最近、ゲームの容量がどんどん大きくなってきています。1本あたり100GBを超えるタイトルも珍しくなく、気づけば「ストレージが足りない…」という状況に陥る人も多いはず。そんな時に頼りになるのが「外付けSSD」です。
でも、実際のところ、外付けSSDをゲーム用に使うのってどうなの? 速度や安定性は? 接続方法に注意点は?
この記事では、ゲーミングPCに外付けSSDを導入することで得られるメリットと、失敗しないための最適な接続方法をわかりやすく解説します。
ゲーミングPCに外付けSSDを使うメリット
まずは外付けSSDを導入することで、どんな恩恵があるのかを整理してみましょう。
1. ゲームのロード時間が短くなる
HDDからSSDへ変えるだけで、起動時間やロード時間は体感的に別次元。
オープンワールドの広いマップを読み込む時や、シーン切り替えのタイミングでもストレスが減ります。
外付けSSDでも、USB 3.2 Gen2やThunderbolt 3/4のような高速接続を選べば、内蔵SSDにかなり近い速度を発揮できます。
たとえば、HDDで30秒かかっていたロードがSSDなら10秒以下になることも珍しくありません。単純な数字以上に、ゲームのテンポが良くなるのを実感できるでしょう。
2. ストレージ容量を簡単に拡張できる
近年のタイトルは容量が巨大。SteamやEpic Gamesなどで複数タイトルをインストールしていると、すぐに内蔵ドライブがいっぱいになります。
外付けSSDなら、USBケーブル1本で容量を増やせる手軽さが魅力。ノートPCやコンパクトなゲーミングPCでも、分解せずに増設できるのは大きなメリットです。
さらに、外付けSSDは持ち運びにも便利。自宅ではデスクトップ、外出先ではノートPCにつなぎ替えて、同じゲームライブラリを楽しむこともできます。
3. 内蔵ドライブの負荷を軽減できる
ゲームのインストールやパッチ適用は、意外とストレージに負担をかけます。
外付けSSDを導入すれば、内蔵ドライブをOSやアプリ専用にして、ゲームは外付け側に集約するという使い分けが可能です。
これにより、内蔵SSDの書き換え回数を減らして寿命を延ばす効果も期待できます。
4. データ整理がしやすくなる
ゲームを頻繁に入れ替える人にとって、外付けSSDは整理のしやすさも魅力。
ライブラリをSSDごとに分けておけば、ジャンル別・用途別に管理できます。
また、外付けならバックアップ用ドライブとしても活用しやすいので、万が一のトラブル時にも安心です。
外付けSSDを導入する際の注意点
もちろん、良い点ばかりではありません。外付けSSDをゲーム用として使うときは、いくつか気をつけたいポイントがあります。
1. 接続インターフェースが速度を左右する
SSD自体がどんなに速くても、接続ポートが遅ければ性能を引き出せません。
USB 3.0(5Gbps)の場合、理論値で約500MB/s前後。
一方、USB 3.2 Gen2(10Gbps)なら実効速度で700〜1000MB/s、USB4やThunderbolt 4ならさらにその数倍のスピードが出ます。
つまり、PC側のポート性能がボトルネックになる可能性があるということ。
「せっかく高性能SSDを買ったのに思ったほど速くない…」という場合は、接続ポートを確認してみましょう。
2. ケーブルやハブ経由の接続にも注意
外付けSSDはUSBケーブルで接続するため、ケーブルの品質や長さも速度に影響します。
また、USBハブを経由すると電力供給や通信速度が不安定になることも。
できるだけPC本体のポートに直接つなぐのがベストです。
3. 発熱・耐久性への配慮
SSDは発熱しやすい部品です。特にポータブルタイプは放熱面積が小さいため、長時間のデータ転送では熱で速度が落ちることもあります。
金属ボディやヒートシンク付きのモデルを選ぶと安心。
また、衝撃に強い耐久設計の製品を選べば、持ち運び時のリスクも軽減できます。
4. ゲームランチャーとの連携設定
SteamやEpicなどのランチャーでは、外付けドライブにインストールフォルダを追加できます。
ただし、ドライブの名前(ドライブレター)が変わると、ゲームが起動できなくなる場合があります。
設定後は「常に同じポート」に接続するか、Windowsでドライブレターを固定しておくのがおすすめです。
ゲーミングPCに最適な外付けSSDの選び方
それでは、実際にゲーミング用途で外付けSSDを選ぶ際のポイントを具体的に見ていきましょう。
1. 接続規格はUSB 3.2 Gen2以上を目安に
ゲームのロードやインストール速度を重視するなら、少なくともUSB 3.2 Gen2対応のモデルを選びましょう。
PCがThunderbolt 3/4対応なら、その規格に対応したSSDを選ぶとさらに高速。
最近ではUSB4対応モデルも増えており、PCIe NVMe SSDを内蔵した外付けタイプなら、内蔵SSD並みの速度を実現できます。
2. 容量は1TB以上が安心
最新ゲームは1タイトルで100GBを超えることも珍しくありません。
システムファイルやDLC、アップデートのことも考えると、500GBではすぐにいっぱいに。
今後を見据えて、1TB〜2TBを選ぶのが現実的です。
3. ランダムアクセス性能をチェック
SSDの性能指標には「シーケンシャル速度」だけでなく「ランダムアクセス速度」もあります。
ゲームの起動やロードでは、たくさんの小さなファイルを読み込むことが多いため、この性能が高いほど体感が速くなります。
スペック表やレビューで「4Kランダムリード」の数値を確認しておくと安心です。
4. 信頼性・保証期間も重視する
外付けSSDは長く使うものなので、メーカーの信頼性や保証期間も重要です。
保証3年以上、耐衝撃・防滴設計が施されている製品なら、携帯用途でも安心。
価格だけで選ばず、サポート体制や実績もチェックしておきましょう。
接続と運用のコツ
導入時や日常の使い方でも、ちょっとしたコツを意識するだけで快適さがぐっと増します。
1. 初期設定とフォーマット
購入直後のSSDはexFATやNTFSなど、初期フォーマットが異なる場合があります。
Windowsで使うならNTFSがおすすめ。
複数のデバイス(ゲーム機など)でも使いたいならexFATが無難です。
2. 常時接続するならポートを固定
ゲームを外付けSSDにインストールしている場合、PC起動時から接続しておくのが理想。
抜き差しのたびにドライブレターが変わると、ゲームが見つからないトラブルの原因になります。
常に同じポートで運用する、もしくはドライブレターを固定しておくと安心です。
3. 発熱対策と安定動作
長時間のプレイや転送作業でSSDが熱を持つ場合、放熱しやすい場所に置いたり、金属製筐体の製品を選んだりすると良いでしょう。
また、熱によるパフォーマンス低下(サーマルスロットリング)を防ぐために、夏場は特に注意が必要です。
4. ゲームの移行も簡単
既に内蔵ドライブにインストール済みのゲームを外付けSSDに移動したい場合も、SteamやEpicなら設定画面から簡単に変更できます。
「ライブラリフォルダを追加」→「移動先ドライブを選択」でOK。
再インストール不要で快適に運用できます。
ゲーミングPCに外付けSSDを導入するメリットと最適な接続方法まとめ
外付けSSDは、ゲーミングPCにとって手軽で効果的なアップグレード手段です。
ロード時間短縮、容量拡張、データ管理のしやすさ、そして持ち運びの自由度。どれを取っても、ゲーマーにとっては大きなメリットがあります。
ただし、性能を最大限に引き出すには「接続インターフェース」「ケーブル」「ポート選び」など、基本をしっかり押さえることが重要です。
USB 3.2 Gen2以上、できればThunderbolt対応のポートを使えば、外付けでも驚くほど快適な環境が実現できます。
ゲームをより快適に、そしてスマートに楽しみたいなら、今こそ外付けSSDの導入を検討してみましょう。
ゲーミングPCに外付けSSDを組み合わせることで、あなたのプレイ体験はきっとワンランク上がるはずです。
