「ワイヤレスイヤホンで通話できない」――そんな経験、ありませんか?
音楽は問題なく聞けるのに、いざ電話がかかってくると相手の声が聞こえない。もしくは、自分の声が届かない。
実はこれ、設定や環境のちょっとしたズレが原因であることがほとんどです。
この記事では、ワイヤレスイヤホンで通話ができない時に確認すべきポイントや、具体的な解決方法をわかりやすく紹介します。
難しい操作は必要なし。ひとつずつ試せば、きっと改善のヒントが見つかるはずです。
なぜ通話できない?まずは原因を整理しよう
ワイヤレスイヤホンで通話ができない場合、大きく分けて「接続の問題」「設定の問題」「機器の不具合」「環境要因」の4つが考えられます。
1. Bluetooth接続がうまくいっていない
スマホやPCとのペアリングが正しく行われていないと、通話用の音声がイヤホンに届かないことがあります。
音楽再生は問題なくても、通話の音声は別の通信規格(通話用プロファイル)で処理されるため、別ルートが遮断されていると通話だけできなくなることがあります。
2. 通話設定がオフになっている
スマホの設定で「通話の音声」がオフになっていると、イヤホンを認識していても実際の通話では本体スピーカーが使われます。
特にAndroidでは、Bluetooth設定の中に「電話の音声」項目があるので要チェックです。
3. マイクが機能していない
自分の声が相手に届かない場合は、マイク部分に汚れが詰まっているか、マイクがスマホ本体側に切り替わっていることがあります。
また、アプリやOSのマイク権限がオフになっているケースも多いです。
4. 電波や環境が影響している
Bluetoothは2.4GHz帯の電波を使っているため、Wi-Fiや電子レンジなど他の機器の影響を受けやすいです。
また、距離が離れすぎていると音切れや通話断が起きやすくなります。
ステップ① Bluetooth接続をリセットしてみる
まず試したいのは、「一度つなぎ直す」こと。
長く使っているとペアリング情報がズレて通信が不安定になる場合があります。
- スマホの設定で「Bluetooth」を開く
- 問題のイヤホンを選んで「このデバイスを削除」または「登録解除」
- イヤホンの電源を切り、再びペアリングモードにする
- スマホ側で再検索して再ペアリング
再接続後、「通話用オーディオ」や「電話の音声」がオンになっているか確認しましょう。
iPhoneなら設定画面で「Bluetoothヘッドセット」と表示されていればOKです。
ステップ② 通話音声の出力先を確認
通話中に「相手の声が聞こえない」ときは、出力先がスマホ本体になっている可能性があります。
- iPhoneの場合
通話画面で「オーディオ」をタップし、「Bluetooth」またはイヤホン名を選択。
設定から「アクセシビリティ」→「タッチ」→「通話オーディオルーティング」→「Bluetoothヘッドセット」にしておくと、自動的に切り替わるようになります。 - Androidの場合
「設定」→「接続済みデバイス」→イヤホンを選択→「電話の音声」をオンに。
また、通話中の画面にあるスピーカーアイコンから出力先を手動で切り替えることも可能です。
この操作だけで、音声がスムーズにイヤホンへ切り替わるケースは多いです。
ステップ③ マイクの設定と動作を確認
自分の声が相手に届かないときは、マイク側をチェックします。
- イヤホンのマイク穴にホコリや汚れが溜まっていないか
- マイクが覆われていないか(マスクや髪の毛なども意外と影響します)
- スマホのマイクアクセス許可が有効になっているか
iPhoneなら「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「マイク」から確認できます。
アプリごとに権限を設定できるので、LINEやZoomなどでうまく音声が通らない場合は、ここを見直してみましょう。
ステップ④ ソフトウェアとファームウェアを最新に
ワイヤレスイヤホンは小さなコンピュータのようなもので、内部にはファームウェアが搭載されています。
メーカーが不具合修正や機能改善のために更新を配布している場合があるため、専用アプリをチェックしてみてください。
同様に、スマホのOSアップデートも重要です。
Bluetoothの通信仕様が変わることもあるため、古いOSのままだと相性が悪くなるケースもあります。
ステップ⑤ 電波環境・距離を見直す
Bluetoothは便利ですが、意外とデリケートです。
次のような環境では通話が不安定になりがちです。
- スマホとイヤホンの距離が2m以上離れている
- カバンやポケットの奥にスマホを入れている
- Wi-Fiルーターや電子レンジの近く
- 2台以上のBluetooth機器を同時に接続している
一度すべての機器のBluetoothを切ってから、イヤホンとスマホだけで接続してみましょう。
電波干渉が原因なら、これだけで改善することがあります。
ステップ⑥ 通話アプリでの設定も忘れずに
通話ができないのが特定のアプリ(LINE・Zoom・Discordなど)のみなら、そのアプリの設定が影響している可能性があります。
- アプリ内の「オーディオ設定」「通話設定」を確認
- マイク・スピーカーのアクセス許可をオンに
- アプリを最新版にアップデート
- 一度アプリを完全終了→再起動
また、Androidの場合は「付近のデバイス権限」がBluetooth通信をブロックしていることもあります。
「設定」→「アプリ」→該当アプリ→「権限」から見直してみましょう。
ステップ⑦ それでもダメなら初期化・他機器でのテスト
どうしても改善しない場合は、イヤホンを初期化するのが手っ取り早い方法です。
多くの製品では、ケースに戻してボタンを長押しするなどで工場出荷状態に戻せます(操作方法は製品マニュアル参照)。
その後、スマホ側でも「このデバイスを削除」→再ペアリングを実行。
それでも改善しない場合は、別のスマホやPCに接続して通話テストをしてみてください。
別の機器で問題なく使えるなら、スマホ側の設定やOSの問題の可能性が高いです。
それでも解決しない場合のチェックポイント
- イヤホンが「通話対応モデル」かを確認(音楽専用モデルも存在)
- マルチポイント機能で別機器に通話が奪われていないか
- イヤホンやスマホのバッテリーが十分あるか
- ケースから出して左右イヤホンが正しく接続されているか
また、メーカーのサポートサイトには個別の不具合解消法やファーム更新情報が掲載されていることも多いです。
使っているブランド(Sony、Anker、Apple、JVCなど)ごとにチェックしてみましょう。
ワイヤレスイヤホンで快適に通話するためのコツ
日常的にワイヤレスイヤホンで通話するなら、次のポイントを意識すると安定します。
- 通話前にイヤホンの接続を確認しておく
- 通話開始直後に出力先を「Bluetooth」に設定
- 騒がしい環境ではノイズキャンセリング機能付きのイヤホンを選ぶ
- 長時間通話する場合はバッテリーを意識して充電を確保
- 通話後は一度Bluetoothを切ってリフレッシュ
小さな工夫で、通話品質は驚くほど安定します。
ワイヤレスイヤホンで通話できない時のまとめ
「ワイヤレスイヤホンで通話できない」とき、焦らずに次の順番で確認すれば、ほとんどのケースは解決します。
- Bluetoothの再接続
- 通話音声の出力設定
- マイクとアクセス許可
- ファームウェア・OSアップデート
- 電波・距離・周辺環境の見直し
- アプリ設定・権限の確認
- 初期化・別機器でのテスト
特別なツールや修理を頼まなくても、設定や環境を見直すだけで改善できることが多いです。
ワイヤレスイヤホンは便利な反面、通信の仕組みが複雑。
でも、一度ポイントを理解すれば、もう「通話できない」なんてトラブルに悩むことはありません。
今日からは、快適なハンズフリー通話を取り戻しましょう。
