ゲームを始めようと思ったら、なぜか音が出ない──。そんな経験、ありませんか?
臨場感あふれるサウンドが消えるだけで、せっかくのゲーミング体験も一気に色あせてしまいます。
この記事では、ゲーミングPCで「音が出ない」時に考えられる原因と、その解決策をわかりやすく解説します。初心者でも自分で対処できるよう、順を追って説明していきます。
まず確認すべき「音が出ない」の基本チェック
焦る前に、まずは落ち着いて基本的なポイントを確認してみましょう。
意外にも、単純な設定ミスや接続不良で音が出ていないケースが多いんです。
- スピーカーやヘッドホンは正しく接続されていますか?
ケーブルが緩んでいたり、前面と背面の端子を間違えていたりすることがあります。3.5mmジャックやUSB接続タイプの場合、しっかり差し込まれているかを確認しましょう。 - 音量がゼロ、またはミュートになっていませんか?
Windowsの音量ミキサー、スピーカー本体、ゲーム内の音量設定など、複数の音量管理が存在します。どこか一つでもミュートになっていれば音は出ません。 - 出力先が正しいですか?
HDMIモニターやBluetoothヘッドホンなど、複数の音声デバイスがある場合、Windowsが自動的に別の出力を選んでいることがあります。タスクバーのスピーカーアイコンをクリックして、正しい出力先を選びましょう。
これらを確認するだけで、実は半分以上のトラブルは解決します。
ソフトウェア設定が原因のケース
接続に問題がなければ、次はソフトウェアの設定を見直します。
Windowsやドライバー、そしてゲームソフト自体が原因になっていることも少なくありません。
1. 出力デバイスの設定
「既定のデバイス」が間違っていると、音は違う方向へ流れてしまいます。
設定方法は以下の通りです。
- 画面右下のスピーカーアイコンを右クリック
- 「サウンド設定を開く」を選択
- 「出力」欄で、実際に使っている機器(スピーカーやヘッドセット)を選ぶ
HDMI出力のモニターが選ばれているのにスピーカーが付いていない場合なども、ここで修正できます。
2. 音量ミキサー
Windowsにはアプリごとに音量を管理できる「音量ミキサー」があります。
YouTubeは聞こえるのに、ゲームだけ音が出ない――そんな時はこの設定が疑わしいです。
- スピーカーアイコンを右クリック
- 「音量ミキサーを開く」
- ゲームの項目がミュートになっていないか確認
意外とこの単純な設定ミスが多いので、まず最初にチェックしてみましょう。
3. ドライバーのトラブル
長く使っているPCでは、オーディオドライバーが古くなっていたり壊れていることがあります。
この場合は更新または再インストールが効果的です。
- 「デバイスマネージャー」を開く
- 「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」を展開
- 使用しているデバイスを右クリック → 「ドライバーの更新」
最新のドライバーを導入しても改善しない場合、一度アンインストールして再起動するのも手です。
ゲーミングPCならではの落とし穴
ゲーミングPCでは、音声経路が複雑になりがちです。
特に、外部サウンドカードやUSBヘッドセット、HDMI接続などを利用している場合、思わぬ設定が原因で音が出ないことがあります。
HDMI・DisplayPort出力の注意点
GPU(グラフィックカード)経由で音を出す場合、映像と音声が一緒に出力されます。
しかし、モニターにスピーカーが無い場合や、モニター側の音量がゼロのときは音が出ません。
この場合は、Windowsの「再生デバイス」でスピーカー出力を既定に設定し直しましょう。
USB・Bluetoothヘッドセットの接続ミス
USBやBluetoothデバイスは、一見接続されていても認識が不安定な場合があります。
接続し直す、別のポートを試す、ペアリングを解除して再接続するなど、シンプルな手順で改善することも。
また、ゲーミング用ヘッドセットは専用ソフト(例:SteelSeries Engine、Razer Synapseなど)で設定を管理している場合が多いため、そちらの音量設定も確認しましょう。
コントローラー経由の音声出力
PS5コントローラーなどをPCに接続していると、コントローラー側のヘッドホン端子が自動的に出力先になってしまうことがあります。
この場合、スピーカーからは音が出ません。デバイス設定で出力を戻しましょう。
BIOS・ハードウェアの設定もチェック
ここまでで直らない場合は、もう少し深い部分を見てみます。
BIOSでオンボードオーディオが無効化されている
マザーボードの設定で、オンボードサウンドがオフになっているケースもあります。
BIOS画面を開き、「Onboard Audio Controller」や「HD Audio」などの設定を有効にしておきましょう。
特に自作PCの場合、この項目を無意識にオフにしてしまっていることがあります。
ケーブル・ポートの故障
長年使っていると、ジャック端子の接触不良や断線も起こります。
別のケーブルやヘッドホンを試してみると、ハードウェア側の不具合を切り分けられます。
また、フロントパネルのジャックが壊れている場合、背面端子に差し替えるだけで改善することもあります。
特定のゲームだけ音が出ない時の対処法
「他のアプリでは音が出るのに、このゲームだけ出ない」という現象も珍しくありません。
この場合は、ゲーム内設定や出力形式が関係している可能性があります。
- ゲームの「オーディオ設定」で出力デバイスを確認
- サウンド形式(ステレオ/5.1ch)が実際の環境に合っているか
- ボイスチャット機能(Discordなど)との干渉
また、一部のゲームは高サンプリングレート(例:96kHz、24bit)に対応していないこともあります。
Windowsの「サウンド設定」→「デバイスのプロパティ」→「詳細」から、16bit/44.1kHzに変更すると改善することがあります。
最後の手段:システムやドライバーを再構築
ここまでやっても直らない場合は、より根本的なトラブルを疑いましょう。
- Windows Updateを実施して最新の状態にする
- オーディオドライバーを完全削除して再インストール
- システムの復元ポイントを使って以前の状態に戻す
- それでもだめなら、専門業者に相談
特にドライバーの競合やOSの破損が原因の場合は、自力での修復が難しいこともあります。
ゲーミングPCの音が出ない時は、焦らず順番に確認を
「ゲーミングPCの音が出ない」というトラブルは、ほとんどが設定や接続に関するシンプルな原因です。
焦らず一つずつチェックしていけば、ほとんどのケースで自分で解決できます。
最初に物理的な接続や音量を確認し、それでもダメならソフトウェア設定。
それでも直らない時に初めてドライバーやハードウェアを疑う――これが鉄則です。
快適なサウンド環境を取り戻して、再びゲームの世界に没入しましょう。
