「ゲーミングPCが欲しいけど、お金がない……」
そんな声をよく聞きます。最近は円安やパーツ価格の高騰もあり、「ゲーミングPC=最低10万円」と思っている人も多いでしょう。でも本当に、3万円以下では不可能なのでしょうか?
結論から言うと、「3万円以下でもゲームを楽しむことはできる」。
ただし、“どんなゲームを”“どんな設定で”遊ぶかによって、現実的なラインは変わってきます。今回は、格安でゲーミング環境を手に入れるための考え方と、おすすめ構成を紹介します。
3万円以下のゲーミングPCって本当に存在するの?
まず正直に言ってしまうと、「新品で3万円以下のゲーミングPC」はほぼ存在しません。
パソコンショップやBTOメーカーでは、いちばん安いモデルでも10万円前後が相場。3万円以下は“ゲーミング”を名乗るにはパワー不足です。
ではどうすればいいのか?
実は、「中古」や「自作」であれば、3万円以下でも“ゲームができるPC”を組むことは十分に可能です。
中古のオフィス向けPCにグラフィックボードを増設したり、パーツを寄せ集めて自作することで、軽めのゲームを快適に遊ぶことができます。
安くても侮れない!中古・自作で叶える低予算ゲーミング環境
1. 中古PCをベースにする方法
たとえば中古ショップでよく見かける「DELL OptiPlex 7050」シリーズ。
Core i5 第4世代、メモリ8GB、SSD換装済みのモデルが2万円台で手に入ることもあります。
ここに中古のグラフィックカード(GTX1030やGTX960など)を追加すれば、合計3万円以下で“軽量ゲーム対応PC”が完成します。
この構成なら、
- 『Fortnite』
- 『Valorant』
- 『Apex Legends(低設定)』
あたりまでなら遊べる可能性があります。
グラフィック設定を中~低に落とせば、フルHDでもそこそこ快適に動作します。
2. パーツを集めて自作する方法
もうひとつは、自作です。
中古パーツを組み合わせれば、性能を調整しながら予算を抑えられます。
あるユーザーの例では、
- Ryzen 5 2600(約5,000円)
- B450マザーボード(約5,000円)
- メモリ8GB(約2,000円)
- GTX960(約3,000円)
- SSD 256GB(約2,000円)
- 電源+ケース(約2,000円)
これで合計2万9,000円ほど。中古とはいえ、しっかりした構成です。
少しでも自作経験があるなら、このルートが最もコスパに優れます。
格安ゲーミングPCを選ぶときのポイント
CPUとGPUのバランスを意識する
ゲーム性能を決めるのは、基本的に「GPU(グラフィックカード)」です。
ただ、CPUが古すぎるとボトルネックになるため、Core i5 第4世代以降やRyzen 第2世代以降を目安にするとよいでしょう。
メモリは最低8GB、できれば16GB
最近のゲームは8GBを超えるメモリを要求します。
中古でも安く買えるので、メモリはケチらないほうが快適です。
SSDは小容量でも必須
HDDしかない中古PCは起動も遅く、ゲームのロードも長いです。
たとえ128GBでもSSDを入れることで、体感スピードは格段に上がります。
電源と冷却を軽視しない
特に中古電源は経年劣化が進んでいることが多く、トラブルの原因になります。
可能なら新品の電源ユニットを購入し、熱対策にも気を配りましょう。
3万円以下で買えるおすすめ構成・モデル5選
ここでは、実際に3万円前後で購入・組める現実的な構成やモデルを紹介します。
※価格は時期や在庫によって変動します。
1. DELL OptiPlex 7050 + GTX1030(中古構成)
ビジネス用の中古PCに安価なグラボを追加。
軽めのゲーム中心なら快適にプレイできます。
総額:約28,000円前後。
2. HP EliteDesk 800 G2 + GTX750Ti
Core i5-6500搭載の中古PCに、GTX750Tiを増設。
消費電力が低く、電源交換なしでも動作しやすいのが魅力。
総額:約29,000円。
3. Ryzen 5 2400G(APU構成)
GPU内蔵CPU「Ryzen 5 2400G」で構築する方法。
グラボなしでも『Minecraft』『Valorant』程度なら遊べる性能。
パーツ合計:約30,000円。
4. Lenovo ThinkCentre M900 + GTX1050(中古)
静音性が高く省スペース。
中古市場でも人気があり、拡張スロットも豊富。
総額:約30,000円強。
5. 自作ミニ構成:Ryzen 3 3200G + A320マザー
APUの内蔵グラフィックを活かした超格安構成。
メモリを高速化すれば軽量ゲームは十分プレイ可能。
総額:約27,000円。
実際のゲームプレイはどこまで可能?
3万円以下のゲーミングPCでできること、できないことを整理すると次の通りです。
できること
- フォートナイトやValorantなどのeスポーツ系タイトル(低〜中画質設定)
- Minecraft、Stardew Valley、Terrariaなどの軽めのインディーゲーム
- 旧世代のSteamタイトル(Skyrim、GTA5など)
厳しいこと
- 最新のAAAタイトル(Starfield、Cyberpunk 2077など)
- レイトレーシングを使う高負荷ゲーム
- 高画質設定・高リフレッシュレートでのプレイ
つまり、「軽めのゲームをコスパ良く楽しむ」には十分だけど、「最新作を美麗に遊ぶ」のは厳しい、というバランスです。
購入時の注意点とリスク回避
中古・格安PCの購入には、いくつかのリスクがあります。
失敗を防ぐために、次の点を意識しておきましょう。
- 保証の有無を確認
フリマアプリやオークションでは動作保証がない場合があります。中古専門店なら最低30日保証がつくことが多いです。 - Windowsライセンスの状態をチェック
「プロダクトキーなし」「認証済みではない」など、OSが使えない状態のものは避けましょう。 - 内部のホコリ・グリス劣化に注意
古いPCは熱がこもりやすいです。購入後に清掃・メンテナンスするだけで寿命が延びます。 - 拡張性を確保する
将来的にグラボを差し替えたいなら、電源容量やスロット構成を確認しておくことが重要です。
3万円以下のゲーミングPCは“入り口”と考えよう
3万円以下という価格帯は、正直に言って“完璧なゲーミング体験”を求めるには厳しいです。
けれど、ゲームの世界に一歩踏み出す“入口”としては非常に優れています。
格安PCでも、設定を工夫すれば十分遊べる。
そして、少しずつパーツを交換していけば、自分だけの最強マシンに育てていくこともできるのです。
ゲームを始めたいけど、いきなり高額なPCは買えない――そんな人にこそ、「3万円以下でゲーミングPCを手に入れる」という選択はおすすめです。
まとめ|3万円以下で買える格安ゲーミングPCはある?低予算向けおすすめ5選
結論として、「3万円以下でもゲーミングPCは手に入る」が、「どこまでゲームを快適に動かせるか」は構成次第です。
中古・自作・APU構成をうまく組み合わせれば、軽量ゲーム中心に十分楽しめます。
ポイントは、
- 安くても妥協しすぎない(電源・メモリはケチらない)
- 拡張性を確保しておく
- 自分の遊びたいゲームに合った性能を見極める
低予算でも“遊べる環境”は作れます。
3万円以下という制限を逆手にとって、知恵と工夫で最高のコスパを目指しましょう。
