ゲーミングPCを買ったり組み立てたりしたときに、意外と多いのが「HDMIケーブルをどこに差せばいいの?」という疑問です。
PC背面を見てもHDMI端子がいくつもあって、どれが正解なのか迷ってしまう──そんな経験をした人も少なくないはず。
この記事では、ゲーミングPCのHDMI端子の場所と、モニターを正しく接続するための基本をわかりやすく整理します。これから初めてゲーミングPCを使う人でも、この記事を読めば「どこに差せばいいか」が一目でわかります。
ゲーミングPCのHDMI端子が「どこ」にあるのか
まず結論から言うと、ゲーミングPCのHDMIケーブルは「グラフィックスカード(GPU)」側に差すのが正解です。
PCには大きく分けて、2種類のHDMI端子があります。
- マザーボード側(CPU内蔵グラフィックス用)
- グラフィックスカード側(専用GPU出力用)
どちらも同じように見えますが、性能も役割もまったく違います。
マザーボード側のHDMI端子は「内蔵グラフィックス」用
PCの背面、USBポートやLANポートが並ぶエリアの近くにあるHDMI端子は、マザーボード側の出力です。
これはCPUにグラフィック機能(いわゆるiGPU)が内蔵されている場合に使うもので、オフィス作業や動画再生など、軽い用途向けの出力端子です。
しかし、ゲーミングPCには通常、NVIDIAやAMDの**専用グラフィックスカード(GPU)**が搭載されています。
専用GPUを使う場合、マザーボード側のHDMIを使ってしまうと、ゲームが内蔵グラフィックスで動いてしまい、本来の性能が発揮されません。
画面が映らなかったり、映っても動作が重いなどのトラブルが起こることもあります。
GPU側のHDMI端子こそ「本命」
ゲーミングPCの肝となるのが専用グラフィックスカード(GPU)。
このGPUには、ゲーム描画や高解像度出力を担う独自のHDMI端子があります。
PC背面の下部(電源ユニットの上あたり)を見てみてください。
黒や金属のスリットが並ぶ「拡張スロット」部分に、横向きのHDMI端子やDisplayPort端子が複数見えるはずです。
これがGPUの映像出力です。
GPU側には「HDMI」「DisplayPort」「DVI」など複数の端子が並ぶことが多く、基本的にここからモニターへ接続します。
この端子を使うことで、GPUのフルパワーが映像出力にも反映され、ゲームのフレームレートや描画品質を最大限に活かせます。
見分け方のコツ:どちらがGPU側かを確認する
初心者が最初につまずくのは、「マザーボードとGPUのHDMI端子が両方見える」という状況。
どっちに挿せばいいか迷ったら、次の3点で見分けてください。
- USBポートのすぐ近くにあるHDMI端子 → マザーボード側
- ケースの下寄りにある横並びの端子 → GPU側
- GPU側は端子の数が多く、横にスリット(排熱用の穴)がある
もしモニターをつないでも「信号がありません」と表示される場合、ほとんどはマザーボード側に挿しているのが原因です。
グラフィックスカード側のHDMIに差し替えれば、すぐに映ることが多いです。
HDMIで接続する前に確認しておきたいこと
HDMI端子の場所がわかったら、いざ接続──の前に、いくつかチェックしておくと安心です。
ケーブルの規格を確認しよう
HDMIには世代ごとにバージョンがあり、それぞれ通信速度や対応解像度が違います。
- HDMI 1.4:最大4K30Hzまで
- HDMI 2.0:最大4K60Hz、FHDなら144Hz対応
- HDMI 2.1:4K120Hzや8K60Hzに対応
ゲーミングモニターで高リフレッシュレート(144Hzや240Hz)を使うなら、HDMI 2.0以上のケーブルを選びましょう。
安いケーブルでは帯域が足りず、リフレッシュレートが下がったり、映像が途切れることもあります。
モニターの入力設定もチェック
モニターには複数の入力端子がついています。
HDMIケーブルをつないでも映らない場合、モニターの入力切替が「HDMI」になっていないことがよくあります。
モニターのメニューを開いて、「入力ソース」「Input Select」などの項目からHDMIを選択しましょう。
HDMI端子を使うときの注意点とトラブル対策
HDMI接続自体は簡単ですが、思わぬトラブルが起きることもあります。
代表的な症状と対処法を紹介します。
画面が映らない
- ケーブルがマザーボード側に挿さっている → GPU側に差し替える
- モニターの入力がHDMI以外になっている → 入力を変更
- ケーブルが断線している → 別のHDMIケーブルで試す
- GPUやドライバーの不具合 → 最新のドライバーに更新する
FPSが出ない・動作が重い
ゲームがカクつく、フレームレートが低いときは、GPUを使えていない可能性があります。
タスクマネージャーなどでGPUの稼働状況を確認し、もし使用率が低ければ、出力端子を再チェック。
マザーボード側のHDMIから出力していないか確認してみましょう。
音が出ない
HDMIは映像と音声を同時に送れますが、モニターにスピーカーがない場合や、PCの設定が別の出力になっていると音が出ません。
Windowsの「サウンド設定」から出力デバイスを確認し、「モニター名(HDMI)」を選択すれば解決します。
ゲーミング環境に最適なHDMIとDisplayPortの使い分け
ゲーミングPCとモニターの接続では、HDMIのほかに「DisplayPort」という選択肢もあります。
どちらを使うかは、モニターの性能と目的によって変わります。
- HDMI:テレビや家庭用ゲーム機との互換性が高い。映像・音声を一本で伝送可能。
- DisplayPort:高リフレッシュレート・高解像度に強く、マルチモニターにも向く。
最近のゲーミングモニターはどちらにも対応しています。
「HDMIしかないモニター」ならHDMIで問題ありませんが、「240Hzでプレイしたい」「4KでHDRを使いたい」といった場合は、DisplayPortの方が安定するケースもあります。
HDMIケーブルを選ぶときのポイント
HDMIケーブルはどれも同じに見えますが、品質によって映像安定性が大きく変わります。
- 長さはできるだけ短く(2m以内がおすすめ)
- ケーブルは太めでノイズ対策がされているもの
- 「Ultra High Speed HDMI」などの認証マーク付き製品を選ぶ
長すぎたり細いケーブルでは、信号が減衰して画面が一瞬消えることもあります。
特に4Kや高リフレッシュレートを使う場合は、品質を重視しましょう。
モニターが複数ある場合の接続方法
デュアルモニターやトリプルモニターを使いたいときは、GPU側の複数出力端子を活用します。
たとえば、HDMIとDisplayPortをそれぞれ別のモニターに接続する形です。
最近のGPUでは、同時に3~4枚のモニター出力に対応していることが多いので、端子の数と種類を確認しておきましょう。
もしHDMIポートが1つしかない場合は、DisplayPort→HDMI変換アダプターを使う手もありますが、変換で帯域が制限されることがある点には注意です。
HDMI接続で映らないときの最終チェックリスト
- ケーブルはGPU側のHDMIに差しているか
- モニターの入力ソースはHDMIに設定されているか
- ケーブルのバージョン・品質に問題はないか
- GPUドライバーが最新か
- BIOSで「内蔵グラフィックス」が優先になっていないか
この5項目を順に確認すれば、ほとんどのトラブルは解決できます。
ゲーミングPCのHDMI端子はどこ?最後にもう一度おさらい
ここまで読んだ方はもう大丈夫。
ゲーミングPCのHDMI端子は「どこ?」と聞かれたら、迷わず答えられるはずです。
- ゲーミングPCではグラフィックスカード側のHDMI端子を使う
- マザーボード側のHDMIはCPU内蔵グラフィックス用で、性能を発揮できない
- ケーブルのバージョン・モニターの入力設定・ドライバー更新を確認
- 高リフレッシュレートや4K出力を狙うなら、HDMI 2.0以上のケーブルを選ぶ
HDMIの位置を正しく理解しておけば、モニター接続で迷うことはもうありません。
そして、GPUの性能をしっかり引き出せば、あなたのゲーミング環境はもっと快適に進化していくはずです。
