最近人気の「ミニPC」。小型でデスク周りがスッキリするだけでなく、静音性や省電力にも優れていて、テレワークや動画視聴、軽いゲーム用途など幅広く使われています。
でも、「動作がちょっともたつく」「起動が遅い」と感じたことはありませんか？
そんなときに一番コスパ良くパフォーマンスを上げる方法が、SSDの増設です。
ここでは、初心者でも失敗しにくいSSD増設の手順と、ミニPCにぴったりなおすすめモデルをわかりやすく紹介します。
SSDを増設するとミニPCはどれくらい速くなる？
SSD（ソリッドステートドライブ）は、データをフラッシュメモリに記録する記憶装置です。
従来のHDD（ハードディスクドライブ）と違い、ディスクを回転させる機構がないため、読み書き速度が圧倒的に速く、静かで省電力という特徴があります。
例えば、Windowsの起動時間はHDDだと30秒〜1分程度かかるところ、SSDなら10秒前後に短縮されることも。
アプリの起動やファイルのコピーもサクサク進み、まるで新しいパソコンに買い替えたような快適さになります。
ミニPCはCPUやメモリの性能が抑えめなモデルが多いので、ストレージ速度の改善が特に効きます。
「起動が遅い」「アプリが固まる」と感じているなら、SSDを増設するだけで体感が一気に変わるでしょう。
ミニPCにSSDを増設するメリット
1. 体感速度が劇的に向上
アプリ起動・ファイル転送・システム全体の応答が軽快になります。
SSDはHDDの数十倍の速度を誇るため、ストレスのない操作が可能です。
2. 静音性と省電力性
HDDのようなモーター駆動がないため、作動音はほぼゼロ。
熱も少なく、電力消費も抑えられます。静かな環境で使いたいミニPCには最適です。
3. 発熱が少なく、耐衝撃性が高い
ミニPCは筐体が小さいため、熱や振動の影響を受けやすいですが、SSDは熱に強く壊れにくい構造です。
衝撃でデータが飛ぶ心配もほとんどありません。
4. 拡張性を活かせる
最近のミニPCはM.2スロットを備えているモデルが増えています。
空きスロットにSSDを追加するだけで、簡単に容量と速度をアップできます。
増設前に確認すべきポイント
ミニPCによって対応しているSSDの種類やスロット形状が異なります。
ここを間違えると「買ったのに刺さらない」という失敗につながるので注意が必要です。
1. 対応スロットを確認
主なSSDの種類は以下の2つです。
- 2.5インチ SATA SSD：ケーブル接続タイプ。古いPCやエントリーモデルに多い。
- M.2 NVMe SSD：マザーボードに直接装着するタイプ。最新ミニPCでは主流。
ミニPCの仕様書や底面ラベルに「M.2 2280」や「PCIe Gen3/Gen4」といった表記がある場合、それが対応スロットの形式です。
Gen4対応ならより高速なモデルを選べます。
2. 発熱と冷却のバランス
高性能なSSDは高速なぶん発熱も大きくなります。
ミニPCは空間が狭く、冷却ファンも小さいため、ヒートシンク付きモデルや放熱シートの併用がおすすめです。
3. 容量の選び方
一般的な用途なら500GB〜1TBで十分。
動画編集やゲームなど大容量データを扱うなら、2TB以上を検討しても良いでしょう。
ただし、空き容量が少ないとSSDの速度が落ちやすいので、使う容量の8割以内に収まるように管理すると快適です。
4. 保証やサポート
SSDの換装や増設は、メーカー保証の対象外になる場合があります。
不安なときは、メーカー公式サイトで「ユーザーによるストレージ増設可」と明記されているモデルを選ぶのが安全です。
初心者でもできるSSD増設の手順
ここからは、一般的なミニPCでの作業の流れを紹介します。
工具は小さめのプラスドライバーが1本あれば十分です。
1. 準備するもの
- 増設用SSD（対応スロットを確認）
- 小型ドライバー
- 静電気防止手袋（あると安心）
- バックアップ用USBメモリまたは外付けHDD
必要に応じて、OSの再インストール用USBをMicrosoftの公式ツールで作成しておくとスムーズです。
2. ミニPCの電源を完全にオフ
電源ケーブルを抜き、数秒待ってから作業開始。
底面のネジを外してカバーを開けます。
3. SSDを取り付け
空きスロットを探し、斜めに差し込んでからネジで固定します。
差し込みが浅いと認識されないので、奥までしっかり差し込むのがポイントです。
4. BIOSで認識を確認
電源を入れて「Del」キーや「F2キー」でBIOS画面を開き、SSDが検出されているか確認します。
認識されていれば、そのままOSをクローンまたは新規インストールします。
5. データを移行
既存ストレージをそのまま使いたい場合は、クローンソフトを使うと便利です。
無料ツールなら「Macrium Reflect」や「EaseUS Todo Backup」などが人気。
データを移行したら旧ドライブを取り外して完了です。
6. 最後に速度チェック
Windows起動やアプリの立ち上がり速度を確認してみましょう。
ベンチマークソフト（CrystalDiskMarkなど）を使えば、実際の読み書き速度も測定できます。
数字よりも、操作が「軽くなった」と感じられれば成功です。
ミニPCにおすすめのSSDモデル
SSDは多くのメーカーから発売されていますが、ミニPCに向いているのは「発熱が少なく信頼性が高いモデル」です。
ここではコスパ重視から高性能モデルまで紹介します。
Silicon Power PCIe Gen3x4
性能と発熱のバランスが良い万能モデル。
冷却性能が求められるミニPCでも安心して使えます。
Samsung 970 EVO
実績のある人気モデル。読み書き速度が非常に速く、OSやアプリの動作がキビキビします。
長期保証が付いており信頼性も高いです。
Samsung 980
上位モデルに比べて価格が手頃ながら、体感速度は十分。
「とにかく速くしたいけどコストは抑えたい」という人に最適です。
Crucial BX500（SATAタイプ）
価格と安定性のバランスが良く、初めての増設にぴったり。
大きな負荷をかけない普段使いなら十分な性能です。
Lexar NM620
コスパ重視のNVMe SSD。発熱が少なく、ミニPCの狭い筐体でも安定動作。
静音重視のユーザーにもおすすめです。
よくある質問と注意点
Q. ミニPCにSSDを増設しても保証は残る？
モデルによります。メーカーによっては「底面カバーを開けたら保証対象外」とする場合もあります。
購入前にサポート情報をチェックしましょう。
Q. SSDはどのくらいの寿命？
一般的に5〜10年ほど。
ただし、書き込み頻度や温度管理によって変動します。
ファームウェア更新や定期的なバックアップをしておくと安心です。
Q. クローン作業が難しそう…
最近は無料のクローンツールが充実しており、画面の指示に従うだけで完了することが多いです。
不安な場合は、OSを再インストールして新環境として使うのもおすすめです。
ミニPCにSSDを増設して性能アップ！まとめ
ミニPCにSSDを増設することは、見た目の変化こそありませんが、使い心地が劇的に変わる最強のカスタマイズです。
作業手順も難しくなく、慣れれば30分ほどで完了します。
小さなPCでも、SSDを追加するだけで
- 起動が速くなる
- 音が静かになる
- 熱や電力を抑えられる
といったメリットがしっかり実感できます。
「そろそろ動作が重い」「買い替えるほどではないけど不便」と感じている人こそ、SSD増設を試してみてください。
ミニPCの潜在能力を引き出す最も手軽なアップグレードです。
