PCゲームといえば「Steam(スチーム)」というほど、今や定番のプラットフォームになりましたよね。ところが、最近は「タブレットでもSteamのゲームを遊べるの?」という声が増えています。外出先でも手軽にプレイできたら理想ですが、実際のところはどうなのでしょうか。この記事では、タブレットでSteamを使う方法や対応モデル、設定のポイントをわかりやすくまとめていきます。
まず知っておきたい:タブレットでSteamは“直接”動かせない
結論から言うと、ほとんどのタブレットはSteamのゲームを直接インストールして動かすことはできません。
理由はシンプルで、Steamの多くのゲームはWindowsやmacOSなどのPC向けに開発されているためです。タブレットに搭載されているCPUは「ARM系」というスマホ寄りのアーキテクチャが多く、Steamのゲームとは互換性がありません。
ただし、これは「タブレットでSteamゲームを遊べない」という意味ではありません。Steam Link(スチームリンク)という公式アプリを使えば、PC上のSteamをタブレットにストリーミングしてプレイできるんです。
Steam Linkを使えばタブレットでSteamゲームをプレイできる
Steam Linkは、Valve(Steamを運営している会社)が公式で配布している無料アプリです。
仕組みを簡単に言うと「自宅PCで動かしているSteamの画面をタブレットに映して操作する」もの。ゲーム自体はPCで動いており、タブレットはリモコンとモニターの役割を担います。
対応OSと導入方法
Steam Linkは以下のデバイスで利用できます。
- Androidタブレット(Google Playストアからダウンロード)
- iPad(App Storeから入手)
インストール後は、同じWi-Fiネットワークに接続したPCとタブレットをペアリングするだけ。Steamクライアント側で「リモートプレイ」を有効にしておけば、すぐに接続できます。
プレイ時のポイント
- Wi-Fiは5GHz帯を推奨:通信が安定し、遅延が少なくなります。
- Bluetoothコントローラーを用意:タッチ操作でも可能ですが、アクションゲームなどは物理ボタンがある方が快適です。
- PCは常に起動状態で:Steam Linkはストリーミングなので、ホストPCがスリープ状態だと接続できません。
この方法なら、家の中でリビングのソファに寝転びながらPCゲームを楽しむ、なんてこともできます。
AndroidタブレットでSteamを使うコツ
Androidタブレットの場合、Steam Linkの操作性はかなり優秀です。画面タッチでの仮想コントローラー操作も可能ですが、Bluetoothコントローラーを接続するとより本格的なゲーム体験になります。
おすすめの環境としては次のとおりです。
- 高性能CPU(Snapdragon 8 Genシリーズなど)を搭載したモデル
- Wi-Fi 6対応
- 高リフレッシュレートディスプレイ(120Hz以上)
Samsung Galaxy TabシリーズやLenovo Tabシリーズなどが特に安定しています。
また、USB-Cポート経由で有線LAN接続ができるモデルなら、遅延がほぼ感じられません。
iPadでSteam Linkを使う場合
iPadでもSteam Linkは問題なく動作します。App Storeからインストール後、同一ネットワーク内のPCを選ぶだけで簡単に接続可能です。
iPadの強みは、画面の発色とスピーカーの音質の良さ。没入感が高く、リモートプレイの体験としては非常に優秀です。
また、Apple純正のゲームコントローラー規格「MFi」や、PlayStation/XboxコントローラーもBluetoothで接続できます。
特にiPad Proなどハイエンドモデルなら、解像度も高く、Steamのグラフィックをしっかり楽しめます。
WindowsタブレットならSteamを“直接”インストールできる
Steamを完全にネイティブ動作させたいなら、Windows搭載のタブレットを選ぶのが最も確実です。
たとえば以下のようなモデルがあります。
- Microsoft Surface Proシリーズ
- Lenovo ThinkPad Xシリーズタブレット
- ASUS ROG Flowなどのゲーミング2-in-1
これらは内部的にはPCそのもので、Steamクライアントをそのままインストールできます。
ただし、プレイできるゲームの範囲は性能次第。軽めのインディーゲームなら問題ありませんが、最新の3Dタイトルを遊ぶならGPU性能がカギになります。
Steam Deckという選択肢もある
「タブレットっぽくてSteamが動く端末」として人気なのが、**Steam Deck**です。
これはValveが自社で開発した携帯型ゲーミングPCで、最初からSteam OSが搭載されています。7インチのタッチスクリーンを備え、見た目はタブレット寄り。しかもSteamライブラリのゲームをネイティブに動かせるのが最大の特徴です。
ただし、Steam Deckは「タブレット」ではなく「ポータブルPC」です。
とはいえ、外出先でPCゲームを遊びたい人にとってはベストな選択肢のひとつ。Steam Linkを使わずに直接ゲームを起動できる点は大きな魅力です。
ChromebookでのSteam利用は非推奨
以前は「ChromebookでもSteamが動く」としてベータ版が提供されていましたが、現在はサポート終了が決定しています。
今後はChromebookでSteamを直接動かすのは現実的ではなく、どうしても使いたい場合はAndroid版のSteam Linkを利用するしかありません。
Steam Link以外の代替手段もある
Steam Link以外にも、リモートデスクトップアプリを使えばSteamゲームをプレイできます。
たとえば「Moonlight」や「Parsec」などが人気で、PC全体を遠隔操作しながらゲームを動かすことが可能です。
ただし、これらは非公式のため、設定が少し複雑になる点には注意が必要です。
タブレットでSteamを楽しむためのおすすめ環境
タブレットで快適にSteamゲームを遊ぶには、次の条件を整えておくと良いでしょう。
- ホストPCは有線LANで接続
- タブレットはWi-Fi 6以上
- Bluetoothコントローラーを使用
- バッテリー残量を十分に確保
- ゲームの解像度を低めに設定(ストリーミング時の安定性向上)
この環境が整えば、家庭用ゲーム機に匹敵する快適さでPCゲームをタブレット上で楽しめます。
今後の展開:ネイティブ対応の可能性は?
現時点で、AndroidやiPadが直接Steamゲームを実行する見込みはほとんどありません。
ただし、ValveはSteam OSを進化させ続けており、今後ARM版Linuxなどが普及すれば、タブレットでのネイティブ動作が現実になる可能性もあります。
それまでは、Steam Linkのようなストリーミング技術を活用するのがベストです。
ゲームを「どこでも遊ぶ」時代は確実に近づいています。
まとめ:タブレットのスチーム対応モデルはどれ?使えるアプリや設定方法を解説
現時点で「Steamをネイティブに動かせるタブレット」は基本的に存在しません。
しかし、Steam Linkを使えば、AndroidタブレットやiPadでも十分にSteamゲームを楽しむことができます。
一方、Windows搭載タブレットやSteam Deckのような携帯型PCを選べば、より本格的なプレイも可能です。
結局のところ、自分のプレイスタイルに合わせて「リモートプレイ型」か「ネイティブ型」かを選ぶのがポイント。
Steamの世界はどんどん広がっており、タブレットでもその魅力を十分に味わえる時代が来ています。
