「タブレットで絵を描いてみたいけど、どれを選べばいいの?」
そんな疑問を持つ人は少なくありません。最近では、スマホよりも手軽にイラストや漫画を描けるツールとして、タブレットがすっかり定番になりました。
けれど、iPadやAndroid、Windowsなど種類も多く、ペンの違いやアプリの対応など、初めて選ぶ人には迷いやすいポイントがたくさんあります。
この記事では、実際にイラスト制作で使われている人気モデルやアプリをもとに、「描きやすさ」「コスパ」「使い勝手」の3つの観点から徹底比較していきます。
タブレットで絵を描く魅力と選び方の基本
直感的に描けるのが最大のメリット
タブレットの魅力は、何よりも“思い立ったらすぐ描ける”手軽さです。
PCを立ち上げなくても電源を入れるだけでキャンバスが開け、外でもベッドの上でもスケッチが可能。紙に近い感覚で描けることから、初心者だけでなくプロのアーティストにも愛用されています。
タブレットを選ぶときのポイント
お絵描き用に選ぶなら、チェックしておきたいのは次の5つ。
- ペンの性能(筆圧感知・傾き検知・遅延の少なさ)
- 画面サイズと解像度(細部まで描くなら大画面が有利)
- OSと対応アプリ(iPadOS・Android・Windowsで使えるアプリが違う)
- 処理性能(CPU・メモリ)
- ペンの同梱有無(Apple Pencil(第1世代)のように別売りのものも)
イラストを本格的に描くなら、メモリは6GB以上あると快適。複数レイヤーを使うと動作が重くなりやすいので、スペックには余裕を持たせたいところです。
iPadシリーズは絵描き定番の王道モデル
iPad Pro:プロ仕様の性能と描き味
最上位のiPad Proは、まさに“持ち運べる液タブ”。
Apple Pencil Proに対応し、筆圧や傾き、さらには振動フィードバックまで感じ取れる自然な描き心地が特徴です。
ProcreateやCLIP STUDIO PAINTといった定番アプリも快適に動作し、4K対応の高精細ディスプレイで色の再現性も抜群。プロイラストレーターからの支持も厚いモデルです。
iPad Air・無印iPad(第10世代):コスパと性能のバランスが絶妙
中価格帯のiPad AirやiPad(第10世代)は、描く楽しさを十分に味わえるバランス型。
Apple Pencil(第1世代)またはApple Pencil(第2世代)に対応しており、描画遅延もほぼ感じません。
趣味から副業レベルまで対応できる性能があり、「まずは始めてみたい」という人にもおすすめです。
iPadを選ぶ際の注意点
iPadはモデルごとに対応ペンが違うため、購入前に必ず確認を。
特に2025年以降の新モデルでは「Pencil Pro対応」かどうかが分かれ道になります。
Galaxy TabシリーズはSペン標準搭載でコスパが強い
Galaxy Tab S11 / Galaxy Tab S11 Ultra:Android最強クラス
Android派の人には、Galaxy Tab S11シリーズが人気。
最新のGalaxy Tab S11やGalaxy Tab S11 UltraはSペンが標準付属で、書き味も非常に滑らか。
120Hzの有機ELディスプレイによる発色の良さ、そして低遅延の描画反応が魅力です。
価格面でもiPad Proより抑えめで、性能とコスパのバランスが取れています。
Sペンの強み
Sペンは充電不要で、筆圧・傾き検知にも対応。
消しゴム機能なども物理ボタンで切り替えられるため、描いていてストレスがありません。
標準で付属しているため、追加コストがかからないのも嬉しいポイント。
Androidタブレットの弱点
iPadに比べると、対応アプリの数や最適化の進み具合ではやや劣ります。
ただしCLIP STUDIO PAINT、ibis Paint、MediBang Paintなど主要アプリはすべて対応しており、実用面で困ることはほとんどありません。
Windowsタブレットで描くという選択
仕事と創作を一台でこなしたい人に
Surface ProなどのWindowsタブレットは、フルPCとしての性能を持ちながらペンで直接描けるのが強み。
PhotoshopやIllustrator、CLIP STUDIO PAINTのPC版がそのまま動作します。
ただし、起動やバッテリー消費の面ではモバイル性がやや劣り、純粋に“タブレットだけで描きたい”人には少し重い印象です。
おすすめの人気お絵描きアプリ
Procreate(iPad専用)
iPadを買う理由の一つと言っていいほど人気。
直感的な操作性と軽快な動作が特徴で、筆圧・ぼかし・混色などがリアルに再現されます。
アニメーション機能やタイムラプス録画もあり、SNS投稿との相性も抜群。
CLIP STUDIO PAINT(iPad / Android / Windows)
イラストだけでなく漫画制作にも強い総合ソフト。
レイヤー管理、トーン、ベクター線など、PCソフトに匹敵する機能を備えています。
定額制プランでどのOSでもデータ共有できるのが魅力。
ibis Paint / MediBang Paint
無料で始められる定番アプリ。
軽快な動作と豊富なブラシ、レイヤー機能で、初心者の練習用にも最適です。
クラウド連携があるのでスマホとの行き来もスムーズ。
Adobe Fresco
本格的な水彩や油彩の質感を再現できるアプリ。
Adobe Creative Cloudと連携し、Photoshopとのデータ共有も簡単です。
リアルな筆感を求める人には特におすすめ。
液晶ペンタブとの違いを理解しておこう
液晶ペンタブ(液タブ)はPCと接続して使うタイプで、画面に直接描けるもの。
ペンの追従性や精度は非常に高く、プロの制作環境でも使われています。
ただし、持ち運びがしづらく、設置スペースも必要。
一方タブレットは、スタンドアローンで動くのが大きな利点。
ベッドやカフェなど場所を選ばずに描ける自由度があり、クリエイティブな発想をすぐ形にできる環境です。
「趣味として描きたい」「旅先でもスケッチしたい」なら、タブレットが断然おすすめです。
初心者におすすめの組み合わせ
- iPad Air × Apple Pencil(第2世代) × Procreate
描き心地・性能・アプリのバランスが最強。はじめてでも快適。 - Galaxy Tab S11 × Sペン × CLIP STUDIO PAINT
Android派ならこの組み合わせ。プロ仕様の機能を手頃に使える。 - Surface Pro × Surface Pen × Photoshop
本格的な制作環境をモバイルで実現。仕事と創作を一台で完結させたい人向け。
タブレットで絵を描くならどれ?ペン対応モデルと人気アプリを徹底比較
「タブレットで絵を描くならどれがいいか?」という問いに対して、答えは“自分がどんなスタイルで描きたいか”によって変わります。
- いつでもどこでも描きたいなら「iPadシリーズ」
- ペンを含めたコスパを重視するなら「Galaxy Tab」
- 仕事と両立したいなら「Surface Pro」
どのモデルも、筆圧感知やアプリ連携の進化で紙に近い描き心地を実現しています。
あとは、自分の感性に合ったデバイスを見つけるだけ。
タブレットで描く世界は、思っている以上に自由です。
ペンを走らせた瞬間から、アイデアが形になっていくあの感覚を、ぜひ体験してみてください。
