近に。
スマートウォッチは、これからの“医療と生活の架け橋”になっていく存在です。
