「ゲーミングPCを買うとき、保証って入ったほうがいいの?」
おそらく、多くの人が購入前に一度は悩むポイントだと思います。
最近のゲーミングPCは高性能で見た目もスタイリッシュ。でもその分、価格も10万円、20万円と高額になることが珍しくありません。
そんな大切な機械がもし壊れたらどうなるのか。保証の内容を知らずに購入すると、いざというとき後悔するケースもあります。
ここでは、ゲーミングPCの保証が本当に必要なのか、修理時にどんな内容がカバーされるのか、そして選び方のコツまで分かりやすく解説していきます。
ゲーミングPCにおける「保証」とは?
まず「保証」とは、購入した製品に不具合が起きた際、メーカーや販売店が一定の条件で修理・交換を行う仕組みのことです。
基本的には「自然故障」を対象としています。たとえば部品の初期不良や、通常使用していて急に電源が入らなくなった、映像が映らなくなった、などが代表的なケースです。
標準で1年間の保証が付いていることが多く、有料で延長できる「延長保証」や「プレミアム保証」も販売されています。
一方で、水濡れや落下、ユーザーによる改造などは多くの場合「保証対象外」。このあたりを理解しておくことが、後でトラブルを避けるポイントになります。
ゲーミングPCは壊れやすい?保証が注目される理由
ゲーミングPCは一般的な事務用パソコンと比べて、高負荷・高性能な構成になっています。
グラフィックカード(GPU)や冷却ファン、電源ユニットなど、負担の大きい部品が多いため、長時間ゲームをプレイするユーザーほどパーツの劣化スピードが早くなる傾向があります。
加えて、内部の熱もトラブルの原因になりやすいです。
「ファンが回らなくなった」「突然フリーズする」といった現象は、実は冷却不良や電源まわりの不具合が関係していることが多く、修理費用が数万円単位になることもあります。
だからこそ、高額なゲーミングPCを守る“保険”的な意味で保証に加入する人が増えているのです。
保証でカバーされる内容と対象外になるケース
保証と一口に言っても、販売店やメーカーによって内容はさまざまです。
大まかに見ると、以下のような範囲が一般的です。
保証でカバーされる主な内容
- 初期不良や製造上の欠陥による故障
- 通常の使用で発生した自然故障
- 部品の無償交換、または修理対応
保証対象外となるケース
- 水濡れ・落下などによる物理的損傷
- 分解・改造・オーバークロックなどによる破損
- 消耗品(バッテリー、ファン、キーボードなど)の劣化
- 使用環境が悪く(高温・多湿・ホコリなど)発生した不具合
特に注意したいのは、「保証対象と思っていたのに対象外だった」というパターンです。
たとえば冷却ファンのホコリ詰まりが原因の焼損や、グラフィックカードの改造によるトラブルは、保証が効かないことが多いです。
購入前に必ず、保証規約の“対象外条件”まで目を通しておくのが大切です。
延長保証の仕組みとメリット
標準の1年保証では物足りないと感じる人向けに、多くの販売店では「延長保証」が用意されています。
これは有料で保証期間を2年、3年、最大5年まで延ばすサービスで、メーカーやBTOショップごとに料金が異なります。
たとえば本体価格10万円のPCなら、3年保証が約1万円前後で追加できるケースが多いです。
一見もったいなく感じるかもしれませんが、マザーボードやグラフィックカードの修理費用が3~5万円することを考えると、保証料は決して高くありません。
また、延長保証には次のようなメリットがあります。
- 保証期間中の修理費用が無料または大幅に軽減される
- 故障時の送料や引き取りが含まれている場合がある
- 修理不能時に同等性能のPCと交換されるプランもある
特に、長期間同じPCを使い続けたい人や、修理対応の手間を避けたい人には大きな安心材料になります。
保証が不要なケースもある?
一方で、「保証を付けなくてもいい」という選択肢もあります。
これは「使用期間」や「使い方」によっては十分に合理的な判断です。
例えば、
- 3年以内に買い替える予定がある
- 高負荷のゲームをほとんどしない
- 自作やパーツ交換ができるスキルがある
こういった人は、延長保証の恩恵を受ける機会が少ないでしょう。
また、保証に入っていても自然故障しかカバーされない場合、物理的破損には結局費用がかかります。
そのため、「保証にかける費用」と「実際に起こるかもしれないリスク」を天秤にかけて判断するのが賢いやり方です。
保証選びで後悔しないためのチェックポイント
保証を選ぶときは、次の5つのポイントを意識しておくと失敗が減ります。
- 保証期間
標準は1年。延長で3〜5年にできるか確認する。 - 対象範囲
自然故障だけか、物損や水濡れもカバーされるか。 - 修理対応
持ち込み修理か、引き取り・オンサイト(訪問)対応か。 - 費用・コスパ
保証料が本体価格の何%かをチェック。目安は5〜10%。 - 除外条件
改造・増設・ホコリ詰まり・長時間稼働などで無効になる可能性もある。
これらを販売店のサイトや保証書で事前に確認しておくことで、「保証があるのに使えなかった」という失敗を避けられます。
国内主要メーカーの保証傾向をざっくり比較
国内BTOメーカーの傾向を簡単にまとめると、次のようになります。
- ドスパラ:標準1年、延長で最長5年まで。自然故障が中心。
- マウスコンピューター:標準3年モデルもあり。オンサイト修理など手厚い。
- FRONTIER:修理費0円+修理不能時は同等品交換の「プレミアム保証」あり。
- パソコン工房:延長保証で4年まで。料金は本体価格の10〜15%ほど。
どのメーカーも「自然故障保証」を基本とし、物損カバーは別契約になるケースが多いです。
また、延長保証は購入時しか加入できないことが多いため、後から追加したいと思っても手遅れになることがあります。
保証に入るか迷ったら「3年」を基準に考える
もし判断に迷ったら、「3年」を目安にするのがおすすめです。
PCの性能進化やパーツ寿命を考えると、3年程度がちょうど買い替えやすいサイクル。
3年間は安心して使いたいなら延長保証を、
逆に2年以内に買い替える予定なら標準保証だけで十分。
つまり、「どのくらいの期間そのPCを使いたいか」が保証加入の判断基準になります。
修理時に気をつけたいこと
保証があっても、修理の際には注意が必要です。
- データは基本的に保証対象外。修理前に必ずバックアップを取る。
- 修理に出すと数日〜数週間かかることがある。代替機の有無を確認。
- 送料・手数料がユーザー負担のプランもある。
特にデータ消失のリスクは見落とされがちです。保証が「本体のみ」であっても、保存データの補償はほとんどのメーカーが行っていません。
修理を依頼する前に、データの保全を最優先に考えて行動することが大切です。
ゲーミングPCに保証は必要?まとめ
ゲーミングPCの保証は「必ず入るべきもの」ではありませんが、多くの人にとって“安心を買う手段”にはなります。
・高価なPCで長期間使う予定
・修理に詳しくない、手間をかけたくない
・部品故障が不安
こうした人には延長保証が有効です。
逆に、短期間で買い替える・軽い使い方しかしない・自分でメンテできるという人なら、標準保証だけで十分でしょう。
大切なのは、保証の内容を理解して「自分に合ったバランス」を選ぶこと。
PC本体と同じくらい、保証も“投資の一部”として考えると失敗がありません。
ゲーミングPCを長く快適に使うために、保証を上手に活用していきましょう。
