最近、健康管理を“手元で完結”させたい人が増えています。特に注目されているのが、血圧測定ができるスマートウォッチ。従来のようにカフ式の血圧計を取り出す必要がなく、手首のウォッチでサッと測れる手軽さが人気の理由です。
とはいえ、「どの機種を選べばいいの？」「本当に正確なの？」と疑問に感じている人も多いでしょう。この記事では、血圧測定ができるスマートウォッチの仕組みや選び方、そしておすすめのモデル10選を紹介します。
血圧測定ができるスマートウォッチとは？
まず理解しておきたいのが、“血圧測定できるスマートウォッチ”の定義。心拍数や歩数、睡眠を測る機能に加えて、手首で血圧（収縮期・拡張期）を測れるタイプのウェアラブルデバイスを指します。
一般的な血圧計は上腕にカフを巻きますが、スマートウォッチは手首で測定するため「いつでも・どこでも血圧をチェックできる」のが特徴。
ただし、医療機器と同等の精度を保証するものではありません。多くのメーカーも“医療用ではなく、健康管理の目安として使ってください”と明記しています。
測定方式の違いを知っておこう
血圧を測る仕組みには、大きく分けて2種類があります。
カフ式（エアバッグ内蔵タイプ）
腕時計のバンド内部に小さなエアバッグがあり、測定時に膨らませて血管の圧力を感知する方式です。
オムロン「HeartGuide HCR-6900T-M」やHUAWEI「WATCH D2」などがこのタイプで、一般的な血圧計に近い原理を採用しています。
測定には静止が必要ですが、比較的精度が高く、信頼性を重視する人に向いています。
光学センサー式（PPG方式）
LEDライトと光センサーで血流の変化を読み取り、アルゴリズムで血圧を推定する方式。常時測定しやすく、軽量なモデルが多い一方で、体の動きや装着状態に影響を受けやすく、あくまで参考値として使われます。
精度を左右するポイント
スマートウォッチの血圧測定は、以下の条件で大きく精度が変わります。
- 手首の太さがメーカー推奨範囲内であること
- 腕を心臓と同じ高さに保ち、動かさずに測ること
- バンドの締め具合を適切にすること
- 測定前に1分ほど安静にすること
HUAWEI WATCH D2では「手首周り13～21cmを推奨」と公式に案内されています。測定姿勢を守らないと数値がばらつくため、正しい使い方を意識するのが大切です。
血圧測定付きスマートウォッチの選び方
1. 測定方式をチェック
カフ式か光学式かを確認。正確さ重視ならカフ式、軽快さ重視なら光学式が向いています。
2. 医療機器認証の有無
医療機器認証を取得しているかどうかは信頼性の目安。特にオムロン「HeartGuide HCR-6900T-M」は、医療機器認証を取得した数少ないウェアラブル血圧計です。
3. 測定条件と装着感
手首サイズや装着方法が合わないと正確に測れません。毎日使うものなので、装着感や重さ、デザインも確認しておきましょう。
4. アプリ連携・データ管理
スマートフォンアプリとの連携で、日々の血圧変化をグラフで確認できるモデルが便利。測定履歴を自動で保存できると継続しやすくなります。
5. バッテリー持ちと使い勝手
血圧測定機能を使うと消費が早くなる傾向があります。1回の充電で1週間以上もつモデルが理想です。
血圧測定ができるスマートウォッチおすすめ10選
1. HUAWEI WATCH D2
カフ式を採用し、手首で空気圧をかけて測定する本格派。測定値の誤差は±5 mmHg程度と報告され、一般的な手首式血圧計に近い精度です。健康管理アプリ「HUAWEI Health」で血圧・心拍・ストレス・睡眠を一括管理できます。
2. オムロン HeartGuide HCR-6900T-M
世界初の医療機器認証を受けたスマートウォッチ型血圧計。上腕式血圧計に近いカフ構造を手首サイズに落とし込み、高精度な測定が可能です。価格は高めですが、信頼性を求めるなら最有力候補。
3. SAMSUNG Galaxy Watch 6 Classic
血圧の推定にはキャリブレーション（初期設定で血圧計との同期）が必要。光学センサーによる連続モニタリングに優れ、睡眠やストレス管理機能も充実しています。
4. Fitbit Sense 2
光学式センサーで血流変化を測定し、血圧の傾向を記録するタイプ。呼吸・皮膚温・ストレスレベルなど総合的な健康モニタリングが強みです。
5. Amazfit Balance
血圧トラッキングに加えて、AIによる健康スコア分析が特徴。軽量で着け心地が良く、価格も手頃。ライフログをまとめたい初心者向け。
6. Amazfit GTR 4
血圧の推定は参考値ですが、24時間の心拍モニタリング・血中酸素・ストレスレベルを組み合わせたトータル管理が可能。運動記録も豊富です。
7. YHE BP Doctor Pro
カフ式で空気圧測定を行う高精度モデル。医療機器認証を取得している国もあり、海外ユーザーからの評価が高いスマートウォッチです。
8. UMIDIGI Uwatch 5
手頃な価格ながら血圧測定機能を搭載したエントリーモデル。日常の参考値として使う分には十分。デザインもシンプルで軽量。
9. Honor Watch 4 Pro
血圧推定機能を持ちつつ、HUAWEI系の高精度センサーを採用。バッテリー持ちがよく、ストレス・睡眠・運動記録との連携もスムーズです。
10. COOSPO H808 Smart Band
スポーツ用途に強く、ランニングやサイクリング中の血圧・心拍・酸素濃度を同時トラッキング。フィットネス志向のユーザーに人気があります。
実際に使うときの注意点
血圧測定付きスマートウォッチは便利ですが、いくつか気をつけたい点があります。
- 医療用血圧計の代わりにはならない
- 測定姿勢や環境で数値が変動する
- 複数回測って平均を取るとより安定
- 異常値が続く場合は必ず医療機関で確認
メーカーも「診断や治療の判断には使用しないでください」と明示しています。あくまで“血圧変化の傾向を知るためのツール”として活用するのが正しい使い方です。
血圧測定付きスマートウォッチの今後
技術の進化により、光学式でも高精度な推定を行う研究が進んでいます。AIによる個人差補正や、より小型のカフ式構造なども登場し、今後さらに実用性が高まるでしょう。
将来的には、心拍・血圧・ストレス・血糖値といった生体データを総合管理できる“手首の健康プラットフォーム”として進化する可能性もあります。
まとめ｜血圧測定ができるスマートウォッチを賢く選ぼう
血圧測定ができるスマートウォッチは、健康管理を習慣化するうえでとても有用なツールです。
日々の数値を見ながら生活リズムを整えたり、食事や運動の変化を可視化したりと、予防的な意識を高めるきっかけにもなります。
ただし、医療機器ではないことを忘れずに。数値に一喜一憂するよりも、トレンドや傾向を把握する意識で使うのがポイントです。
自分のライフスタイルに合った1本を選び、無理なく“手首で健康を見守る”習慣を始めてみましょう。
