テクノロジーがどんどん身近になっていく中で、「スマートウォッチ」はもう珍しい存在ではなくなりましたよね。そんな中でも最近注目を集めているのが、Nothing(ナッシング)というブランドのスマートウォッチ。ミニマルで独創的なデザイン、そして手に取りやすい価格で話題になっています。今回は、実際の使用感や特徴を交えながら、ナッシングのスマートウォッチを徹底レビューしていきます。
Nothingというブランドの魅力とは?
まずは、この「Nothing」というブランドについて少し触れておきましょう。
Nothingはロンドン発のテクノロジーブランドで、「テクノロジーを再びワクワクさせる」という理念を掲げています。透明なデザインのスマートフォン「Phone (2a)」や、軽やかなサウンドのイヤホン「Ear」シリーズなど、これまでのガジェットにはなかった遊び心とスタイルを両立させたプロダクトで知られています。
その中でも「CMF by Nothing」というサブブランドは、Color(色)・Material(素材)・Finish(仕上げ)にこだわりつつ、より手頃な価格帯で高品質な製品を提供することを目的としています。このCMFシリーズから登場したスマートウォッチ「CMF by Nothing Watch Pro」「CMF by Nothing Watch Pro 2」「CMF by Nothing Watch 3 Pro」が今回の主役です。
デザインの完成度が高すぎる
ナッシングのスマートウォッチが注目される最大の理由は、その“見た目”です。
シンプルでありながら、どこか未来的。手首に着けると「お、ちょっと違うな」と感じさせる独特の存在感があります。
特に「CMF by Nothing Watch Pro 2」は、アルミ合金製のボディを採用し、質感はまるで高級機のよう。重量はわずか40g台と軽量で、装着感も抜群です。さらに特徴的なのが、ベゼル(外枠)が交換可能な点。気分やシーンに合わせてデザインを変えられるのは、他ブランドにはあまりない遊び心です。
カラーバリエーションも豊富で、グレーやオレンジなど、ファッションに合わせて選べるのが嬉しいポイント。まさに「見せるスマートウォッチ」と言える仕上がりです。
AMOLEDディスプレイが生み出す高精細な表示
画面は1.32インチのAMOLEDディスプレイを搭載。解像度は466×466ピクセルと高精細で、文字もくっきり表示されます。ピーク輝度は620ニットとこの価格帯では十分な明るさ。
ただし、直射日光の下ではやや見づらいという声もありました。室内や曇天時には問題なく視認できます。
ディスプレイの発色は鮮やかで、ウォッチフェイスのカスタマイズ性も高いです。Nothingらしいミニマルなデザインから、スポーティなタイプまで、100種類以上のウォッチフェイスが用意されています。
機能面も充実!この価格でここまでできる
ナッシングのスマートウォッチは、見た目だけでなく機能性も優秀です。
基本的なヘルストラッキング機能はもちろん、スポーツや日常のサポートまで幅広くカバーしています。
健康管理機能
心拍数や血中酸素濃度(SpO₂)を常時計測でき、睡眠の深さや質も分析可能。深睡眠・浅睡眠・レム睡眠の時間を自動で記録してくれるので、生活リズムの見直しに役立ちます。
ただし、睡眠トラッキングの精度は完璧ではなく、短い昼寝などをうまく検出できないケースもあるようです。目安として使うのが良いでしょう。
運動・ワークアウト機能
120種類以上のスポーツモードに対応しており、ランニング・ウォーキング・サイクリングなどの基本的なものから、ヨガやダンスといった多彩な種目までカバーしています。
GPSも内蔵されており、位置情報の記録も可能。精度はやや控えめながら、日常の運動記録には十分です。
通知・通話機能
スマートフォンと連携することで、メッセージ通知や着信の確認ができます。
通話機能も搭載されており、Bluetooth経由でハンズフリー通話が可能。ただし、iPhoneでは通知が途切れることがあるという報告もあり、Android端末での利用がより安定しています。
バッテリーの持ちは驚異的
ナッシングのスマートウォッチが他ブランドと一線を画す理由の一つが、バッテリー性能です。
CMF by Nothing Watch Pro 2の場合、フル充電で約10~11日間は持つという驚異のスタミナ。使い方によっては2週間近くもつこともあり、毎日充電する必要がないのは本当に便利です。
また、充電もスムーズで、付属のマグネット式ケーブルで2時間ほどあれば満充電可能。睡眠トラッキングをオンにしてもバッテリーの減りが穏やかなのはありがたいポイントです。
実際の使用感レビュー
実際に使ってみると、「この価格でここまで快適に使えるのか」と感心します。
まず、画面の操作がスムーズ。スクロールの追従性も良く、アニメーションも滑らか。安っぽさを感じさせません。
アプリ(Nothing X または CMF Watch)との連携もわかりやすく、健康データの確認やウォッチフェイスの変更が直感的に行えます。ただし、アプリの日本語翻訳がやや不自然な箇所もあるため、改善の余地はあります。
通知機能はおおむね良好ですが、LINEやInstagramの通知をリアルタイムで受け取れないことがたまにあります。とはいえ、日常の使用では大きな支障は感じませんでした。
他ブランドとの比較で見えてくる強み
同価格帯のスマートウォッチとしては、AmazfitやHuawei、Xiaomiなどが競合になります。
それらと比べても、ナッシングの製品は「デザインと質感」において頭ひとつ抜けています。
ミニマルながら個性のあるルックスは、ファッションアイテムとしても成立するレベルです。
機能面ではややシンプルですが、長時間バッテリーや軽量設計など、日常使いに求める要素をしっかり押さえています。
何より、“安っぽさを感じさせないデザイン”という強みが、この価格帯では圧倒的です。
注意点と購入前に知っておきたいこと
購入前に確認しておくべき点もあります。
まず、NFC決済やサードパーティアプリの追加など、高機能モデルに搭載されている拡張機能は非対応です。
また、耐久性は十分とはいえ、ベゼルやガラス部分の保護は強くないため、アクティブな運動用途ではカバーや保護フィルムを併用した方が安心です。
そして、通知の安定性はAndroidが有利。iPhoneユーザーの場合は一部機能が制限される点を理解しておく必要があります。
どんな人におすすめ?
ナッシングのスマートウォッチは、次のような人にぴったりです。
- 初めてスマートウォッチを試してみたい人
- デザイン性と価格のバランスを重視する人
- 通知や健康管理など、基本的な機能があれば十分という人
- 長持ちするバッテリーと軽い装着感を求める人
逆に、GPS精度や高度なトレーニング機能を求める人、決済機能を使いたい人には物足りないかもしれません。
まとめ:ナッシングのスマートウォッチ徹底レビューを終えて
ナッシングのスマートウォッチは、「手頃な価格」「洗練されたデザイン」「必要十分な機能」の三拍子がそろった一台です。
高級スマートウォッチのような多機能さはないものの、日常使いにはこれで十分。
特に、デザインと質感にこだわる人にとっては、価格以上の満足感が得られるはずです。
「見せたくなるガジェット」を探しているなら、ナッシングのスマートウォッチは間違いなく候補に入ります。
デザインと機能の両立をこの価格で実現している点は、まさにNothingらしいアプローチ。
シンプルな日常に、少しだけワクワクを添えてくれるスマートウォッチです。
