「ゲーミングPCを買ったのに、HDMI端子が1つしかない！」
モニターを2枚使いたい人や、テレビにもつなぎたい人なら、きっと一度は直面する悩みです。
でも安心してください。HDMIが1つでも、ちょっとした工夫で複数モニター環境を実現できます。この記事では、仕組みの理解から具体的な対処法、そしておすすめの機器まで、わかりやすくまとめていきます。
HDMI端子が1つしかないのは普通？意外と多いその理由
実は、多くのゲーミングPCやグラフィックカードにはHDMI端子が1つしかついていません。
一方で、DisplayPort（DP）やUSB-Cといった他の映像出力端子が複数搭載されているのが一般的です。
なぜHDMIが少ないのかというと、HDMIは主にテレビ接続向けの規格だからです。
一方、DisplayPortはPCモニター用として高リフレッシュレートや高解像度に強く、ゲーマー向けモニターではこちらが主流。つまり、PCメーカーとしては「HDMI1つ＋DisplayPort複数」という構成が最適なんです。
HDMIが1つしかないと何が困るのか
最も多いのは、モニターを2台以上使いたい場合。
ゲームをしながらチャットや攻略情報を別画面で見たい、配信時にコメント欄を常時表示したい──そんな用途では、1本のHDMIでは足りません。
また、テレビにもつなぎたい人にとっても同じ問題が起きます。
HDMIケーブルを差し替えるたびに、抜き差しや設定変更が必要になってしまう。地味に面倒で、端子を傷める原因にもなります。
まず確認！あなたのPCに他の出力端子はない？
HDMI端子が1つしかなくても、映像出力が1つしかないとは限りません。
多くのゲーミングPCには、他の出力端子が隠れています。
1. DisplayPort（DP）
最も一般的な代替手段です。DP→HDMI変換ケーブルを使えば、HDMI入力しかないモニターにもつなげられます。
しかも、DisplayPortは帯域が広いので、144Hzなどの高リフレッシュレートモニターにも対応します。
2. USB-C（映像出力対応ポート）
最近のマザーボードやノートPCでは、USB-Cポートが映像出力に対応していることがあります。
その場合、USB-C→HDMI変換アダプタを使うことで、もう1台のモニターを簡単に追加できます。
3. マザーボード側のHDMI端子
グラフィックカードとは別に、マザーボードにもHDMI端子がある場合があります。
これはCPUに内蔵GPUがある場合にのみ使えますが、設定を変えれば2台目のモニターに出力できることも。
BIOS設定で「内蔵グラフィック有効」や「iGPU Multi-Monitor」をONにしてみましょう。
HDMIスプリッターで増やす？それとも拡張出力？
ここでよくある勘違いがあります。
「HDMIスプリッターを使えば2台モニターを増やせるんでしょ？」というものです。
残念ながら、ほとんどのスプリッターは“ミラー出力”専用。
つまり、同じ映像を2台に同時に表示するだけで、作業領域を広げる“拡張表示”はできません。
会議や展示用に同じ画面を映す目的なら便利ですが、ゲームや作業用途には不向きです。
複数モニターを「拡張」で使うための3つの方法
ではどうすればいいのか？
HDMI1ポートしかなくても拡張表示をする方法は3つあります。
方法1：DisplayPortを使う
グラフィックカードにDisplayPortがあるなら、それが最も確実で安定した方法です。
DP入力対応モニターならDPケーブルを使えばOK。
HDMI入力しかないモニターでも、DisplayPort→HDMI変換ケーブルを使えば問題ありません。
方法2：USB→HDMI変換アダプタを使う
PCのUSB3.0やUSB-Cポートに接続するだけで、HDMI出力を増やせるアダプタがあります。
これは映像信号をUSB経由で変換して出力する仕組み。ドライバを入れれば、拡張モニターとして認識されます。
ただし、映像処理がCPU依存になるため、激しいゲームには不向きです。
サブモニターでブラウザや配信ソフトを表示する程度なら問題ありません。
方法3：マルチディスプレイ対応ドックを使う
USB-C接続の「ドッキングステーション」や「マルチポートアダプタ」を使う方法です。
これらはHDMIやDisplayPortを複数備えていて、拡張表示に対応しているモデルもあります。
高性能タイプなら4K出力やデュアルモニター出力も可能です。ノートPCを据え置きで使う場合に特に便利です。
失敗しない機器選びのポイント
映像出力機器を選ぶときは、次のポイントを押さえておきましょう。
- 拡張出力対応かどうか
「ミラー表示のみ」と書かれていないか要チェック。拡張対応の記載がある製品を選びましょう。 - 解像度とリフレッシュレート
4K60Hzや144Hzなど、使用するモニターに合った規格に対応しているかを確認。 - ケーブル・アダプタの品質
安価な製品はノイズや信号劣化が起こることも。レビューやメーカー保証の有無を確認すると安心です。 - USB-Cポートの仕様
USB-Cポートを使う場合は、「DisplayPort Alt Mode対応」と明記されている必要があります。
対応していないと映像出力ができません。
ゲーミングPCで複数モニターを使うメリット
モニターを2枚以上使うことで、ゲーム環境の快適さは格段に上がります。
- ゲーム画面と配信画面を分けられる
- 攻略情報やチャットを横に表示できる
- 動画を流しながら作業できる
- 作業効率や集中力がアップする
1枚のモニターだけではどうしても窮屈になりがちですが、2枚目を追加することで世界が変わります。
それでも足りない時はグラフィックカードの拡張も視野に
もし、DisplayPortもUSB-Cもない、または性能的に不満があるなら、グラフィックカードのアップグレードを検討するのも手です。
最近のGPUはHDMI1つ＋DisplayPort3つという構成が一般的。
4Kモニターや高リフレッシュレートモニターを複数つなぎたい人には、最も確実で安定した解決策です。
よくあるトラブルとチェックポイント
複数モニターを接続しても映らない、という場合は以下を確認しましょう。
- ケーブルがしっかり奥まで刺さっているか
- モニター側の入力切替が正しいか（HDMI1／DP1など）
- ドライバが最新か（GPU・USBアダプタ両方）
- USB-Cが映像出力対応か
- OSの「設定 → システム → 画面」でモニターが検出されているか
これらを順に確認することで、ほとんどの接続トラブルは解消します。
まとめ：ゲーミングPCにHDMI端子が1つしかなくても諦めない
「HDMIが1つしかない」と聞くと不便に感じるかもしれません。
でも実際は、DisplayPortやUSB-C、変換アダプタを活用すれば、複数モニターも難しくありません。
- DisplayPortを活用する
- USB-C映像出力やドッキングステーションを使う
- サブモニター用にUSB-HDMI変換を導入する
- それでも足りなければGPUをアップグレードする
この4つを順に試せば、どんな環境でもほぼ解決できます。
ゲームも配信も作業も、画面が広がると世界が変わります。
HDMIが1つしかなくても、あなたのゲーミングPCをもっと快適なマルチモニター環境に進化させましょう。
