「ゲームのロードが長すぎてイライラする」「ストレージがいっぱいで新作を入れられない」――そんな悩みを抱えたこと、ありませんか?
ゲーミングPCを組むとき、CPUやGPUばかりに注目が集まりがちですが、実はストレージの選び方こそが“快適さ”を左右します。
この記事では、容量・速度・コスパの3つの視点から、あなたにぴったりのストレージ選びを徹底解説します。
そもそもストレージとは? ゲーミングで重要な理由
ストレージとは、データを保存するための装置のこと。
OS、アプリ、そしてゲームのインストール先がここになります。
つまり、ストレージの性能=ゲームの起動・ロード時間の速さに直結します。
現在主流のストレージは「HDD」と「SSD」の2種類。
HDDは大容量で価格が安く、SSDは読み書き速度が圧倒的に速いのが特徴です。
特にSSDは、起動時間やマップの読み込み速度を劇的に短縮してくれるため、ゲーミングPCでは“必須級”のパーツといえます。
ゲーミングPCに必要なストレージ容量の目安
ゲームの容量は年々増加しています。
昔は10〜20GB程度だったのが、最近のAAAタイトル(大作ゲーム)では100GBを超えることも珍しくありません。
では、どのくらいの容量があれば安心なのか?
一般的な目安を紹介します。
- ライトゲーマー(数本のタイトルだけ):500GB〜1TB
- 標準的なゲーマー(複数の大型タイトルをプレイ):1TB〜2TB
- ヘビーゲーマー(多数のゲームを同時にインストール):2TB以上
1TBを基準に考えると、OSやアプリで200GBほど使うため、残り約800GB。
これで平均サイズ100GBのゲームを8本ほどインストールできます。
多くの人にとって「1TB」が現実的なバランス点です。
ただし、動画録画や配信、MOD導入などもする場合は、2TB以上を検討した方が安心です。
HDDとSSDの違いをわかりやすく解説
HDD(ハードディスクドライブ)
- メリット:大容量でも価格が安い
- デメリット:物理的に回転する構造のため、読み込みが遅く衝撃にも弱い
HDDはデータ倉庫として優秀ですが、ゲームを起動するには向いていません。
ロードが遅く、ゲーム中の読み込みでカクつくこともあります。
SSD(ソリッドステートドライブ)
- メリット:高速・静音・衝撃に強い
- デメリット:HDDより高価で、同容量なら価格差が大きい
SSDは内部にフラッシュメモリを使っており、データのアクセスが非常に速いです。
体感的には、HDDからSSDに変えるだけでロード時間が半分以下になることも珍しくありません。
SSDの種類:SATAとNVMeの違い
SSDにも実はいくつかのタイプがあります。
主に「SATA」と「NVMe(PCIe)」の2種類。
SATA SSD
HDDと同じSATAケーブルで接続するタイプ。
読み込み速度はおよそ500〜600MB/sほど。
十分速いですが、次に紹介するNVMeには敵いません。
NVMe SSD(M.2スロット)
マザーボードのM.2スロットに直接差し込むタイプで、PCIe接続によって数千MB/sの速度を誇ります。
最新のNVMe SSD(PCIe 4.0対応)では、読み込み速度が7,000MB/sを超えるモデルも登場しています。
「ここまで速いと意味あるの?」と思うかもしれませんが、実際に効果はあります。
特にオープンワールド系のゲームでは、マップの切り替えやロードが体感でスムーズになるでしょう。
ただし、NVMe SSDを使うにはマザーボード側の対応も必要です。購入前に「PCIe 4.0/5.0対応か」をチェックしておきましょう。
ストレージ構成のおすすめ:SSD+HDDの二刀流
コスパを考えるなら、SSDとHDDを組み合わせるのが最強です。
具体的にはこうです。
- OS・よく遊ぶゲーム → SSD
- それ以外のゲーム・録画データ・スクリーンショット → HDD
たとえば、1TBのNVMe SSD+4TBのHDDという組み合わせなら、
スピードと容量の両立ができます。
よく遊ぶタイトルはSSDに入れておき、プレイ頻度の低いものはHDDに退避させる。
これで常に快適かつ、容量不足にも悩まされません。
ストレージ速度と体感の関係:どこまで速さが必要?
「7,000MB/sのSSDと2,000MB/sのSSD、どっちが速い?」
数字だけ見れば圧倒的ですが、実際のゲーム体験では差が小さいこともあります。
体感で違いを感じやすいのは、HDD → SSDに変えた時です。
一方、SATA SSD → NVMe SSDへの移行では、ロード時間が数秒短くなる程度。
もちろん、DirectStorage対応タイトルなどではNVMeの恩恵が出ますが、
現時点では“コスパ重視”で選んでも問題ありません。
結論としては、
- 2,000MB/s以上あれば多くのゲームで十分快適
- 予算に余裕があれば、将来性を見据えてPCIe 4.0対応SSDを選ぶ
これくらいの感覚でOKです。
ストレージ選びのチェックポイント
購入前に確認しておきたいのは、以下の5つ。
- マザーボードの対応規格
M.2スロットがあるか、PCIeの世代(3.0/4.0/5.0)を確認。 - 容量の余裕
ゲームだけでなく、録画やMOD、アップデートファイルも考慮。 - 速度と体感のバランス
数値よりも、自分の遊び方に合っているかが重要。 - コストパフォーマンス
容量を優先するか、速度を優先するかを決める。 - 冷却と耐久性
NVMe SSDは高温になりやすいので、ヒートシンク付きモデルが安心。
将来を見据えたストレージ選び
近年のゲームは4Kテクスチャや高解像度データが主流になり、
1タイトルで100GBを超えるケースが増えています。
さらに、Windowsの「DirectStorage」など高速読み込み技術の普及で、
ストレージ速度の重要性はこれからますます高まっていくでしょう。
したがって、最初から容量・速度に余裕を持たせることが、
長く快適にゲームを楽しむコツです。
今は1TBで足りていても、2〜3年後にはすぐに足りなくなる可能性があります。
後から買い足せる環境を前提に組んでおくと安心です。
まとめ:ゲーミングPCのストレージ選び方完全ガイド
ゲームを快適に楽しむためのストレージ選びは、
単に「容量が多ければいい」「速ければいい」ではありません。
自分の遊び方に合わせて、容量・速度・コスパのバランスを取ることが大切です。
おすすめ構成は次の通り。
- SSD(NVMe)1TB〜2TBをメインに
- HDD 2〜4TBをサブストレージとして併用
この構成なら、最新タイトルでも余裕があり、ロードも速く、長期的に使えます。
ゲーミングPCはCPUやGPUだけでなく、ストレージも性能の“要”。
しっかり選んで、快適でストレスのないプレイ環境を手に入れましょう。
