ゲームの世界では、ほんの数秒の差が勝敗を分けることもあります。そんな中で「ロードが遅い」「起動に時間がかかる」といったストレスを感じているなら、まず見直したいのがストレージ。とくにSSD(ソリッドステートドライブ)は、ゲーミングPCの快適性を一気に底上げしてくれる重要なパーツです。今回は、SSDがなぜゲームに有利なのか、選び方のコツ、そしておすすめの10モデルを紹介します。
SSDで変わる!ゲーム体験の快適さ
HDD(ハードディスクドライブ)とSSDの違いを一言で表すなら、「読み込みの速さ」です。SSDはデータの読み書きが圧倒的に早く、OSやゲームの起動時間、マップの読み込みなどを短縮してくれます。
最近の大型タイトルは100GBを超えるデータを扱うものも多く、HDDではロード時間が数十秒〜数分かかることもあります。SSDに変えるだけで、同じ場面の読み込みが数秒で完了することも珍しくありません。
さらに、オープンワールドゲームのように頻繁にデータを読み込むタイトルでは、SSDによってカクつきやテクスチャの遅延も軽減。結果として、よりスムーズで没入感のあるプレイが可能になります。
ゲーミングPCに最適なSSDの選び方
1. 容量は1TB以上が安心
ゲームの容量は年々増加しています。最新作を複数インストールするなら、最低でも1TB以上は確保したいところ。500GBではあっという間にいっぱいになってしまい、削除と再インストールを繰り返す羽目になります。
2TBモデルなら余裕をもって複数タイトルを入れられるので、頻繁に遊ぶゲーム用と新作用に分けて管理しやすいです。
2. 接続方式は「M.2 NVMe」を選ぶ
SSDにはSATAタイプとM.2 NVMeタイプがあります。ゲーミングPCなら断然、NVMe対応のM.2 SSDがおすすめ。PCIe 4.0規格に対応していれば、読み込み速度は最大7,000MB/sにも達し、SATA SSDの約10倍ものスピードを誇ります。
ただし、マザーボードが対応していない場合はSATAでも問題ありません。HDDに比べれば、SATA SSDでも劇的な体感差を得られます。
3. 読み書き速度よりも「安定性」
カタログスペックの数字が高ければ良いというわけではありません。ゲームロードでは連続読み書きよりも、細かいデータを頻繁に扱う「ランダムアクセス性能」が重要です。また、高速モデルほど発熱しやすいため、ヒートシンク付きのSSDを選ぶのもポイントです。
4. 信頼できるメーカーを選ぶ
SSDは長期間データを扱う部品なので、信頼性の高いメーカーを選びましょう。サムスン、ウエスタンデジタル、Crucial、SanDisk、MSI、Silicon Powerなどは長年の実績があり、保証体制も整っています。
ゲーミングPCにおすすめのSSD10選
ここからは、性能・価格・信頼性のバランスが取れたおすすめSSDを紹介します。すべて実績あるブランドで、ゲーミング用途に最適なモデルばかりです。
1. WD Black SN850X
ウエスタンデジタルのハイエンドモデル。PCIe 4.0対応で読み込み最大7,300MB/s。ロード時間を限界まで短縮したいゲーマーに最適です。ヒートシンク付きモデルもあり、熱対策も万全。
2. Samsung 980 PRO
信頼性の高さで定評のあるサムスン製。ゲームだけでなく動画編集や配信にも強い万能SSD。PCIe 4.0対応で、安定した速度を長期間維持します。
3. MSI SPATIUM M450
コスパ重視派におすすめ。PCIe 4.0対応ながら手頃な価格で入手でき、安定した転送速度を実現。初めてM.2 SSDを導入する人にも向いています。
4. WD Black SN770
SN850Xより価格を抑えた中上位モデル。DRAMレスながら独自技術で安定した読み込み性能を発揮します。ゲーミングノートにもおすすめ。
5. Crucial P5 Plus
Micron製NANDを採用したCrucialの人気モデル。PCIe 4.0対応で、安定性とコストのバランスが優秀。ゲームロードから動画処理まで幅広く活躍します。
6. Silicon Power UD90
リーズナブルながら性能十分なモデル。2TBモデルでも比較的安価で、ストレージを増やしたい人に最適。発熱も少なく、長時間プレイに向いています。
7. SanDisk Extreme PRO NVMe
高耐久・高信頼性で知られるSanDiskの上位シリーズ。書き込み耐性も高く、長期的に使いたいユーザーにおすすめです。
8. Kingston KC3000
速度と安定性の両立が魅力。シーケンシャル読み込み7,000MB/sを誇り、最新タイトルでもロードの速さを実感できます。
9. Corsair MP600 PRO LPX
PS5でも使えるほどの高性能モデル。PCIe 4.0対応でヒートシンク付き。デザイン性も高く、自作PCの見た目にこだわる人にも人気です。
10. Lexar NM790
比較的新興ながら高コスパで注目を集めるブランド。読み込み速度7400MB/sとハイスペックながら価格が手頃。初めてNVMe SSDを導入する人にもおすすめです。
SSD導入のメリットを最大限に活かすポイント
せっかく高性能SSDを選んでも、環境が整っていなければ性能を発揮できません。導入時には次のポイントを押さえておきましょう。
- マザーボードがPCIe 4.0/5.0に対応しているか確認する
- ヒートシンクを正しく取り付けて温度上昇を防ぐ
- SSDをシステムドライブ(Cドライブ)に設定し、OSや主要ゲームをインストールする
- ファームウェアアップデートを定期的に実施する
また、SSDは容量がいっぱいに近づくと速度が落ちやすい性質があります。全容量の10〜20%ほどは空けておくと、安定した性能を維持しやすくなります。
ゲーミングPCのロード時間を短縮して快適プレイを
ゲーミングPCにおすすめのSSD10選を紹介してきましたが、結局のところ重要なのは「自分のプレイスタイルに合っているか」です。
FPSなど瞬発力が問われるゲームなら高速モデルを、RPGやMMOなど長時間プレイが多いなら大容量モデルを選ぶとよいでしょう。
SSDは一度導入すると、起動・ロード・操作のすべてが軽快になり、「もうHDDには戻れない」と感じるはずです。
ロード時間のストレスをなくして、あなたのゲーミングライフをさらに快適にしてみてください。
