ランニングやサイクリング、登山など、日常的にアクティブに過ごす人にとって、スポーツウォッチの性能はモチベーションそのもの。中でもGarmin(ガーミン)は「トレーニングを科学する時計」としてランナーの間で定評があります。今回は、人気のForerunnerシリーズから**ガーミン255をピックアップし、前モデルの245**と比較しながら、どこが進化したのか、実際の使い心地や向いている人を徹底的にレビューします。
ガーミン255とは?多機能化した「本格マルチスポーツウォッチ」
ガーミン255は、これまでのForerunnerシリーズの「ランナー向け」イメージを超え、より多様なスポーツに対応したマルチスポーツウォッチです。
ランニング、サイクリング、スイム、トライアスロンはもちろん、登山やスキー、SUP(スタンドアップパドルボード)などのアクティビティもカバー。
前作245が「ランニング特化」だったのに対し、255では「複数のスポーツを1台で管理したい人」へとターゲットが広がっています。
デザイン面では軽量ボディとボタン操作を継承しつつ、より高解像度のディスプレイを採用。255Sというコンパクトモデルもあり、手首の細い人でも違和感なく装着できます。
GPSと高度計が段違いに進化!精度と信頼性が大幅アップ
255最大の進化ポイントは、GNSSマルチバンド(デュアル周波数)対応です。
これは複数の衛星周波数を同時に受信できる仕組みで、ビル街や森林など電波の通りにくい場所でも、正確な位置情報を記録できます。
これまで「GPSがズレる」「ルートが建物の上を走っている」などの不満を感じていた人には、まさに待望のアップデート。実際に使用してみると、街中の高架下や山道でも軌跡が安定しており、ルート再現性が非常に高いです。
さらに255では気圧高度計を新搭載。245はGPSによる推定高度だったため、累積標高などに誤差が出やすかったのですが、255ではリアルな高低差をより正確に記録できるようになりました。
トレイルランやヒルクライム、登山などではこの差が大きく、より信頼できるデータを得られます。
トレーニング管理が“体調ベース”に進化!HRVと回復指標
もうひとつの進化は、「トレーニングの科学的管理」がより深くなったことです。
255では、**睡眠中の心拍変動(HRV)**を測定し、体の回復度合いを可視化。
これにより、ただ走るだけでなく「どれだけ回復できているか」「疲労が蓄積していないか」を判断できます。
朝になると自動で「モーニングレポート」が表示され、睡眠の質・体調・天気・予定などをまとめてチェックできるのも便利。
さらに、ランニングパワー(走行中の出力)を手首で測定可能に。ペースや上下動、傾斜などを総合して“力の使い方”を数値化できるので、スピード練習や坂道トレーニングで効果的に活用できます。
アクティビティの幅が一気に拡大!トライアスロンもOK
ガーミン255は「マルチスポーツ対応」という言葉どおり、対応アクティビティが大幅に増えました。
ランニングやプールスイムはもちろん、トライアスロン競技におけるスイム→バイク→ランの切り替えもスムーズ。
それだけでなく、登山・スキー・スノーボード・SUPなどのアウトドア種目にも対応しています。
アクティビティを追加登録すれば、ヨガや筋トレ、屋内バイクなどもカスタマイズ可能。
「走るだけでは飽きてしまう」「休日は登山やサイクリングも楽しみたい」といった人にとって、255は1台で完結するオールラウンダーです。
バッテリー性能が大幅向上!ロングランでも安心
長距離ランナーや登山愛好者にとって、バッテリーは信頼性そのもの。
ガーミン255はこの点でも大きく進化しました。
GPSモードでは最大約30時間、スマートウォッチモードでは約2週間ほど使用可能。
245ではGPS使用時で最大24時間ほどだったので、実際の使用感でも1〜2日分の差が出ます。
フルマラソンはもちろん、ウルトラやロングトレイル、泊まりの登山でも安心して使えるスタミナ設計。
頻繁に充電しなくてもいいというのは、日常的に使う上で大きな魅力です。
使い勝手はどう?ボタン操作と画面の見やすさ
ガーミン255はタッチスクリーンではなく物理ボタン式。
スマートウォッチのようなスワイプ操作には対応していませんが、これは「スポーツ中の確実な操作」を優先した設計です。
汗や雨、グローブをつけた状態でも誤操作せず、確実に操作できるのが利点。
ディスプレイはMIP(半透過型液晶)で、屋外の強い日差しでも視認性が高く、走行中でもデータがはっきり見えます。
色味やコントラストは地味ですが、トレーニング中の見やすさと省電力性を両立しています。
実際に感じた255の魅力と注意点
魅力的なポイント
- GPSと高度の精度が格段に上がり、信頼性が高い
- バッテリーが長く、ロングランや登山でも安心
- HRV・回復・睡眠データで体調管理がしやすい
- トライアスロン対応など、マルチスポーツの幅が広い
- コンパクトな255Sもあり、手首の細い人でも快適
注意したいポイント
- タッチ操作に慣れている人には、ボタン操作がやや地味
- 多機能ゆえに設定やデータが多く、最初は戸惑う
- 標準サイズはやや大きめで、軽さを重視する人には255Sの方が向く
- カラー表示は鮮やかではなく、スマートウォッチ感は薄い
とはいえ、慣れてしまえばボタン操作の確実さや、トレーニング重視のシンプルさがむしろ快適に感じる人も多いでしょう。
ガーミン245との違いを簡単にまとめると
- GPS精度:255はデュアルバンド対応で圧倒的に正確
- 高度計:255は気圧高度計搭載でリアルな標高データ
- アクティビティ数:255はトライアスロン含むマルチスポーツ対応
- バッテリー:255は約30時間の連続使用(245より+6時間以上)
- トレーニング機能:HRV、回復時間、ランニングパワー、モーニングレポートなどが追加
- 価格:245よりやや高価だが、機能差を考えるとコスパは良好
つまり、255は245の正統進化というより「別次元の万能モデル」。
ランナーに限らず、複数のスポーツを本気で楽しみたい人にこそ刺さる1本です。
どんな人にガーミン255がおすすめか
- ランニングだけでなく、サイクリングや登山なども楽しみたい人
- フルマラソンやトライアスロンなど、長時間のレースを走る人
- GPSや標高の精度を重視するトレイルランナー
- 睡眠・回復データを活かして計画的にトレーニングしたい人
- バッテリーの持ちを重視し、毎日充電したくない人
逆に「街ラン中心」「軽さ重視」「機能はシンプルで十分」という人は、今でも245やエントリーモデルでも満足できるでしょう。
ガーミン255のレビューまとめ!245との違いと進化を振り返って
ガーミン255は、単なる245の後継ではなく、スポーツウォッチとしての新しいステージに進化したモデルです。
デュアルバンドGPSや気圧高度計、HRVベースの回復分析、トライアスロン対応など、機能面のアップデートは明確で、「走る」「鍛える」「休む」を一体で管理できるようになりました。
日々のトレーニングをより正確に記録したい人、体調とパフォーマンスを両立したい人にとって、255は非常に頼れる相棒です。
ランナーだけでなく、マルチスポーツを楽しむすべてのアスリートにとって“ちょうどいい本格派”。
これからガーミンを選ぶなら、255は間違いなくその筆頭候補になるでしょう。
