最近のゲーミングPCは高性能で自由度も高いですが、意外と「Bluetoothがついていない」というケースがまだあります。
ワイヤレスヘッドセットやコントローラーを使いたいのに、いざ接続しようとしてもBluetooth機能が見当たらない…。そんな経験をした人も多いはず。
でも大丈夫。Bluetoothはあとから簡単に追加できます。この記事では、ゲーミングPCにBluetoothを後付けする方法と、実際におすすめできる製品をわかりやすく紹介します。
なぜゲーミングPCにBluetoothを後付けするのか
まず、「なぜBluetoothを後付けする必要があるのか」を整理しておきましょう。
自作PCやBTOパソコンでは、マザーボードにBluetooth機能が搭載されていないことがあります。コストを抑えたモデルや、拡張性を優先した構成では省略されることが多いのです。
一方で、最近のゲーミング環境はどんどんワイヤレス化しています。
例えばこんなシーンが想像できます。
- ワイヤレスヘッドセットでケーブルを気にせずゲームに集中したい
- XboxやPSのコントローラーをBluetoothで接続して使いたい
- スマホやタブレットとPCを連携させて音楽を共有したい
こうした目的を実現するためには、Bluetooth機能が欠かせません。
後付けすれば、古いPCでもすぐにワイヤレス対応できます。
後付けに使える2つの方法
Bluetoothを後付けするには、主に「USBタイプ」と「PCIe(拡張カード)タイプ」の2つの方法があります。
1. USB Bluetoothアダプタを使う
最も手軽なのがUSBタイプ。
USBポートに差し込むだけで使えるため、初心者でも簡単です。価格も1,000〜2,000円台が中心で、導入コストが低いのが魅力。
ドライバはWindows 10/11なら自動で認識されることが多く、数分でセットアップ完了。
Bluetooth 5.0以上に対応した製品を選べば、通信速度・安定性・距離ともに快適です。
メリット:
- 差すだけで使える
- 安価で導入しやすい
- デスクトップ・ノート問わず対応
注意点:
- USBポートを1つ占有する
- 2.4GHz帯の干渉を受けやすい
- アンテナが内蔵のため、通信距離が短いことがある
2. PCIeカードで内部に増設する
より安定した通信や拡張性を求めるなら、PCIeカード型を選ぶのもおすすめ。
Wi-FiとBluetoothの複合カードも多く、ゲーミングPCをワイヤレス強化できます。
マザーボードのPCIeスロットに装着し、USBヘッダにBluetoothケーブルを接続するのが一般的な手順。外部アンテナ付きなら、通信範囲や安定性が格段に向上します。
メリット:
- 高速・安定した通信
- 外部アンテナで干渉に強い
- Wi-Fi機能を同時に追加できる
注意点:
- PCケースを開ける作業が必要
- 初心者にはややハードルが高い
Bluetoothアダプタを選ぶときのポイント
後付けするなら、以下の5つのポイントを意識して選びましょう。
1. Bluetoothバージョンを確認する
できるだけ「Bluetooth 5.0」以上の製品を選びましょう。
5.0以降は通信距離が長く、省電力で安定性が高いです。最新の5.3や5.4対応モデルなら、複数デバイス接続にも強くなります。
2. 接続形式を考える
USB型は手軽、PCIe型は性能重視。
使用シーンや環境に合わせて選びましょう。ノートPCならUSB型一択、デスクトップで安定性を求めるならPCIe型が有利です。
3. ドライバと対応OS
Windows 10/11対応を確認。
古い製品や海外モデルでは、ドライバの更新が止まっていることがあります。国内メーカーならサポートも安心です。
4. 遅延・干渉対策
Bluetoothは2.4GHz帯を使うため、Wi-Fiルーターや他の無線機器と干渉する場合があります。
USB型なら延長ケーブルでPC背面から離す、PCIe型ならアンテナ位置を調整するなどの工夫が効果的です。
5. コーデック・プロファイル
ヘッドセット用途なら、低遅延コーデック(aptX Low Latencyなど)対応製品が快適。
また、複数機器接続(マルチポイント)対応モデルなら、スマホとPCを同時に繋ぐこともできます。
実際の取り付け手順
ここではUSB型とPCIe型、それぞれの導入手順を簡単に紹介します。
USB型の場合
- PCを起動し、空いているUSBポートに差す
- 自動でドライバがインストールされる(数分程度)
- Windows設定 → Bluetoothとデバイス → Bluetoothをオンにする
- 「デバイスを追加」からヘッドセットやコントローラーをペアリング
これだけで使えることがほとんどです。
PCIe型の場合
- PCの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- ケースを開け、空きPCIeスロットを確認
- カードを差し込み、付属のBluetoothケーブルをUSBヘッダへ接続
- ケースを戻し、PCを起動
- ドライバをインストールし、Bluetoothを有効化
- デバイスをペアリングして動作確認
取り付けに慣れていない場合は、作業前に静電気対策を忘れずに。
注意点とトラブル対処
Bluetoothは便利ですが、環境によってはうまく動作しないこともあります。
よくあるトラブルとその対処法をまとめました。
- 接続が不安定
→ USB延長ケーブルで位置を調整する、PCIeカードのアンテナをケース外に出す。 - デバイスが認識されない
→ 古いドライバを削除してから最新を入れ直す。 - 音が途切れる・遅延する
→ Wi-Fiチャネルを変更する、他のBluetooth機器を減らす。 - ペアリングできない
→ 機器側をリセットして再ペアリング、WindowsのBluetoothサービスを再起動する。
これらの対応で大半のトラブルは解消できます。
おすすめのBluetooth後付け製品
ここからは、実際に評価が高く導入しやすいおすすめ製品を紹介します。
TP-Link UB500(Bluetooth 5.0 USBアダプタ)
コンパクトで安定性の高い人気モデル。
小型ながら通信範囲も十分で、コスパが非常に良い。初めての後付けには最適です。
エレコム LBT-UAN06C2(Bluetooth 5.3対応)
国内メーカー製で信頼性が高い。
最新バージョン対応で、複数デバイスとの接続や省電力性能も優秀。日本語サポートも安心材料。
バッファロー BSBT54D205BK(Bluetooth 5.4対応)
Bluetooth 5.4に対応した最新モデル。
通信の安定性と接続範囲が広く、将来的にも長く使える仕様です。価格も手頃。
Intel AX210(Wi-Fi6E+Bluetooth 5.3対応カード)
PCIeスロットに挿す複合カード。
Wi-Fiも同時に高速化できるため、ゲーミングPCの総合的なワイヤレス環境をアップグレードできます。外部アンテナ付きで安定性も抜群。
これらの製品はいずれも入手しやすく、Windows 10/11との相性も良好です。
ゲーミング環境でBluetoothを使うときのコツ
ゲーム用途でBluetoothを使う場合、いくつか知っておくと便利なコツがあります。
- 遅延を避けたいなら「aptX Low Latency」や「2.4GHzドングル対応」のヘッドセットを選ぶ
- 有線マウス・キーボードは遅延が少ないため、Bluetooth化しない方が安定する
- コントローラーなどはペアリング後に「入力遅延がないか」を必ずチェック
- 長時間プレイ時は、Bluetoothデバイスのバッテリー残量にも注意
Bluetoothは万能ではありませんが、うまく組み合わせることでワイヤレスでも快適な環境を作れます。
ゲーミングPCにBluetoothを後付けする方法とおすすめ製品(まとめ)
Bluetoothを後付けすることで、ゲーミングPCの使い勝手は大きく変わります。
ケーブルに縛られず、自由にヘッドセットやコントローラーを使えるのは大きな快適さです。
導入はUSBアダプタを差すだけでも十分簡単。
通信の安定性を求めるならPCIeカードを選ぶのもありです。
どちらの方法でも、最新のBluetoothバージョンを選び、ドライバを更新しておけばトラブルは少なくなります。
お気に入りのワイヤレス機器と組み合わせて、ストレスのないゲーミング環境を整えましょう。
あなたのゲーミングPCにも、Bluetoothの自由を。
