ゲーミングPCを使ううえで気になるのが「電気代」。特にハイスペックなモデルになると消費電力も上がり、「1か月にどのくらい電気代がかかるの?」という疑問を持つ人は多いはずです。今回は、800WクラスのゲーミングPCを例に、電気代の目安や計算方法、節約のコツまで、わかりやすく解説していきます。
そもそも「800WのゲーミングPC」とは?
まず前提として、「800WのゲーミングPC」とは電源ユニットの容量を指すことが多いです。
つまり「800Wの電源を搭載しているPC」であり、常に800Wの電力を消費しているわけではありません。
実際の消費電力は、パーツ構成や使用状況によって大きく変わります。
例えば、ゲームをしているときは高負荷状態で600〜800W近くになることもありますが、待機中やブラウジング中なら200〜300Wほどに落ちることもあります。
ただし、RTXシリーズのGPUや高性能CPUを搭載したハイエンド機種では、負荷時に一気に電力消費が跳ね上がるため、電源容量に余裕を持たせる必要があります。
この「800Wクラス」は、そのような高性能構成を想定した上位モデルというわけです。
電気代の計算方法と目安
電気代は次の式で簡単に計算できます。
電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(h)×電力量単価(円/kWh)
たとえば、1kWhあたりの単価を31円(一般的な家庭の平均値)とし、0.8kW=800WのPCを1時間使った場合:
0.8 × 1 × 31 = 約24.8円/時間
となります。ここから、1日や1か月の使用時間を掛け合わせていけばおおよその目安が出せます。
1日・1か月・1年あたりの電気代をシミュレーション
ここでは、使用時間別にざっくりとした目安を出してみましょう。
- 1時間使用:約25円
- 1日4時間使用(30日):0.8 × 4 × 30 × 31 ≒ 約2,976円
- 1日5時間使用(30日):約3,720円
- 1日8時間使用(30日):約5,952円
- 24時間つけっぱなし(30日):約17,800円
こうしてみると、使用時間が長くなるほど電気代が一気に増えるのがわかります。
1日8時間ゲームをプレイするヘビーユーザーなら、月6,000円前後、年間で7万円を超える計算になります。
逆に、1日2〜3時間程度の使用なら月2,000円台に抑えられることもあります。
使用スタイルがそのまま電気代に直結するというわけです。
消費電力が高くなる理由
ゲーミングPCの電気代が高くなる最大の理由は、やはりパーツの性能です。
GPUとCPUの消費電力が圧倒的
最新のGPU(グラフィックボード)は、1枚で300〜450Wを消費することがあります。
さらに、ハイエンドCPUも150W以上の電力を必要とする場合があり、これらが同時にフル稼働すると一気に消費電力が上がります。
冷却やRGBライトも地味に影響
高負荷で動かすと熱がこもるため、冷却ファンや水冷ポンプがフル回転。
また、ゲーミングモデル特有のRGBライティングも微量ながら電力を食います。
小さな積み重ねですが、長時間の使用では無視できません。
実際の消費電力はどのくらい?
実際の稼働時の消費電力は、使用するゲームや動作環境によって変動します。
- アイドル時(待機状態):100〜200W前後
- 軽い作業(Webや動画視聴):200〜300W
- 高負荷ゲームプレイ時:600〜800W
- 配信・録画を同時に行う場合:800Wを超えることも
つまり「800WクラスのPC」というのは、あくまで“ピーク時の想定”に基づいたもの。
常に800Wを消費しているわけではありません。
ただし、重い3Dゲームや動画編集などを頻繁に行うなら、平均的な消費は確実に高めになります。
電気代を抑えるための工夫
ハイスペックPCでも、ちょっとした工夫で電気代を抑えることが可能です。
1. 使用時間を見直す
ゲームをしないときはシャットダウン、短時間の離席ならスリープモードを活用。
「つけっぱなし」にしないだけで月1,000円以上の差が出ることもあります。
2. グラフィック設定を調整
ゲーム設定を中〜高程度に落とすと、GPUへの負荷が減り、消費電力も下がります。
特に4Kや高フレームレート設定は電力を食いやすいので、必要に応じてバランスを取るのがポイント。
3. 冷却環境を整える
部屋が暑いと冷却ファンがフル回転し、電力が上がります。
PC周りの通気を良くし、エアコン設定を工夫するだけでも安定稼働と節電につながります。
4. 電源ユニットの効率を意識
「80 PLUS認証」を取得している高効率電源を選ぶと、ロスが少なくなります。
電源の変換効率が高ければ、同じ出力でも無駄な電力消費を抑えられます。
5. 周辺機器の省電力化
モニターの輝度を下げたり、LEDの光量を減らしたりといった工夫も効果的。
また、スピーカーやコントローラーなどを使わないときは電源を切る習慣をつけましょう。
月々のランニングコストとして考える
ゲーミングPCは、購入後も電気代という“隠れた出費”が発生します。
たとえば、月6,000円の電気代が1年続けば7万円以上。
3年間使えば20万円を超える可能性もあります。
このコストをどう捉えるかは人それぞれですが、「高性能を求めるほどランニングコストがかかる」という意識は大切です。
特に、配信・編集・常時稼働といった使い方をするなら、電力プランを見直すのも一つの手です。
最近は夜間料金が安いプランや、再エネ系の安価なプランも出ているので、契約を工夫することで電気代を数%削減できる場合もあります。
800WのゲーミングPCの電気代はいくら?まとめ
ここまでの内容を振り返ると──
- 800WのゲーミングPCを1時間使うと約25円。
- 1日5〜8時間使用で月3,000〜6,000円が目安。
- 1年では7万円前後になることもある。
- 実際の消費電力は使用状況によって変動する。
- 節電のコツは「使用時間の管理」「設定の見直し」「省エネ電源の活用」。
ゲーミングPCは性能が高い分、電力消費も大きくなりがちです。
ただ、無駄を減らせば年間数千円単位で差が出ることもあります。
「快適なゲーム環境」と「節約のバランス」を意識しながら、自分のライフスタイルに合った使い方を見つけていきましょう。
