ゲームを起動してからロードが長くてイライラした経験、ありませんか?
その原因の多くは「ストレージ」にあります。CPUやGPUを強化しても、ストレージが遅ければゲームデータの読み込みに時間がかかってしまう。
そこで今回は、ゲーミングPCに最適なストレージを厳選して紹介しつつ、選び方のポイントや実際にどのくらいロード時間が短縮されるのかも解説していきます。
なぜストレージがゲームの快適さを左右するのか
ストレージは、ゲームデータを保管する“倉庫”のようなものです。
HDD(ハードディスク)は昔ながらの回転式ディスクで、大容量かつ安価ですが、読み込み速度が遅いのが難点。
一方のSSD(ソリッドステートドライブ)は、データを電子的に処理するため圧倒的に速い。
実際、HDDからSSDに変えるだけでロード時間が半分以下になることも珍しくありません。
たとえばHDDで15〜30秒かかっていたロードが、SSDだと数秒で完了するケースもあります。
ゲームの起動だけでなく、マップ切り替え、シーン遷移、テクスチャの読み込みなど、あらゆる動作がスムーズになるのです。
ただし、SSDはFPS(フレームレート)を直接上げるわけではありません。
ゲームの動作を滑らかにするのは主にGPUの仕事。SSDは「待ち時間を減らす」「テンポを良くする」ためのパーツです。
ストレージを選ぶ前に知っておきたいポイント
1. 接続規格を確認する
SSDにはいくつかの接続方式があります。
主流は「M.2 NVMe SSD」。PCIeという高速通信規格を使うタイプで、現在のゲーミングPCでは標準的な選択肢です。
PCIe 3.0、4.0、5.0と世代が進むごとに速度が上がりますが、マザーボードやCPUが対応していないと性能を発揮できません。
- PCIe 3.0 SSD:最大3,500MB/s前後
- PCIe 4.0 SSD:最大7,000MB/s前後
- PCIe 5.0 SSD:最大14,000MB/s超(最新・高価)
今のところ、PCIe 4.0対応のSSDが最もバランスの良い選択です。
2. 容量の目安
近年のAAAタイトルは100GBを超えることも多く、500GBではすぐに埋まってしまいます。
おすすめは1TB以上、できれば2TB。
容量に余裕があるほど、アップデートや複数タイトルのインストールにも対応しやすくなります。
3. 冷却と耐久性
高性能SSDは発熱しやすく、温度が上がると性能が落ちる(サーマルスロットリング)ことも。
ヒートシンク付きのモデルを選ぶと安心です。
また、書き込み耐久性や保証期間もチェック。長期運用を考えるなら、信頼性の高いブランドを選びましょう。
ゲーミングPC向けおすすめストレージ10選
ここからは、実際にゲーマーからの評価が高いおすすめSSDを紹介します。
価格帯や特徴を見ながら、自分の環境に合った一台を見つけてください。
1. Crucial T710 Gen5 NVMe SSD(2TB)
PCIe 5.0対応の超高速SSD。最大読み込み速度は驚異の14,500MB/s。
最新マザーボードを使っているなら、この先数年は買い替え不要のハイエンドモデルです。
ただし、発熱が大きいため冷却環境の整ったPC向け。
2. Samsung 990 Pro NVMe SSD
定番中の定番。PCIe 4.0対応で、最大7,450MB/sの読み込み速度。
安定性・信頼性・実測速度のバランスが非常に良く、多くのゲーミングPCで採用されています。
発熱対策済みのヒートシンク付きモデルも人気。
3. WD Black SN850X NVMe SSD
Western Digitalのゲーミング特化シリーズ。
高負荷時でも安定した転送速度を維持し、ロード時間を確実に短縮します。
ゲーム専用ストレージとして導入するユーザーも多い万能型。
4. Samsung 980 NVMe SSD
エントリークラスながら信頼性が高く、コスパの良いSSD。
PCIe 3.0接続でも十分速く、HDDからの換装で体感差をすぐに感じられます。
初めてSSDを導入する人におすすめ。
5. Silicon Power UD90 2TB PCIe 4.0 SSD
2TBの大容量ながら価格を抑えたコスパモデル。
PCIe 4.0対応で、実用性能も十分。大量のタイトルをインストールしたいゲーマーに最適です。
6. Kingston KC3000 NVMe SSD
安定性と速度のバランスに優れた実力派。
発熱を抑えるグラフェンアルミニウムヒートシンクを採用しており、長時間プレイにも強い。
動画編集や配信もする人に向いています。
7. WD Blue SN580 NVMe SSD
低価格帯ながらゲーミングにも使える高コスパモデル。
普段使いと軽めのゲームが中心なら十分な性能です。
静音・低発熱で扱いやすいのも魅力。
8. Corsair MP600 PRO LPX
PS5にも対応しているPCIe 4.0 SSD。
最大7,100MB/sの高速性能と放熱性の高さで、ゲーミングPCにも最適。
信頼性を重視するなら外せない選択肢です。
9. Crucial P5 Plus NVMe SSD
Crucialの定番モデル。
コスパ・信頼性・速度のバランスが取れており、初めての自作PCにもおすすめ。
ゲームロード、OS起動ともに快適。
10. Silicon Power Gen3x4 M.2 SSD
とにかく安くSSD化したい人向け。
PCIe 3.0ながらHDDから乗り換えれば圧倒的に速く、古めのPCでも恩恵を感じられます。
サブドライブや一時保存用にも便利。
実際にどれくらいロード時間が短くなる?
タイトルによって差はありますが、HDDとSSDのロード時間を比較するとおおむね以下の通り。
- HDD:15〜30秒
- SATA SSD:5〜10秒
- NVMe SSD(PCIe 4.0):2〜5秒
例えば「オープンワールド系ゲーム」や「シーン切り替えが頻繁なRPG」では、SSD化の効果が特に顕著。
テクスチャのポップイン(表示遅れ)が減り、プレイ中のテンポが格段に良くなります。
一度SSDでプレイすると、もうHDDには戻れないという声も多いです。
HDDとSSDの併用もアリ
容量重視で動画やスクリーンショットを大量に保存する人は、SSDとHDDを組み合わせるのもおすすめ。
OSやゲームをSSDに、データ保管をHDDにすることでコスパと実用性を両立できます。
最近は外付けSSDも増えており、USB 3.2 Gen2接続なら内蔵並みの速度を出せるモデルもあります。
ノートPCや拡張スロットが少ないPCには、こうした外付けタイプも検討の価値ありです。
ストレージ交換・増設の注意点
SSDを追加・交換する際は、以下の点をチェックしましょう。
- マザーボードのM.2スロット位置(干渉や冷却に注意)
- 対応インターフェース(PCIe世代やNVMe/SATA)
- OS移行の手順(クローンソフトを利用すると簡単)
- データのバックアップ(トラブル防止に必須)
また、装着後は最新のファームウェア更新やTrim設定を確認すると、パフォーマンス維持に役立ちます。
ゲーミングPCに最適なストレージまとめ
ストレージを見直すだけで、ゲーム体験は劇的に変わります。
特にNVMe SSDへの換装は、「ロード時間の短縮」「ゲームのテンポ改善」「快適な操作感」など、日常的なプレイ体験を底上げしてくれます。
おすすめは、PCIe 4.0対応のSSDで容量2TB前後。
Crucial T710 Gen5 NVMe SSDやSamsung 990 Pro NVMe SSDのような高性能モデルから、WD Black SN850X NVMe SSDやSilicon Power UD90 2TB PCIe 4.0 SSDのコスパ重視タイプまで、用途に応じて選びましょう。
そして、最後にもう一度。
ゲーミングPCに最適なストレージおすすめ10選の中から自分に合う一本を見つければ、ロード時間のストレスとは今日でサヨナラです。
あなたのPCゲームライフが、もっと速く、もっと快適になりますように。
