最近は「PCでもワイヤレスイヤホンを使いたい」という声をよく聞きます。
リモート会議、動画視聴、ゲーム、音楽鑑賞——ケーブルの煩わしさから解放されたい人にとって、無線イヤホンは便利な選択肢です。
でも、PCで使うとなると「音の遅延」や「接続の安定性」に不安を感じる人も多いはず。
この記事では、そんな疑問を解消しながら、PC向けに最適なワイヤレスイヤホンの選び方をわかりやすく解説します。
音質にもこだわりたい人向けに、実際に評価の高いモデルの情報も紹介します。
ワイヤレスイヤホンをPCで使うメリットと注意点
まずは基本から。PCでワイヤレスイヤホンを使うと、どんなメリットと注意点があるのでしょうか。
メリット
- ケーブルが邪魔にならない
机の上がスッキリして作業効率もアップ。
立ち上がってもケーブルを引っ掛ける心配がなく、ストレスが少ないです。 - マルチデバイス対応
スマホやタブレットと共有できるため、PC作業中の通話や音楽切り替えもスムーズ。 - Bluetooth対応機器が増えている
最近のノートPCには標準搭載されていることが多く、別途アダプタなしで接続できる場合もあります。
注意点
- 遅延が発生する可能性
Bluetooth経由では音が映像より少し遅れることがあります。特にゲームや動画編集では顕著です。 - 音質の個体差が大きい
スマホ向けにチューニングされた製品は、PCでの使用時に音がこもったりすることも。 - バッテリー管理が必要
連続再生時間や充電ケースの容量も要チェック。長時間作業が多い人はバッテリー持ちが良いモデルを選びましょう。
遅延を減らすには?ワイヤレスイヤホン選びのカギ
「音ズレが気になる」という悩みの多くは、遅延(レイテンシ)が原因です。
実は、この遅延はイヤホンの性能だけでなく、接続方式やコーデックによっても変わります。
1. Bluetoothよりも2.4GHzドングル方式が有利
Bluetoothは汎用性が高い一方、どうしても遅延が発生しやすい通信方式です。
一方、ゲーミングイヤホンなどで採用される「2.4GHzワイヤレス接続(USBドングル)」は、専用通信で低遅延を実現。
音と映像のズレを抑えたい人には、断然おすすめの方式です。
2. 低遅延コーデックを選ぶ
Bluetooth接続でも、「aptX Low Latency」や「LLAC」「LHDC」などのコーデックを使えば遅延を抑えられます。
標準のSBCやAACでは100ms以上のズレが起こることもありますが、これらのコーデックなら30〜50ms程度に抑えられるケースもあります。
3. PCのBluetoothバージョンにも注意
イヤホンが最新でも、PCのBluetoothチップが古いと性能を活かせません。
Bluetooth 5.0以降、できればLE Audio対応のモデルだと安定性も音質も向上します。
古いPCの場合はUSBドングルを追加するのも一つの手です。
4. ゲームモード・低遅延モードを活用
最近のイヤホンはアプリやボタン操作で「ゲームモード」をオンにできるものが増えています。
このモードでは音声処理のバッファを短縮し、60ms以下の遅延に抑える製品もあります。
ゲーム以外でも、動画視聴時にオンにしておくとより快適です。
音質も妥協しない!チェックすべきポイント
PCでの使用は、単に「聞こえればいい」では終わりません。
作業中のBGMから映画、ゲームの臨場感まで、音質は体験を左右します。
1. ドライバーのサイズとチューニング
大口径ドライバーを搭載したイヤホンは低音の迫力に強く、音の厚みが出やすい傾向があります。
ただし、音質はチューニングの方向性にも左右されるため、レビューで「バランスが良い」「高音がクリア」と評されるモデルを選びましょう。
2. ノイズキャンセリング(ANC)機能
集中して作業したい人には欠かせません。
外の雑音をカットすることで、オフィスやカフェでも快適に使えます。
ただし、ANCが強すぎると音質に影響することもあるため、オン/オフを切り替えられるタイプが理想です。
3. 外音取り込み機能
在宅ワークやオンライン会議中に、家族の呼びかけを聞きたい場合は便利。
外音を自然にミックスできるモードがあると安全性も上がります。
4. 長時間装着でも疲れにくいデザイン
耳へのフィット感や軽さも大事な要素です。
カナル型は遮音性が高く音質重視派に人気、インナーイヤー型は軽快で通話向き。
用途や装着時間に合わせて選びましょう。
用途別に見る最適な選び方
同じ「PCで使う」でも、目的によって選び方は変わります。
以下のように、用途別に重視するポイントを整理しておくと選びやすいです。
映画・動画視聴中心
- 音の厚みと定位感を重視
- 遅延よりも音質優先でOK
- ANC搭載モデルが快適
ゲーム・配信中心
- 低遅延モードまたは2.4GHzドングル必須
- マイク性能が高いモデル
- 音の方向感(足音や環境音の位置感)を重視
リモート会議・ビジネス利用
- 通話時の音声クリアさとマイクノイズ抑制
- 長時間装着でも疲れにくい軽量設計
- バッテリー持ちと充電速度を確認
音質も遅延も妥協しないおすすめモデル
ここでは、実際にPC用途で高評価を得ているワイヤレスイヤホンをいくつか紹介します。
それぞれの特徴を把握して、自分に合うモデルを探してみましょう。
SONY INZONE Buds
ソニーのゲーミングブランドINZONEシリーズ。
2.4GHz USB-Cドングル接続に対応し、ほぼゼロ遅延に近い通信を実現。
ノイズキャンセリングも優秀で、ゲームから映画まで幅広く対応します。
Razer Hammerhead HyperSpeed
ゲーミングブランドRazerの低遅延モデル。
THX認証の音質と専用ドングルによる安定した接続が特徴。
PS5やSwitchでも使えるため、マルチデバイス環境にぴったりです。
SteelSeries Arctis GameBuds
プロゲーマーにも人気のSteelSeries。
USB-Cドングル接続で低遅延、クリアな音場表現が魅力。
装着感も軽く、長時間プレイにも向いています。
Anker Soundcore P40i
コスパの高さで人気のAnker。
音質重視ながら価格が手ごろで、マルチポイント接続にも対応。
リモートワーク用途に最適です。
今後のトレンド:PCとワイヤレスの関係はもっと快適に
2025年以降、Bluetooth LE Audioの普及が進み、PCとワイヤレスイヤホンの関係はさらに快適になります。
LE Audio対応機器では、通話中でもステレオ音質を維持できる「Super Widebandモード」が搭載される予定。
また、LHDCやLLACといった新しい高音質・低遅延コーデックも普及段階に入りつつあります。
つまり今後は、「ワイヤレス=遅れる」という常識が少しずつ過去のものになっていくでしょう。
数年後には、有線との差がほとんど感じられない時代がやってきそうです。
まとめ:PCで使えるワイヤレスイヤホンの選び方
PCでワイヤレスイヤホンを使うなら、次のポイントを意識して選びましょう。
- 遅延を抑えたいなら、2.4GHzドングル方式または低遅延コーデック対応を選ぶ
- 音質重視なら、ドライバー性能とコーデック対応をチェック
- リモート会議中心なら、マイク性能・装着感・バッテリー持ちが重要
- ゲーム重視なら、遅延30ms以下・方向感のある音場を意識
- そして何より、自分の用途に合ったモデルを選ぶこと
ワイヤレスイヤホンは、PCの使い方を変える小さな相棒です。
遅延対策と音質のバランスを見極めて、自分にとって最適な1台を見つけましょう。
