「ゲームをしながら配信したいけど、どんなPCを買えばいいの?」
そんな疑問を持っている人は多いと思います。最近ではYouTubeやTwitchなどでゲーム配信を始める人が増えていますが、配信を快適に行うには、普通のゲーミングPCとは少し違う“配信向けのスペック”が必要になります。この記事では、初心者でもわかるように「どんなスペックが目安なのか」「どこにお金をかければいいのか」を丁寧に解説します。
ゲームと配信を同時に行うには余裕のあるスペックが必要
まず押さえておきたいのが、「ゲームをする」と「配信をする」は別の処理だということ。
ゲームはGPU(グラフィックボード)が中心になって映像を描画しますが、配信は映像をリアルタイムでエンコードして、配信サイトへ送信する作業です。つまり、CPUやメモリ、ネット回線にも大きな負荷がかかります。
ゲームだけなら快適に動いても、配信を始めた瞬間にカクつく・音ズレが起きるなどのトラブルが起きることがあります。
だからこそ「配信も想定した余裕のあるPCスペック」が必要なんです。
CPUは“頭脳”として最も重要。最低6コア、理想は8コア以上
配信ではゲームの処理と同時に映像のエンコード(圧縮)も行うため、CPUが大きな役割を担います。
シンプルに言うと、コア数とスレッド数が多いほど複数の作業を同時にこなせるということです。
初心者の目安としては次の通りです。
- 最低ライン:6コア12スレッド(Intel Core i5/AMD Ryzen 5クラス)
→ 1080p・60fpsの配信ならギリギリOK。軽めのゲーム向き。 - おすすめ:8コア16スレッド(Intel Core i7/AMD Ryzen 7クラス)
→ ゲームと配信を両立しても安定。ほとんどの人にちょうどいいバランス。 - 余裕を持ちたい人:12コア以上(Intel Core i9/AMD Ryzen 9)
→ 1440p以上・4K配信・録画同時処理にも対応できる。
最近はGPU側のハードウェアエンコード機能も強化されていますが、CPUの処理性能はまだまだ重要です。将来的に編集や動画投稿もするなら、できるだけ上位モデルを選んでおくと安心です。
GPU(グラボ)は配信の画質を左右する。GeForce RTX 4060以上が狙い目
次に重要なのがGPU。
GPUはゲームの映像を描画するだけでなく、配信時に映像をエンコードする「NVENC」や「AMF」といった機能を持っています。これを活用することでCPUの負担を減らし、スムーズな配信ができます。
2025年現在、配信目的なら次のクラスを目安に考えると良いです。
- 最低ライン:GeForce RTX 4060 / Radeon RX 7600
→ フルHD配信なら十分。 - おすすめ:RTX 4070 / RX 7900 XT
→ 高画質設定・1440p配信・高フレームレートのゲームも快適。 - 余裕を持つなら:RTX 4080以上
→ 4K配信やハイエンドゲームにも対応。
GPUの性能が高ければ、画質を下げずにエンコードが可能になります。配信だけでなく、プレイ自体も滑らかになるので、コスパを考えてもGPUにはしっかり投資しておくのがおすすめです。
メモリは最低16GB、理想は32GBで安心
メモリは「同時にどれだけのアプリを動かせるか」に関係します。
ゲームを動かしながらOBSなどの配信ソフト、ブラウザ、チャットツールを開くので、想像以上にメモリを使います。
- 最低限:16GB(軽いゲーム+1080p配信なら可)
- 安定重視:32GB(配信+録画、マルチモニターでも快適)
- プロ志向:64GB(4K配信や動画編集を兼ねる場合)
最近はメモリ価格も落ち着いているので、最初から32GBにしておくと後悔しにくいです。
ストレージは1TB以上のNVMe SSDで快適に
ストレージは「ゲームの読み込み速度」と「録画データの保存量」に影響します。
配信を長時間続けると動画データがどんどん溜まっていくため、容量には余裕を持ちたいところ。
- NVMe SSD 1TB以上を基本に。
- 録画も多く保存する人は2TB以上が安心。
- HDDはバックアップ用に使うのがおすすめ。
SSDが速いとゲームの起動や配信ソフトの立ち上がりもスムーズになります。最近は2TBでも価格が手頃なので、将来を考えて容量を多めにしておきましょう。
電源と冷却も配信の安定性を左右する
意外と見落とされがちなのが電源と冷却。
配信は長時間高負荷が続くため、安定した電源供給と温度管理が欠かせません。
- 電源は650〜850W、80PLUS Goldクラスが目安。
- 高性能GPUを使うなら750W以上を推奨。
- 冷却はCPUクーラーとケースファンのバランスが大事。
- 夏場は室温も配信の敵。こまめに温度チェックを。
電源や冷却をケチると、せっかくの高性能パーツが本来の力を発揮できません。長く使うほど差が出る部分なので、ここも妥協しない方がいいです。
ネット回線は「アップロード速度」が命
どんなに良いPCでも、ネット回線が遅ければ配信は成立しません。
ゲーム配信で特に重要なのは「アップロード速度」です。
- フルHD配信なら10Mbps以上
- 高画質・1440p以上なら20Mbps以上
- 4K配信なら30Mbps以上が目安
可能なら有線LANを使いましょう。Wi-Fiだと途切れやすく、映像が乱れる原因になります。安定した回線こそ、快適な配信の土台です。
初心者におすすめの構成目安
ここまでの情報を踏まえて、初心者が「これなら安心」と思える構成をまとめます。
- CPU:Intel Core i7 or AMD Ryzen 7
- GPU:RTX 4070 or RX 7900 XT系
- メモリ:32GB
- ストレージ:1TB NVMe SSD
- 電源:750W以上(80PLUS Gold)
- 回線:アップロード20Mbps以上
このあたりを揃えておけば、ほとんどのゲームを快適に配信できます。
さらに録画や編集も考えている人は、ストレージとメモリをもう少し上げると理想的です。
配信ソフトと設定もチェックしよう
PCの性能が足りていても、配信ソフトの設定が最適化されていないと画質が崩れることがあります。
OBSなどの配信ソフトを使う場合は、以下のポイントを意識しましょう。
- エンコード方式:GPU(NVENC)を優先
- 解像度:1080pまたは1440p
- フレームレート:60fps
- ビットレート:6000〜8000kbps(配信サイトの上限に注意)
また、コメント管理やマイク音量、BGMのバランスなども視聴者の満足度に直結します。最初はテスト配信を何度か行い、自分の環境での最適な設定を見つけましょう。
長く続けるなら“余裕を持たせる”のが正解
PCは一度買うと何年も使うもの。
最初にギリギリのスペックを選ぶよりも、少し上を見ておくことで将来のストレスを減らせます。特に配信は、ソフトの更新やゲームの高画質化によって要求スペックが上がっていく傾向があります。
「今快適」よりも「これからも快適」であることを意識して選ぶのがポイントです。
ゲーミングPCで配信するならこのスペックを目安に!
最後にもう一度まとめます。
これを基準にすれば、初心者でも安心して配信を始められます。
そして慣れてきたら、配信レイアウトや周辺機材にもこだわっていくと、自分だけの“快適な配信環境”が整っていきます。
最初の一歩は、少しの余裕と準備から。
あなたの声とプレイが、誰かの楽しみになるその日を、良いPCと一緒に迎えましょう。
