スマートウォッチをお風呂でも使いたい──そう思ったことはありませんか?
心拍数や睡眠のモニタリング、通知チェックなど、「お風呂の時間もスマートに管理したい」という人は増えています。
でも実際は「防水って書いてあるけど本当にお風呂で使って大丈夫?」「湯気や石けんは平気?」など、気になる点も多いですよね。
この記事では、お風呂でも使えるスマートウォッチを選ぶために知っておくべき防水性能の見方や、実際におすすめできるモデルを7つ紹介します。
さらに、入浴時の注意点や長く使うためのコツもわかりやすくまとめました。
防水性能の見方を知ろう:IPとATMの違い
まず最初に押さえておきたいのが「防水性能」の意味。
製品のスペック欄に「IP68」「5ATM」などと書かれているのを見たことがあるはずです。これは“どの程度水に耐えられるか”を示す指標です。
- IP規格:数字が2つあり、前の数字はホコリ、後の数字は水への強さを表します。
例)IP68 → ほこりに完全防御&一定時間水中に沈めてもOK - ATM(気圧)規格:水圧に対する強さを表す指標。
例)5ATM=水深50m相当までの耐水性(ただし静止状態での目安)
ここで大事なのは、「防水=どんな状況でもOK」ではないこと。
防水試験はあくまで“冷たい水に静かに沈める”条件で行われており、お風呂のような高温・蒸気・石けん混じりの環境は想定されていません。
つまり、同じ「防水」でも“お風呂対応”とは限らないのです。
お風呂環境がスマートウォッチに厳しい理由
「水に強いならお風呂でも平気でしょ?」と思うかもしれません。
ところが、入浴中の環境はスマートウォッチにとってかなり過酷です。
- 高温:湯船の温度や蒸気は40℃以上。ゴムパッキンや接着材が膨張・劣化し、防水性能が落ちる原因に。
- 蒸気:水分が気化して隙間に入り込み、内部で結露を起こすことも。
- 石けんやシャンプー:油分・界面活性剤がシール部に入り込み、長期的に腐食を進める可能性あり。
- ボタン操作:お湯の中でボタンを押すと、水圧が変化して内部に水が侵入しやすくなる。
つまり、「水に浸かること」と「お風呂で使うこと」は別物。
特にサウナや温泉、ジェットバスなどはどんな防水モデルでも避けるのが無難です。
入浴時に使うなら知っておきたい防水等級の目安
「じゃあ、どの程度の防水ならお風呂でも大丈夫なの?」という疑問もありますよね。
以下の目安を参考にしてみてください。
- IP67:一時的な水濡れやシャワー程度ならOK。湯船は非推奨。
- IP68/5ATM:淡水での水泳まで想定。短時間の入浴なら耐えられるモデルもあり。
- 10ATM以上:本格的な水泳・シュノーケリング対応。ただし“高温”は依然としてNG。
メーカーによっては「シャワー・入浴対応」を明記している場合もあります。
この場合は湯温の制限(例:40℃以下)や使用時間の目安もチェックしましょう。
お風呂でも使えるスマートウォッチ7選
ここからは、実際にお風呂での使用に耐えうる防水性能を備えた人気モデルを7つ紹介します。
いずれも国内外で高い評価を受けており、普段使いにも最適です。
1. Apple Watch Series 9
50m防水のスイム対応モデル。シャワーや短時間の入浴なら問題なく使えます。
ただし、温泉やサウナは非対応。入浴後は必ず水で軽く流し、乾いた布で拭くのがポイント。
心拍計や血中酸素測定も精度が高く、ヘルスケア重視の人におすすめです。
2. Garmin Venu 3
5ATM防水でプールやお風呂の使用にも比較的強いモデル。
Garminは耐久性に定評があり、運動+リラックス両方のシーンに対応。
スピーカー搭載で音楽再生もできるため、入浴中にBGMを楽しみたい人にも。
3. Fitbit Versa 4
防水50m相当。軽量で肌あたりが良く、長時間つけていても快適。
入浴時でも外さず睡眠データを連続で取りたい人に向いています。
ただし石けんやシャンプーは避けること。
4. Huawei Watch Fit 3
IP68+5ATM対応で、軽量コンパクトながらしっかりした防水性能。
短時間の湯船やシャワーも対応範囲内ですが、高温・サウナは不可。
デザイン性が高く、日常使いと運動トラッキングを両立したい人に最適。
5. Amazfit GTR Mini
5ATM防水で、水泳・入浴の両方に耐える設計。
バッテリー持ちが約2週間と長く、毎日の充電が面倒な人にも好評。
価格も手頃で、初めてのスマートウォッチにもおすすめ。
6. Suunto 9 Peak Pro
10ATM防水。過酷な環境でも使える“タフモデル”。
水泳・登山・サーフィンなどハードなアクティビティ対応。
入浴も条件次第でOKですが、湯温・蒸気の多い場所は避けましょう。
7. Galaxy Watch6
IP68+5ATM+MIL規格対応と防水・耐久性に優れたモデル。
心拍・体温・睡眠などの測定機能も充実し、ヘルスケア重視派に最適。
湯船対応の明記はありませんが、短時間の入浴やシャワーなら問題なし。
スマートウォッチをお風呂で使うときの注意点
お風呂対応モデルでも、使い方を間違えるとトラブルのもとです。
次のポイントを押さえておきましょう。
- 湯温は40℃以下が目安:高温はシール材の劣化を早める。
- 石けん・シャンプーは避ける:界面活性剤で防水性が低下することも。
- 湯船ではボタン操作しない:圧力差で内部に水が入る危険。
- 入浴後は流水で軽く洗い、柔らかい布で拭く:湯成分を残さない。
- 完全乾燥させてから充電する:濡れたままの充電はショートの原因になる。
これらを守るだけで、スマートウォッチを長く安全に使えます。
長く使うためのメンテナンスと心がけ
防水機能は“永遠”ではありません。
使い続けるうちに、パッキンやシールが少しずつ劣化していきます。
次のようなメンテナンスを意識してみてください。
- 落下・衝撃の後は内部浸水のリスクあり。数日はお風呂使用を避ける。
- 湯気や結露が見えたら即使用中止。自然乾燥させ、必要なら修理相談を。
- 防水性能の高いモデルでも、1〜2年ごとに状態を確認。
- 湯・汗・塩分を定期的に洗い流すことで腐食を防ぐ。
少しのケアで寿命は大きく変わります。
「防水だから何も気にしなくていい」ではなく、「防水だからこそ丁寧に扱う」ことが大切です。
まとめ:お風呂でも使えるスマートウォッチを選ぶなら
お風呂でも使えるスマートウォッチを選ぶときは、防水性能の数字だけでなく“使用条件”を確認することが何より重要です。
IPやATMの数値はあくまで目安。メーカーの注意書きに「入浴・シャワー可」と明記されているかどうかを必ずチェックしましょう。
また、入浴中に使う場合は「高温・蒸気・石けん・ボタン操作」を避け、使用後のケアを習慣に。
これだけでトラブルのリスクは大幅に減らせます。
最後にもう一度──
お風呂でも使えるスマートウォッチはたくさんありますが、“どんな環境でも万能”なものはありません。
自分のライフスタイルに合わせて、無理のない範囲でスマートに取り入れていきましょう。
