ゲーム中に「ラグがひどい」「敵が瞬間移動して見える」「射撃が遅れて当たらない」――そんな経験、ありませんか?
オンラインゲームをプレイしていると、どんなに高性能なゲーミングPCを使っていても、ネット環境が不安定だと一気にストレスが溜まります。
実は、その多くの原因は「無線接続」にあります。
この記事では、有線LANを使ってネット速度と安定性を高める方法を、分かりやすく解説していきます。
なぜ有線LANがゲーミングPCに最適なのか
まず、無線(Wi-Fi)と有線LANの違いを理解しておきましょう。
Wi-Fiは便利ですが、電波の干渉や距離、壁などの障害物に影響されやすく、通信が不安定になりやすい特性があります。
一方、有線LANはケーブルを通して直接データを送受信するため、安定性が圧倒的に高いのが特徴です。
ゲームにおいて重要なのは、通信速度そのものよりも「遅延(ping値)」と「安定性(ジッターやパケットロスの少なさ)」です。
0.1秒の遅延が勝敗を分ける対戦ゲームでは、無線よりも有線のほうが圧倒的に有利。
特にFPSや格闘ゲーム、MOBAのようなリアルタイム要素が強いジャンルでは、有線接続が必須レベルです。
有線LAN環境を整える前に確認すべきポイント
いきなりケーブルを買う前に、今のネット環境を整理しておきましょう。
ここを怠ると、「有線にしたのに速くならない」という残念な結果になりかねません。
1. 回線速度と安定性をチェック
まずは現在のネット回線の実力を測ります。
Speedtest.netやFast.comなどのツールを使えば、ダウンロード速度・アップロード速度・pingを簡単に測定できます。
もしping値が50ms以上、ジッターが大きいようなら、回線そのものに問題がある可能性も。
2. ルーターの性能を確認
古いルーターを使っていると、いくら有線でも速度が頭打ちになります。
「ギガビット対応」「QoS(通信優先度制御)機能」「最新のファームウェア更新」に対応しているかを確認しましょう。
ルーターが100Mbpsまでしか出せない場合、ケーブルを変えても意味がありません。
3. ケーブルのカテゴリを選ぶ
LANケーブルには「Cat5e」「Cat6」「Cat6a」「Cat7」などの規格があります。
おすすめはCat6以上。
長距離配線やノイズの多い環境ではCat6aを選ぶと安定します。
「見た目が同じだからどれでもいい」と思いがちですが、内部のシールド構造や伝送性能が大きく違うので要注意です。
ゲーミングPC側の設定で速度を最適化する
有線に変えるだけでも効果はありますが、さらにパフォーマンスを引き出すためにはPCの設定も重要です。
1. ネットワークアダプターのドライバを更新
マザーボードやLANカードのドライバが古いと、通信が不安定になったり速度が出なかったりします。
メーカー公式サイトから最新版のドライバをダウンロードして適用しておきましょう。
2. 省電力機能をオフにする
Windowsでは、省電力モードがネットワーク性能を落とすことがあります。
デバイスマネージャーでネットワークアダプターを開き、「電源の管理」から「電力節約のためにオフにする」を無効に設定しましょう。
3. ネットワーク設定の見直し
・Large Send Offload(LSO)を無効化
・Receive Side Scaling(RSS)を有効化
・自動ネゴシエーションをオンに設定
こうした細かな設定の調整で、通信の遅延が改善されるケースもあります。
ルーター設定でさらに快適にする方法
PCだけでなく、ルーター側の設定を見直すことで通信の最適化が進みます。
1. QoS設定でゲーム通信を優先
QoS(Quality of Service)とは、通信の優先順位を決める機能です。
ルーターの管理画面で、ゲーミングPCのMACアドレスやIPアドレスを指定し、優先度を「高」に設定します。
これにより、家族が動画を観ていても自分のゲーム通信が遅れにくくなります。
2. ポートフォワーディング設定
一部のオンラインゲームでは、特定のポートを開放することで接続が安定します。
公式サイトに記載されているポート番号を確認し、ルーターのポートフォワーディング設定に追加しましょう。
ただし、セキュリティ上のリスクもあるため、必要最低限の設定に留めるのが安全です。
3. ルーターの再起動と冷却
長時間の使用でルーターが熱を持つと、速度低下や接続切断の原因になります。
週に一度は再起動し、設置場所は風通しの良い場所にしておくと安定します。
配線・設置で気をつけたいポイント
LANケーブルをただ繋げばいい、というわけではありません。
物理的な設置の工夫でも通信の安定性が変わります。
・ケーブルは電源コードや電子レンジの近くを避ける
・曲げすぎたり、引っ張ったりしない
・できるだけ短く直線的に配線する
・接続口(コネクタ)がゆるい場合は交換を検討する
こうした小さな工夫が、意外と大きな違いを生みます。
ゲーム中の遅延が減らないときのチェックリスト
有線化してもラグが残る場合は、以下を順に確認してみてください。
- ケーブルやハブが古くないか(100Mbps止まりではないか)
- 他の機器が同時に大容量通信していないか
- 回線事業者やプロバイダが混雑していないか
- ゲームサーバーとの距離が遠くないか
- セキュリティソフトやバックグラウンドタスクが干渉していないか
原因が特定できれば、対処は難しくありません。
特に「家庭内ネットワークの混雑」と「ルーターの性能不足」はよくある落とし穴です。
安定した通信でゲームをもっと楽しもう
有線LANに切り替えることで、ping値は大きく下がり、ジッターも軽減されます。
特にFPSや格闘ゲームのような瞬発力が求められるジャンルでは、安定性こそが最強の“武器”です。
さらに、ルーター設定やPCの調整を組み合わせれば、ネットワークは一段と安定し、ストレスのないプレイ環境が整います。
これまでラグに悩まされていた人ほど、その効果を実感できるでしょう。
有線LAN接続で快適なゲーミングPCを手に入れよう
どんなに高性能なグラフィックボードやCPUを積んでも、通信が不安定では意味がありません。
ゲームを快適に楽しむためには、まず「通信の土台」を整えることが大切です。
有線LAN接続は、その第一歩にして最も効果の高い方法。
ケーブルをつなぎ、設定を少し見直すだけで、あなたのゲーミングPCは本来の力を発揮します。
今日からぜひ、有線LANでネット速度の最適化に挑戦してみてください。
