ゲーミングPCを組むとき、「配線」が一番の壁だと感じる人は多いですよね。
ケーブルがぐちゃぐちゃになる、電源が入らない、どこに差せばいいのかわからない…。
でも実は、配線にはちょっとしたコツがあるだけで、初心者でも驚くほどスッキリまとめられます。
この記事では、ゲーミングPCの配線方法を、準備から完成後のチェックまで、わかりやすく解説します。
見た目だけでなく、冷却効率やメンテナンス性まで考えた「正しい配線」を身につけましょう。
配線前に準備しておきたいもの
まずは、作業前の準備がすべての基本です。
いきなりケーブルを挿し始めるのではなく、以下のアイテムと環境を整えましょう。
- プラスドライバー(マグネット付きが便利)
- 静電気防止リストバンドまたは金属に触れて放電
- 結束バンドやマジックテープ式ケーブルタイ
- 作業スペースに余裕のある机
- 明るい照明(手元が見やすい環境)
また、マザーボードや電源ユニット、ケースの「配線ルート」や「ケーブル穴」を確認しておくと、作業がスムーズです。
裏配線に対応しているケースなら、裏側にケーブルを通すスペースが確保されているはず。ここを上手く使えば、見た目もエアフローも良くなります。
電源ユニット(PSU)からの配線が最初のステップ
配線の中心は電源ユニット(PSU)です。ここからマザーボード、CPU、グラフィックボード、ストレージなどに電力が供給されます。
間違いやすい部分なので、慎重に確認しながら進めましょう。
- メイン電源ケーブル(24ピン):マザーボードの右側に接続。
- CPU電源ケーブル(8ピンまたは4+4ピン):マザーボード上部に接続。
- GPU電源ケーブル(6ピン/8ピン/12VHPWRなど):グラフィックボードに接続。
- SATA電源ケーブル:SSDやHDD、ケースファンなどの補助電源に使用。
電源ユニットがモジュラータイプなら、使うケーブルだけを接続しましょう。
不要なケーブルを外しておくだけで、ケース内が一気にすっきりします。
ケーブルは無理に曲げず、余った部分は結束バンドで束ねて裏配線側に回すのが基本です。
内部配線のポイント:裏配線とエアフローを意識する
ケースの中は、見た目よりも「風の流れ」が重要です。
配線がファンの前を通ってしまうと、冷却性能が落ちて熱がこもりやすくなります。
裏配線のコツ:
- マザーボード裏側のスペースを使う。
- ケーブルを通す順番を考えておく(太い電源ケーブル→細い信号ケーブル)。
- ケーブルホールを使って、見える面には極力ケーブルを出さない。
- 束ねるときは、マジックテープ式ケーブルタイを使うと再調整が楽。
見た目を整えることも大事ですが、何より「メンテナンスしやすい状態」にしておくのがポイントです。
後でパーツを増設したくなったとき、配線がぐちゃぐちゃだと地獄を見るので、今のうちに整えておきましょう。
外部配線:デスク周りを整えるだけで環境が変わる
PCケースの外にも、ケーブルはたくさんあります。
モニター、キーボード、マウス、スピーカー、LANケーブル…。
これらを整理するだけで、作業スペースの快適さがまるで違ってきます。
デスク周りの配線整理術:
- ケーブルトレーを机の裏に取り付けて、電源タップやACアダプターをまとめる。
- ケーブルクリップやチューブで、机の裏や脚に沿わせる。
- ケーブルが床に垂れないようにする(足に引っかかる原因になる)。
- 電源ケーブルと信号ケーブル(USBやオーディオ)はできるだけ別ルートに。
また、ワイヤレス機器をうまく使えば、ケーブルの本数を減らせます。
Bluetoothマウスやワイヤレスキーボードを導入するだけでも、デスクがすっきりします。
初心者がやりがちな配線ミスとその対処法
せっかく配線を終えても、電源を入れたら動かない…というのは初心者あるあるです。
よくあるトラブルと、そのチェックポイントを紹介します。
- 電源が入らない:24ピンや8ピンのケーブルがしっかり奥まで差さっていない可能性あり。
- ファンが回らない:ファンの電源ケーブル(3ピン/4ピン)がマザーボードまたはハブに未接続。
- 映像が出ない:HDMIケーブルをマザーボードではなく、グラフィックボードに差すこと。
- LEDが光らない:RGBケーブルの接続向きや、対応端子の確認を。
トラブルが起きたら、慌てずに一度すべてのケーブルを確認してみましょう。
ほとんどの問題は「差し込み忘れ」や「緩み」で解決します。
ケーブル管理のコツで“プロっぽい”仕上がりに
慣れてきたら、さらに見た目を整える工夫をしてみましょう。
- ケーブルスリーブ(メッシュカバー)で配線をまとめる。
- 電源ケーブルを白や黒で統一して、カラーを揃える。
- RGBライトを活かすなら、光を遮らないようにケーブルを背面へ。
- ケーブルにラベルを付けて、どの機器につながっているか分かるようにする。
これだけで、「自作したのに完成度が高い!」と感じられるようになります。
見た目が整うと、日々の掃除やパーツ交換もやりやすくなります。
メンテナンスと今後のアップグレードを見据えよう
配線がきれいなPCは、後々のメンテナンスやアップグレードも楽になります。
ホコリ掃除をするときもケーブルが邪魔にならず、交換作業の手間が減ります。
また、NVMe SSDのようにケーブルレスのストレージを選ぶと、内部配線がさらにスッキリします。
将来的にパーツを追加する予定があるなら、余裕を持たせた配線にしておくのがおすすめです。
ケーブルをピンピンに張らせると、引っ張りや抜けの原因になるので注意しましょう。
ゲーミングPCの正しい配線方法をマスターすれば快適さが変わる
配線は「見えない部分の美学」です。
でも、その小さな工夫が冷却効率やトラブル防止、作業性の良さに直結します。
最初は少し手間がかかっても、慣れれば自分なりのルールや美しさを追求できるようになります。
ケーブルを整えることは、PCを大切に扱うことと同じ。
ぜひ、あなたのゲーミングPCでも「正しい配線方法」を実践してみてください。
整った配線は、ゲーム中の集中力も、PCへの愛着も、きっとワンランク上に引き上げてくれます。
