ゲーミングPCを使っていると、「最近ゲームの動作が重い」「配信しながらだとカクつく」と感じること、ありませんか?
そんなときに効果的なのが、メモリの増設です。
難しそうに思えるかもしれませんが、手順を理解すれば初心者でも十分にできます。この記事では、ゲーミングPCのメモリ増設に必要な知識と手順を、わかりやすく解説していきます。
メモリ増設でゲームが快適になる理由
まずは「そもそもメモリを増やすと何が変わるの?」という疑問から。
メモリ(RAM)は、パソコンが処理を行う際に一時的にデータを置く“作業机”のようなものです。
机が広ければ一度に多くの作業ができるように、メモリが多ければより多くのデータを同時に扱えます。
ゲーミングPCでは、ゲームプレイ中に録画や配信ソフト、ブラウザ、ボイスチャットなど複数のアプリを動かすことが一般的です。
そのため、メモリ不足になると「カクつき」「フリーズ」「動作の遅延」などが起きやすくなります。
メモリを増設すれば、
- ゲーム中の動作が安定する
- ロード時間が短くなる
- 配信や録画との同時使用もスムーズになる
といった効果が期待できます。特に最新の3Dゲームや高解像度配信をする人には、メモリ容量の余裕が快適さを大きく左右します。
どれくらいの容量が理想?
「増やす」といっても、いったいどれくらいがちょうどいいのでしょうか。
目安としては以下の通りです。
- 8GB:最低限。軽いゲームや一般作業ならOK。
- 16GB:多くのゲーマーが選ぶ標準的な容量。配信や録画も快適。
- 32GB:動画編集や複数アプリを同時使用する人におすすめ。
最新のゲームや配信を安定して行いたいなら、16GB〜32GBが安心です。
特に最近はメモリを多く使うゲームも増えているため、余裕を持たせる方が後悔しません。
増設前に必ずチェックすべきこと
いきなり購入してはいけません。まずは、自分のPCにどんなメモリが使われているかを確認しましょう。
1. 規格を確認する
メモリには「DDR4」「DDR5」などの規格があります。
対応していないメモリを買っても、物理的に挿さらなかったり認識されなかったりします。
マザーボードの仕様書やメーカーサイトで「対応メモリ規格」「最大容量」「スロット数」を確認しましょう。
2. 既存メモリとの相性
異なるメーカーやクロック(速度)のメモリを混ぜると、動作が不安定になることがあります。
可能なら同じメーカー・同じ型番のメモリを追加するのが理想です。
どうしても分からない場合は、PCショップで相談すると確実です。
3. 空きスロットを確認
デスクトップPCはメモリスロットが4本のことが多く、ノートPCは2本が一般的です。
空きスロットがない場合は、既存メモリを外して交換する必要があります。
メモリ増設に必要なもの
メモリを増設するのに特別な工具は不要です。基本的には以下を用意すればOK。
- 新しいメモリモジュール
- プラスドライバー(ケースを開ける用)
- 静電気防止リストストラップ(あると安心)
- エアダスター(ホコリ除去用)
作業前には必ず電源ケーブルを抜き、金属部分に触れて静電気を逃しておきましょう。
静電気が原因でパーツを壊してしまうトラブルは意外と多いです。
実際の増設手順【デスクトップ編】
それでは、実際にどのように作業するのかを順を追って説明します。
手順1:電源を完全に切り、ケーブルを抜く
スリープではなく、完全にシャットダウンしてから電源ケーブルを外します。
数分放置して内部の電気を放電しておきましょう。
手順2:ケースを開ける
サイドパネルをドライバーで外します。ネジの位置はケースによって違うので、取扱説明書を参考にしてください。
手順3:メモリスロットを探す
マザーボード上に縦に並んだ細長いスロットがあります。
すでに差さっているメモリがある場合は、空きスロットを確認します。
色分けされていることが多く、同じ色のスロットに挿すとデュアルチャネル(高速モード)になります。
手順4:古いメモリを外す(交換の場合)
スロット両端のツメを外側に倒すと、メモリが少し浮き上がります。
そのまま真上に引き抜きましょう。無理に力を入れないことが大切です。
手順5:新しいメモリを挿入
メモリの切り欠きとスロットの突起を合わせ、まっすぐ下に押し込みます。
「カチッ」と音がしてツメが自動的にロックされればOKです。
少し硬い場合もありますが、傾けずに垂直に力を入れるのがポイント。
手順6:ケースを閉じて再接続
すべての作業が終わったら、パネルを戻してケーブル類を元通りに接続します。
ノートPCでのメモリ増設手順
ノートPCも基本は同じですが、注意点がいくつかあります。
- 裏面のパネルを外す(機種によっては全体を開ける必要あり)
- バッテリーを外せるタイプは、必ず先に外す
- メモリスロットは角度をつけて差し込み、押し倒して固定
- カチッとツメがはまるのを確認してからカバーを閉じる
ただし、一体型や超薄型モデルではメモリ増設ができない場合があります。
増設を考えている人は、あらかじめ対応可否を調べておきましょう。
増設後の確認方法
作業が終わったら、PCが正しくメモリを認識しているかチェックします。
- Windowsを起動
- 「Ctrl + Shift + Esc」でタスクマネージャーを開く
- 「パフォーマンス」→「メモリ」を選択
ここに表示される容量が増えていれば成功です。
また、BIOS画面でも容量やスロット数を確認できます。
もし認識されていない場合は、
- メモリがしっかり奥まで挿さっていない
- スロットの不良
- メモリの規格が合っていない
といった原因が考えられます。もう一度慎重に確認してみましょう。
トラブルが起きたときの対処法
メモリ増設でありがちなトラブルとその対処法も紹介します。
- PCが起動しない
→ メモリが奥まで差し込まれていない可能性大。再度しっかり押し込みましょう。 - ブルースクリーンが出る
→ メモリの相性問題かもしれません。単体で挿して起動確認を行い、どちらが原因か切り分けてください。 - 容量が半分しか認識されない
→ スロット位置が正しくない場合があります。デュアルチャネル対応スロットに入っているか確認。 - 増設後に不安定になった
→ メモリテストを実行してエラーの有無をチェック。「Windows メモリ診断」を使うのが簡単です。
メモリ増設で快適なゲーミング環境を作ろう
メモリの増設は、ゲーミングPCをより快適にするための最も手軽なアップグレードの一つです。
やることは「対応メモリを選ぶ」「スロットに挿す」「確認する」の3ステップ。
少しの手間で、ゲームの読み込みや動作が格段にスムーズになります。
最近のタイトルはグラフィックがリッチで、バックグラウンドのアプリも多くのメモリを消費します。
配信や動画編集を楽しみたいなら、16GB以上はほぼ必須といえるでしょう。
そして、作業に慣れれば自作やパーツ交換の第一歩にもなります。
自分の手でゲーミングPCをチューニングしていく楽しさも、メモリ増設の醍醐味です。
まとめ:ゲーミングPCのメモリ増設やり方完全ガイドの振り返り
この記事では、ゲーミングPCのメモリ増設やり方を初心者でも実践できる形で解説しました。
もう一度ポイントを整理すると――
- メモリはゲームの快適さを左右する重要パーツ
- 規格・容量・スロットの確認が成功のカギ
- 増設は手順を守れば誰でもできる
- トラブル時は「挿し込み・相性・位置」を確認
これさえ押さえれば、あなたのゲーミングPCはより快適に、よりパワフルになります。
次のゲームをプレイするとき、その違いをきっと実感できるはずです。
