命を守るために知っておきたいiPhoneの機能
もしものとき、あなたの大切な情報を伝えられる準備はできていますか?突然の事故や急病で意識を失ってしまった時、自分自身のことを誰かに伝えるのはとても難しいものです。
そんな時に頼りになるのが、iPhoneに搭載されている「メディカルID」という機能なんです。今回はこのメディカルIDについて、設定方法から実際の活用術までじっくり解説していきますね。
そもそもiPhoneのメディカルIDとは何なのか
メディカルIDは、Appleが[iphone]のヘルスケアアプリに搭載している機能で、緊急時にあなたの重要な医療情報を救助者や医療従事者に提供するための仕組みです。ロック画面から誰でもアクセスできるようになっているので、あなたが話せない状況でも必要な情報を伝えることができます。
この機能は2014年にリリースされたiOS 8から搭載されていて、それ以降のバージョンでどんどん進化してきています。日本ではまだあまり知られていませんが、海外では「もしも」の備えとして当たり前のように活用されているんですよ。
例えば、重度のアレルギーがある人がアナフィラキシーショックを起こした時、その情報が事前に分かっていれば迅速にアドレナリンを投与できます。持病のある人が倒れた場合も、既往症を知ることで適切な対応が可能になります。まさに命を救うための機能なんです。
メディカルIDの設定方法をステップごとに解説
基本の設定手順はとっても簡単
メディカルIDの設定は、意外なくらい簡単です。初めての方でも5分もあれば完了しますよ。
- [iphone]に標準搭載されている「ヘルスケア」アプリを開く
- 画面右下の「医療ID」タブをタップ
- 「医療IDを作成」または「編集」をタップ
- 必要な情報を入力していく
- 「緊急時にロック画面から表示」をオンにする
- 右上の「完了」をタップして保存
初めて設定する場合は、まず名前や生年月日などの基本情報から始めましょう。連絡先アプリに登録してある情報があれば、それを基に自動入力してくれるので楽ちんですよ。
どんな情報を登録できるの?
メディカルIDには、実にさまざまな情報を登録できます。優先して入れておきたいのはこんな情報です。
絶対に入れておきたい基本情報
- 名前と写真:本人確認の基本
- 生年月日:年齢確認に使われます
- 病歴:持病や既往症(糖尿病、てんかん、心疾患など)
- アレルギー:薬物アレルギー、食物アレルギーなど
- 服用中の薬:現在飲んでいる医薬品
- 緊急連絡先:すぐに連絡すべき家族や友人
あるとより安心な追加情報
- 血液型:輸血が必要な時に重要な情報
- 臓器提供者情報:意思表示ができます
- 身長・体重:薬の投与量計算の参考になります
- 使用言語:対応可能な言語を表示
- 主治医情報:かかりつけ医の連絡先
- 妊娠の有無:女性の場合、とても重要な情報になります
情報はこまめに更新しよう
せっかく設定しても、情報が古くなってしまっては意味がありません。新しいアレルギーが判明した時や、服用中の薬が変わった時、緊急連絡先が変更になった時は必ず更新しましょう。
半年に一度くらいを目安に、定期的な見直しをするのがおすすめです。カレンダーにリマインダーを設定しておくと忘れなくて便利ですよ。
緊急時はどうやって見るの?
ロック画面からの確認手順
メディカルIDが一番力を発揮するのは緊急時です。[iphone]がロックされていても、誰でも以下の手順でアクセスできます。
- [iphone]のロック画面を表示
- 画面左下または右下の「緊急」をタップ
- 表示された画面の左下にある「メディカルID」をタップ
機種によってはこんな方法でもアクセスできます。
- 電源ボタンを5回連続で押すと緊急通報画面が表示され、そこからメディカルIDにアクセス可能
- [iphone X]以降では、サイドボタンといずれかの音量ボタンを同時に長押ししても表示されます
表示される情報には制限がある
緊急時に表示される情報は、あなたが設定した内容だけです。プライバシー保護の観点から、ロック画面からのアクセスでは以下のような制限があります。
- 情報の編集は一切できない(表示のみ)
- 連絡先への電話発信は可能
- 写真は表示されるけど拡大などの操作は制限される
- 他のアプリへのリンクは使えない
つまり、見ることはできても勝手に変更される心配はないんですね。
どんな情報を登録すればいいの?
正確な病歴の書き方
病歴を書く時は、以下のポイントを押さえるとより効果的です。
優先して書くべき疾患
- 心臓病(不整脈、狭心症、心筋梗塞の既往など)
- 脳神経系疾患(てんかん、脳卒中、パーキンソン病など)
- 呼吸器疾患(喘息、COPDなど)
- 糖尿病(1型か2型か、インスリン使ってるか)
- 高血圧などの循環器系疾患
書く時は診断名を正式名称で書くのがおすすめです。略称や通称だと、医療従事者に伝わらないこともあるからです。
アレルギー情報は命に関わる
アレルギー情報は特に重要です。緊急時の薬剤投与に関わることが多いので、正確に書きましょう。
- 薬物アレルギー:ペニシリン系抗生物質、造影剤、局所麻酔薬など
- 食物アレルギー:特に重度のアレルギー(ナッツ類、甲殻類など)
- その他:ラテックス、金属アレルギーなど
アレルギー反応の具体的な症状(アナフィラキシー、発疹、呼吸困難など)も一緒に書いておくと、より役立ちます。
服用中の薬はこう書く
現在飲んでいる薬については、以下の情報を含めると良いでしょう。
- 薬の一般名や商品名
- 服用量と頻度
- 服用目的
- 服用開始時期
特に抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)や抗てんかん薬などは必ず書きましょう。サプリメントや漢方薬も、他の薬と相互作用する可能性があるので、できれば書いておくのがおすすめです。
緊急連絡先の選び方と設定のコツ
誰を緊急連絡先にすればいい?
緊急連絡先は、こんな基準で選ぶと効果的です。
- 24時間連絡が取れる可能性が高い人:日中仕事で連絡がつかない人より、常に連絡可能な人を優先
- あなたの医療情報を理解している人:単なる連絡先ではなく、病状や既往症を理解している家族や親しい友人
- 地理的に近い人:緊急時にすぐ駆けつけられる可能性がある人
- 複数人設定する:最大3人くらい設定して、優先順位をつけておく
複数連絡先の優先順位
メディカルIDでは、最大で3人まで緊急連絡先を設定できます。こんな順序で設定するのがおすすめです。
- 第一順位:配偶者やパートナーなど、一番近しい家族
- 第二順位:両親や成人した子供など、次に近しい家族
- 第三順位:親しい友人や主治医
各連絡先には電話番号に加えて、続柄も登録できます。救助者が連絡を取る時の参考になりますよ。
プライバシーはしっかり守られてるの?
情報保護の仕組み
「個人情報が勝手に見られたらどうしよう」って心配になりますよね。でもメディカルIDは、緊急時以外はロック画面に表示されないように設計されています。
- ロック画面からのアクセスでは閲覧のみ可能で編集はできない
- パスコードやFace IDでの保護はそのまま維持
- 緊急時以外の不正アクセスを防ぐ仕組みがある
- 表示する情報を自分でカスタマイズできる
何を公開して何を公開しないか
すべての医療情報を公開する必要はありません。こんな基準で選ぶと良いでしょう。
必ず公開すべき情報
- 生命に関わる可能性がある情報(重度のアレルギー、持病)
- 緊急連絡先
- 血液型(輸血が必要な場合)
状況に応じて公開を検討する情報
- 一般的な既往症(高血圧、脂質異常症など)
- 過去の手術歴
- 服用中の一般的な薬剤
公開の必要がない可能性がある情報
- 精神科の受診歴(でも緊急時に重要な場合もある)
- 感染症の有無(状況による)
- 詳細すぎる医療データ
自分が公開してもいいと思える範囲で、必要な情報を選べば大丈夫です。
[Apple Watch]との連携でさらに便利に
[Apple Watch]を使っているなら、メディカルIDの機能がさらに広がります。
- 落下検出機能:激しい転倒を検知すると自動的に緊急通報とメディカルID情報の共有を促す
- 心電図アプリ:心房細動の疑いがある時の記録をメディカルIDに反映可能
- 心拍数異常の通知:高心拍数や低心拍数を検出した時に自動的に医療情報へのリンクを表示
特に高齢の方や持病がある方には、[Apple Watch]との併用がとてもおすすめです。
実際に役立った事例をご紹介
緊急時の成功事例
メディカルIDが実際に役立った事例は、国内外でたくさん報告されています。
アレルギー発作のケース
30代の男性がレストランで誤ってアレルゲンを摂取し、アナフィラキシーショックを起こしました。意識を失う前に倒れた時、救急隊員が[iphone]のメディカルIDを確認。甲殻類アレルギーの情報とエピペンを持っていることが分かり、迅速な対応ができたそうです。
糖尿病患者の低血糖発作
60代の女性が街中で低血糖による意識障害で倒れました。通りかかった人がメディカルIDを確認し、糖尿病の情報と緊急連絡先が表示されたことで、すぐに家族に連絡が入り、適切な処置を受けられました。
高齢者の転倒事故
80代の男性が自宅で転倒し、意識不明の状態で発見されました。家族が[iphone]のメディカルIDから服用中の抗凝固薬の情報を得て、救急隊に伝達。手術時の出血リスクを事前に把握できたことで、適切な対応が可能になりました。
ユーザーからの声
実際に使っている人からは、こんな声が聞かれます。
「持病があるので、これを設定しておくだけで安心感が違います」(50代女性)
「高齢の両親に設定してあげたら、万が一の時も安心だと言われました」(40代男性)
「海外旅行に行く時は必ず設定を確認しています。言葉の壁があっても情報が伝わるので安心です」(30代女性)
海外旅行の時こそ活用しよう
海外旅行中に緊急事態が起きた時、言葉の壁は大きな問題になります。でもメディカルIDがあればこんなに安心です。
- 現地の医療従事者が理解できるよう英語表記にも対応
- 国籍や使用言語の表示で通訳手配の判断材料に
- 国際的に共通の医療用語が使える
海外に行く前には、こんな準備をしておきましょう。
- メディカルIDの情報を英語で追加する
- 現地の緊急電話番号を緊急連絡先に追加
- 旅先の国で通用する血液型表記を確認しておく
設定の注意点とベストプラクティス
よくある失敗とその対策
情報の書き漏らし
対策:設定した後、第三者に見てもらって必要な情報が全部入っているか確認してもらいましょう
更新忘れ
対策:カレンダーに半年ごとの「医療ID見直し日」を設定するのがおすすめです
緊急連絡先の順番ミス
対策:連絡がつきやすい順に並べ替えて、各連絡先に役割を事前に伝えておきましょう
プライバシー設定のミス
対策:ロック画面からの表示をオンにしたまま、自分で実際に確認してみてください
家族のために設定する時のポイント
高齢者の場合
- 服用中の薬リストを最新に保つ
- 複数の持病がある時は優先順位をつけて書く
- かかりつけ医の情報も追加
- 家族で定期的に見直す
子供の場合
- 保護者の同意を得てから設定
- アレルギー情報を最優先で
- 緊急連絡先は必ず両親を含める
- 学校や保育園にも設定の存在を伝える
まとめ:今日から始める命を守る準備
メディカルIDは、あなたの命を守る可能性を秘めた大切な機能です。設定自体は本当にあっという間に終わります。でもその効果は計り知れません。
特にこんな方は、ぜひ今日から設定してみてください。
- 持病やアレルギーがある方
- 定期的に薬を飲んでいる方
- 高齢者やその家族
- 一人暮らしの方
- 海外旅行によく行く方
- アウトドアやスポーツが好きな方
設定した後は、定期的な見直しと、家族や友人への存在の周知を忘れずに。そしてこの機能のことを周りの人にも教えてあげてくださいね。
テクノロジーを活用した健康管理のひとつとして、iPhoneのメディカルIDを日常生活に取り入れてみませんか?万が一の備えが、安心した日常につながります。
今日のうちに、あなたの[iphone]でメディカルIDを開いてみてくださいね。
