最近、SNSや口コミで話題になっている「SHEINのスマートウォッチ」。おしゃれで安く、デザインも可愛いと評判ですが、一方で「危険性がある」「データが心配」といった声も聞かれます。
この記事では、SHEINスマートウォッチの安全性を物理面・情報面・ブランド背景の3つの観点からわかりやすく解説します。
SHEINスマートウォッチとは?安さの理由を知る
SHEINは中国発のファストファッションブランドで、洋服だけでなく家電やアクセサリー、スマートウォッチなどのガジェットも幅広く扱っています。
SHEINスマートウォッチの特徴は、なんといっても価格の安さ。1,000円台〜3,000円台で購入できるモデルも多く、デザインもApple Watch風や韓国っぽいトレンド系などバリエーション豊富です。
ただし、安さには理由があります。
製造コストを抑えるために、部品や検査体制、ソフトウェア更新などの面で「最低限」にとどめられている可能性があるのです。
つまり、“価格相応の品質”であることを前提に考える必要があります。
物理的な危険性:発熱・防水・バッテリーに注意
まずは、スマートウォッチそのものの安全性について。
SHEINスマートウォッチの口コミを見ると、「充電中に熱くなった」「水に濡れたら動かなくなった」といった声が一部で見られます。
多くの製品が「IP67」などの防水性能をうたっていますが、これは“日常的な水しぶき”まで。お風呂やプールでの使用は推奨されていません。
また、バッテリーに関してもPSEマーク(電気用品安全法の適合マーク)がないものが多く、長時間の充電放置は避けるべきです。
物理的な危険を避けるためには、
- 純正または付属の充電ケーブルを使用する
- 高温環境での充電を避ける
- 水中では使わない
といった基本を守ることが大切です。
データ面のリスク:個人情報とアプリ連携
スマートウォッチの“本当の危険性”は、実は物理的な部分よりも「情報の扱い」にあります。
SHEINのスマートウォッチは、FitCloudProなどのアプリと連携して健康データや通知を管理しますが、このデータがどこに保存され、どのように使われているかが不透明なのです。
ウェアラブル機器は、心拍数・睡眠・位置情報といった個人データを扱います。これらが暗号化されずに送信されていた場合、第三者に解析されるリスクがあります。
また、アプリがスマホの「連絡先」「位置情報」「カメラ」などに過剰なアクセスを求めるケースもあるため、インストール時には必ず権限を確認しましょう。
過去には、海外の消費者団体が「安価なスマートウォッチがユーザーを監視していた」と報じ、SHEINも該当製品を販売停止にした例があります。
つまり、「価格の安さ=セキュリティの甘さ」という構図は、決して誇張ではありません。
ブランド背景:SHEINが抱える安全性への疑問
SHEINというブランド自体にも、製品安全性やデータ保護の観点から懸念があります。
たとえば過去には、子ども用衣類から規制値を超える鉛が検出されたり、アプリの情報漏えい事件が起きたりと、安全管理面での課題が指摘されてきました。
2025年には、欧州連合(EU)がSHEINに対して「製品安全テストを強化するように」と警告。SHEINは年間250万件以上の製品検査を実施する方針を発表しました。
この動きは、SHEINの安全管理体制が国際的に注視されている証拠とも言えます。
ファッションや雑貨でさえ品質管理に課題があるのですから、通信機能を持つスマートウォッチではなおさら慎重な確認が必要です。
実際のユーザーの声:安いけど“それなり”
SNSやレビューサイトでは、SHEINスマートウォッチを使っている人のリアルな声が見られます。
良い口コミでは、
「値段のわりに機能が多い」「歩数や心拍数が見れるだけで満足」など。
一方で、
「アプリがすぐ落ちる」「防水って書いてあるのに壊れた」「英語表示しかない」など、実用性に関する不満も目立ちます。
特に“体調管理の正確性”に関しては、大手メーカー(Apple Watch・Fitbit・Huawei Bandなど)と比べると大きな差があります。
つまり、SHEINスマートウォッチは「ファッション感覚で使うならアリ」「健康管理を本格的にしたい人には向かない」といった評価が多いのです。
安全に使うためのチェックポイント
もしSHEINスマートウォッチを使う場合は、以下の点を確認しましょう。
- アプリ権限の見直し:連絡先や位置情報へのアクセスをオフにする
- データ共有の設定:クラウド同期をオフにし、ローカル管理を優先
- 通信のセキュリティ:Bluetooth接続時は不審な端末とペアリングしない
- 物理的な安全対策:過充電を避け、熱を持ったらすぐ外す
- 製品情報の確認:販売ページで安全マーク(PSE・CEなど)があるかチェック
これらを意識するだけで、リスクを大きく減らすことができます。
購入前に考えたい“本当のコスパ”
「安い=お得」とは限りません。
短期間で壊れたり、データ面で不安が残るようであれば、結局コスパは悪くなります。
特に健康データや位置情報を扱う製品では、価格より“安心して使えるか”が最重要です。
少し高くても、信頼できるメーカーのエントリーモデル(例:Amazfit、Huawei Band、Fitbit Inspireなど)を検討するのも一つの方法。
SHEINスマートウォッチを買う場合でも、レビューをよく読み、販売元が明確な商品を選ぶようにしましょう。
まとめ:SHEINスマートウォッチの危険性と上手な付き合い方
SHEINスマートウォッチの危険性は「完全なデマ」ではありません。
ただし、“すぐ壊れる”とか“個人情報が漏れる”と断定するのも極端です。
実際には、安価ゆえに品質やセキュリティ面でのリスクが高く、使い方次第で安全にも危険にもなる——それが現実的な評価でしょう。
もし購入を検討しているなら、
- デザイン重視でファッション感覚で使う
- 健康データや個人情報を預けすぎない
- 少しでも異常を感じたらすぐ使用を中止する
この3点を守るだけでも、安心度はぐっと上がります。
SHEINスマートウォッチは、安くて手軽な“ガジェットのお試し版”としては悪くありません。
しかし、「安さの裏側には理由がある」という意識を持ち、自分のデータと体を守る選択を心がけましょう。
