ゲーミングPCを選ぶとき、信頼できる国内メーカーを選びたいと思う人も多いはず。その中で「富士通」は長年日本のパソコン市場を支えてきたブランドですが、実際にゲームを快適に遊ぶための性能や価格面ではどうなのでしょうか。この記事では、富士通のゲーミングPCを徹底的に分析し、他社モデルとの比較やおすすめできるポイントを分かりやすく解説します。
富士通が展開するゲーミング向けモデルとは？
富士通といえば、ビジネス用や家庭用PCの「FMV」シリーズでおなじみのブランドです。ところが近年では、3Dゲームや動画編集などにも対応できるハイスペックなモデルとして「ESPRIMO WD-G/F3（エスプリモ）」シリーズの中にゲーミング用途にも適した構成を持つ機種が登場しています。
特に注目されているのが「ESPRIMO WD-G/F3」。CPUにIntel Core i7-10700、GPUにNVIDIA GeForce RTX 3070を搭載できるなど、ゲーム用PCとしての基本性能を十分に備えています。いわば「ゲーミングも快適にこなせる富士通PC」といった立ち位置です。
ゲーミングPCとして必要な性能をおさらい
ゲーミングPCの性能を見極めるには、主に次の5つの要素をチェックします。
- CPU（プロセッサ）：ゲームの計算処理を担う心臓部分。IntelのCore i7やAMD Ryzen 7以上が目安。
- GPU（グラフィックボード）：映像描画を担う最重要パーツ。NVIDIA GeForce RTX 3070シリーズが主流。
- メモリ：ゲームデータを一時的に処理する容量。最低16GB以上はほしいところ。
- ストレージ：ロード時間を短縮するために高速SSDが必須。容量は用途に合わせて選ぶ。
- 冷却性能と電源：長時間プレイ時の安定性を支える裏方の要素。
富士通のWD-G/F3は、これらの条件をほぼ満たしており、フルHD画質であれば快適に最新タイトルをプレイできる構成です。高解像度（4K）や高リフレッシュレート（144Hz以上）を求めるユーザーにはやや物足りないかもしれませんが、十分に“ゲーミングPC”と呼べる性能を持っています。
富士通のゲーミングPCの価格帯とコスパ
気になる価格は、構成によって大きく異なります。最小構成では15万円台から、上位モデルでは40万円台に達することもあります。たとえば、Intel Core i7-10700とNVIDIA GeForce RTX 3070を組み合わせたモデルでは、おおよそ38万円前後が目安です。
一見高価に見えますが、富士通の場合は標準でSSD＋HDDのデュアル構成だったり、メモリ容量が多めだったりと、全体的に“余裕のある設計”が特徴です。
ただし、同等スペックを他のBTO（Build To Order）メーカーで探すと、数万円安く手に入るケースもあるため、「コスパ重視派」には少し割高に感じられるかもしれません。
富士通の強み：信頼と安心の国内サポート
性能や価格だけでなく、富士通が長年支持されている理由のひとつが「サポートの充実さ」です。国内メーカーとしての信頼性が高く、購入後のアフターサービスや修理対応、電話サポートの手厚さに定評があります。最長5年の延長保証プランを用意している点も安心材料です。
また、初期設定やトラブル対応が苦手な人に向けたサポートが充実しているため、「パソコンに詳しくないけれど安心して長く使いたい」というユーザーにとっては大きなメリットです。ゲーミング性能だけでなく、日常用途やビジネスにも使える万能型というのも、富士通PCの魅力の一つといえます。
富士通の弱点：最新パーツの採用がやや遅い
一方で、ゲーマー視点から見るといくつかの弱点も存在します。まず、製品の更新サイクルがゆっくりなため、最新のCPUやGPUをすぐに採用する傾向が薄い点です。たとえば、他社がRTX 4070シリーズを搭載したモデルを展開している時期でも、富士通は依然としてNVIDIA GeForce RTX 3070やNVIDIA GeForce RTX 2060モデルを販売しているケースがあります。
また、BTOメーカーのように細かくパーツを選べないため、「もう少し安くしたい」「メモリを自分で調整したい」というカスタマイズ性は低めです。この点が、いわゆる“自作派”や“ハイエンド志向のゲーマー”には物足りないと感じられる部分かもしれません。
他社ゲーミングPCとの比較ポイント
他の代表的なゲーミングPCブランドとしては、マウスコンピューターの「G-Tune」やドスパラの「GALLERIA」、パソコン工房の「LEVEL∞」などがあります。これらはゲーマー向けに最適化されたBTOメーカーで、最新のパーツ構成を柔軟に選べるのが特徴です。
比較すると、富士通のゲーミングPCは以下のような位置づけになります。
- 価格：やや高め
- 性能：中〜上級クラス（NVIDIA GeForce RTX 3070搭載モデルで十分な実力）
- サポート：非常に充実
- カスタマイズ性：低め
- 安定性・信頼性：高い
つまり、富士通のPCは「安心と安定を買うタイプのゲーミングPC」と言えるでしょう。コスパ最優先ではなく、長く使えて安心できるパソコンを選びたい人に向いています。
どんな人に富士通のゲーミングPCがおすすめ？
実際におすすめできるのは、次のようなタイプのユーザーです。
- 国内メーカーのサポートや品質を重視する人
- ゲーム以外にも仕事・動画編集などマルチ用途で使いたい人
- フルHD解像度で十分なゲーミング環境を求める人
- 静音性や安定稼働を重視する人
- 初めてゲーミングPCを購入する初心者
逆に、4K解像度での高リフレッシュレートプレイを目的とする上級ゲーマーや、最新パーツにこだわる人、コスパを最重視する人には他社BTOメーカーの方が合っている場合があります。
富士通ゲーミングPCの実力をまとめると
総合的に見て、富士通のゲーミングPCは「ハイエンドゲーマー向け」ではないものの、安定した性能と信頼性を備えた“堅実な一台”です。特に、国内メーカーならではの品質管理や長期サポートを重視する人にとっては、非常に魅力的な選択肢となります。
一方で、コストパフォーマンスや最新スペック重視のユーザーは、BTOメーカーのモデルも比較検討してみるのがおすすめです。
パソコン選びは、単純な性能競争だけでなく、自分の使い方や価値観に合ったバランスを見極めることが大切です。
富士通のゲーミングPCは本当におすすめ？性能や価格を徹底比較して解説
結論として、富士通のゲーミングPCは「信頼性・サポート重視のユーザーにおすすめ」です。フルHD環境であれば十分なパフォーマンスを発揮し、ゲームだけでなく日常的な作業も快適にこなせます。
ただし、最新のAAAタイトルを高解像度・高フレームレートで遊びたいなら、他社BTOメーカーの最新モデルも比較してみましょう。
価格差や構成の自由度を踏まえ、自分にとって“安心して長く使える1台”を選ぶことが、満足度の高いゲーミングPC選びにつながります。
最終的には、何を重視するかで最適な選択は変わります。性能、価格、信頼性——そのバランスの中で、自分にぴったりのPCを見つけてください。
