外で音楽を聴いているとき、「ザーッ」「ヒュッ」といった風の音が気になったことはありませんか?
せっかくいい音で楽しみたいのに、風が吹くだけで台無し……。そんな経験をした方も多いはずです。
この記事では、ワイヤレスイヤホンで風切り音が発生する原因と、その対策を5つの方法で詳しく解説します。どれも今日から試せる実践的な内容なので、静かなリスニング環境を手に入れたい方はぜひ参考にしてください。
風切り音が発生するのはなぜ?
まずは、「そもそもなぜ風切り音が起こるのか」を理解しておきましょう。原因を知ることで、対策がぐっと立てやすくなります。
マイク穴に風が直接当たっている
ワイヤレスイヤホンには、ノイズキャンセリングや通話用のマイクが複数内蔵されています。
このマイク穴が風を直接受けると、マイク内部の膜が振動して「ザーッ」とした音を拾ってしまうんです。
特に、外側にマイクが露出しているタイプやステム(棒)状の形をしたモデルは、風を受けやすい傾向があります。
ノイズキャンセリング機能が風を拾う
ノイズキャンセリング機能(ANC)は、周囲の騒音を打ち消す仕組みですが、風の音を「環境ノイズ」と誤って拾ってしまうことがあります。
風が強いと、ANCが逆にノイズを増幅してしまうケースも。外音取り込みモード(アンビエントモード)でも同じことが起こりがちです。風を「外音」として認識してしまい、耳に余計に届いてしまうのです。
イヤホンの装着が甘い
イヤホンが耳にしっかりフィットしていないと、耳とイヤホンの隙間から風が入り込み、共鳴してノイズの原因になります。
また、イヤホンが少しずれているだけでもマイクの位置が変わり、風の影響を強く受けることがあります。装着感の見直しは、もっとも手軽で効果的な対策です。
強い風や向かい風などの環境条件
自転車に乗っているときや、風の強い海辺・高台などでは、風切り音が発生しやすくなります。
とくに走行中は風速が上がるため、イヤホンの構造や角度によっては常に風が当たり続ける状態になります。
風切り音を抑えるための対策5選
ここからは、風切り音を抑えるための実践的な方法を紹介します。どれも特別な道具は不要で、すぐに試せるものばかりです。
1. 設定を見直して「風ノイズ低減」モードを使う
多くのイヤホンには、風ノイズを抑える機能が用意されています。
たとえばSonyのHeadphones Connectアプリでは、“自動風ノイズ低減”モードに切り替えることで、マイクの動作を風向きに応じて制御できます。
それでも気になる場合は、思い切ってノイズキャンセリングや外音取り込み機能をオフにするのも有効です。風が強い日は、あえてシンプルなモードで使う方が快適なことも多いです。
2. イヤーチップを交換してフィット感を高める
意外と見落とされがちなのが「イヤーチップ」。
サイズが合っていないと、わずかな隙間から風が侵入しやすくなります。
耳に合ったサイズを選び、深めに装着するだけでも風切り音がぐっと減ります。
シリコンタイプで合わない人は、遮音性の高いウレタンフォーム(コンプライタイプ)もおすすめです。
また、装着角度を少し変えるだけでも改善することがあるので、試行錯誤してみましょう。
3. 風を避ける工夫をする
一番シンプルで効果的な方法は「風を当てない」こと。
屋外では、風下に立つ・建物の影を利用する・帽子やフードをかぶるだけでも、風が直接マイクに当たるのを防げます。
自転車やジョギング中に使う場合は、風向きに合わせてイヤホンの向きを少し変えるだけでも違いが出ます。
特にステム型イヤホンはマイクが下向きなので、顔の向きや首の角度を意識すると風を逃がしやすくなります。
4. 通話時はマイク位置やモードを確認する
通話中に風の音が気になる場合、マイクが風を正面から受けている可能性があります。
イヤホンを耳の角度に合わせて少し回転させ、マイク穴が風の流れから外れるようにしてみましょう。
また、メーカーによっては通話時限定の「風切り音抑制モード」を搭載しているモデルもあります。
アプリで設定を確認してオンにするか、必要に応じてスマホ本体のマイクを使うのもひとつの方法です。
5. 風切り音に強いイヤホンを選ぶ
どうしても気になる場合は、風切り音を抑える設計のイヤホンを選ぶのも効果的です。
最近では、マイク穴の位置や形状を工夫して、風を受けにくくしたモデルも登場しています。
たとえば「Wind Noise Cancelling」や「風ノイズ低減機構」をうたう製品、あるいは「AeroVoice」などの気流制御技術を採用したモデルなどです。
また、ファームウェアアップデートで風ノイズ処理が改善されるケースもあるため、使用中のイヤホンのアプリで最新バージョンに更新しておきましょう。
風切り音に強いモデルとして人気なのがJabra Elite 7 Proです。
それでも気になるときは?
風切り音は、イヤホンの構造や風の条件によって完全にゼロにはできません。
特に強風の日や、開けた場所ではどうしてもある程度のノイズが入ります。
そんなときは「無理に音楽を聴かない」という選択も大切です。
有線イヤホンやヘッドホンを使う、音量を下げて風の音を自然に受け流す、など安全を優先した使い方を心がけましょう。
風切り音が大きいからといって、ボリュームを上げすぎるのも注意が必要です。長時間の大音量は耳への負担が大きく、難聴リスクも高まります。静かな環境でじっくり音を楽しむことが、本来の音質を味わう一番の近道です。
ワイヤレスイヤホンの風切り音が気になるときのまとめ
・風切り音の原因は、マイク構造・機能設定・装着不良・風向などが複合的に関係している
・設定の見直し、イヤーチップ交換、風避け、マイク角度調整などで改善できる
・どうしても気になるなら、風ノイズ対策モデルや最新ファームウェアの活用がおすすめ
ワイヤレスイヤホンは便利で快適ですが、屋外では「風」という自然の要素ともうまく付き合う必要があります。
ちょっとした工夫で音の世界が驚くほど変わるはずです。
次に風が吹いても、「あ、静かになった」と感じられるように、ぜひ今日から試してみてください。
