「ゲーミングPCってなんであんなに光るの?」
──そう思ったこと、ありませんか?
最近のゲーミングPCは、マザーボードからファン、メモリまで、何から何までRGBライトが搭載されているのが当たり前。七色に光るファンやケースは確かにかっこいいけれど、実際に長時間プレイしたり作業したりしていると、あの光が意外と気になって集中できないという人も多いんです。
今回はそんな「ゲーミングPCを光らせない」ための実践的な方法を、初心者でもできるレベルでまとめて紹介します。光をオフにして、落ち着いた集中空間を作りましょう。
なぜゲーミングPCは光るのか?
まずはちょっと背景を知っておきましょう。
ゲーミングPCが光る最大の理由は「見た目の演出」です。ゲームブランドの多くは、“パフォーマンス=光ること”という文化を作ってきました。
- ファンやメモリなどが「RGB対応」になっている
- 透明パネルのケースで内部を見せるデザインが主流
- メーカーが専用のLED制御ソフトを標準で入れている
つまり「光るように作られている」わけです。
ただ、性能にはまったく関係ありません。LEDを消してもフレームレートが下がることはありませんし、動作に影響はゼロ。だからこそ、光が不要ならオフにして問題なし。集中したい人にはむしろ消したほうがメリットが多いのです。
光らせないことで得られるメリット
LEDを消すのは単なる見た目の問題ではありません。実際には、快適さにも直結します。
- 視覚的なノイズを減らせる
チラチラとした点滅や色変化は、知らず知らずのうちに注意を奪います。
光を消せば、視線が自然にモニターへ集中。 - 部屋の雰囲気が落ち着く
夜間のゲームや作業では、光が強いと部屋全体がギラギラして疲れます。
LEDオフにすると、暗めの照明と相性がよく、目もラク。 - スリープ中の“謎の発光”を防げる
PCをシャットダウンしても、なぜか光ってる…という経験がある人も多いでしょう。
正しい設定でLEDを止めれば、夜中に光ることもなくなります。 - 電力をわずかに節約
LEDの消費は微々たるものですが、スリープ中に点灯し続けるよりも省エネです。
【ステップ1】まずは物理ボタンでLEDをオフにしてみる
意外と知られていないのが、「ケース本体にLED制御ボタンが付いている」ケース。
電源ボタンの近くや上面パネルに「LED」「RGB」「MODE」と書かれたボタンがあれば、それを押してみましょう。
- 短押し:色変更やエフェクト切り替え
- 長押し:すべて消灯できるモデルもあり
最近のBTOゲーミングPC(例:GALLERIAなど)は、これだけで光を止められる場合があります。最初にここを試すのが一番簡単です。
【ステップ2】ソフトでLEDを完全オフにする
マザーボードやファンのメーカーごとに、専用の制御ソフトが用意されています。代表的なものを紹介します。
- ASUS:Armoury Crate(AURA Sync)
- MSI:Mystic Light
- ASRock:Polychrome RGB
- GIGABYTE:RGB Fusion
- Corsair:iCUE
どれも使い方はほぼ共通です。
アプリを起動して「ライティング」や「エフェクト」タブを開き、モードを「オフ」「Dark」「固定カラー(#000000)」などに設定するだけ。これでLEDが完全に消灯します。
ポイントは、「全デバイス同期(Sync)」を有効にしてからOFF設定にすること。そうしないと、一部のパーツだけが光り続けることがあります。
また、複数のRGB制御ソフトを同時に入れると干渉してうまく消えないこともあるので、マザーボードに対応したソフトひとつに絞るのがおすすめです。
【ステップ3】BIOSでスリープ・電源オフ時の光を止める
「電源を切っても光る」問題に悩んでいる人は、BIOS(UEFI設定)を確認しましょう。
メーカーによって項目名は異なりますが、次のような設定がある場合が多いです。
- LEDs in Sleep, Hibernation, and Soft Status → [Off]
- ErP Ready → [Enabled]
- Turn On Onboard LED in S5 → [Disabled]
このあたりをオフにすると、スリープ中やシャットダウン後も光らなくなります。
設定を変えたら保存(F10など)して再起動すれば完了。
BIOS画面を開くには、起動時に「Deleteキー」または「F2キー」を押すのが一般的です。
少しハードルは高いですが、一度設定しておけば二度と光らないので、やる価値は大きいです。
【ステップ4】それでも光るならハードで対処
ソフトやBIOSで制御できないLEDも中にはあります。そんなときは、物理的な方法で対処しましょう。
- LED付きファンを、非発光タイプの静音ファンに交換
- LEDストリップの電源ケーブルを抜く(保証には注意)
- サイドパネルをスモークや遮光タイプに交換して光を隠す
最近は「光らないゲーミングパーツ」も増えており、ブラックデザインで統一した“シック系PC”も人気です。見た目を落ち着かせたいなら、今後のパーツ交換時にLEDレスモデルを選ぶのも良い選択です。
光を完全に消さず“抑える”という選択肢
「全部消すと味気ないな」という人は、光を“控えめにする”のもおすすめ。
次のような設定を試してみましょう。
- 明るさを下げて弱発光にする
- 点滅ではなく“常時点灯”モードに固定
- 色を白や暖色にして、落ち着いた印象にする
特に暖色系(オレンジ寄り)にすると、光の刺激が和らぎます。
目に優しく、雰囲気も柔らかくなるので、作業スペース全体のトーンを整えたい人にもぴったりです。
光らせない構成を最初から選ぶという考え方
もしこれからゲーミングPCを買う/組む予定があるなら、「最初から光らせない構成」を選んでしまうのが一番手っ取り早いです。
- LED非搭載のファンやメモリを選ぶ
- ケースは遮光性の高いスチールパネルタイプを選択
- マザーボードはRGB制御オフ機能付きモデルをチェック
「ゲーミング=光る」というイメージは根強いですが、実は黒一色のシンプルな構成はプロゲーマーや配信者の中でも人気です。
照明を抑えた空間はカメラ映りも落ち着き、配信画面にも集中感を与えられます。
光らせない設定を維持するためのコツ
設定したのに、再起動後に光が戻った…というのはよくある話。
そんなときに気をつけたいポイントをいくつか挙げます。
- RGB制御ソフトはひとつに統一する
- BIOSアップデート後は再設定を確認する
- 新しいパーツを追加したときは再チェック
- 設定手順をメモしておくと、トラブル時に便利
また、PCを使う環境も大事です。光を消すだけでなく、モニターの明るさや部屋の照明も含めて調整すると、目の疲れがぐっと減ります。
LEDをオフにして“集中できるゲーミング環境”をつくろう
ゲーミングPCを光らせない方法は、実はとてもシンプル。
ボタンを押す、ソフトで設定する、BIOSを少し調整する──それだけで、自分のPCは驚くほど静かで落ち着いた存在になります。
光が派手だから“ゲーミング”という時代はもう終わりです。
性能はそのままに、余計な演出をカットして、自分の集中を最大化する環境を手に入れましょう。
落ち着いた光のない空間で、静かにゲームに没頭する。
それこそが、真の意味での“ゲーミングPCを光らせない”スタイルかもしれません。
