タブレットの動作が重くなったり、電源を入れてもロゴのまま止まったりした経験はありませんか？
そんなときに役立つのが「リカバリーモード」です。今回は、AndroidタブレットやiPadをリカバリーモードにする方法と、操作時に気をつけるべき注意点を、初心者でも理解しやすい形で解説します。
リカバリーモードとは？何のために使うのか
まず、リカバリーモードとは「タブレットの内部を修復・初期化するための特別な起動モード」です。
普段の画面からは開けない、いわば“メンテナンス用の裏メニュー”のようなもの。
主に次のようなときに使います。
- タブレットが起動しない
- 再起動を繰り返す（ブートループ）
- システムが不安定、動作が極端に遅い
- 設定をリセットしたい
- OSを手動でアップデートしたい
AndroidとiPadではリカバリーモードの仕組みが異なりますが、目的は共通です。「正常に起動できないタブレットを復旧させる」ことが最大の目的です。
Androidタブレットをリカバリーモードにする方法
Android端末はメーカーやモデルによって操作が微妙に違いますが、基本の流れは同じです。ここでは代表的な手順を紹介します。
1. 電源を完全にオフにする
まず、タブレットの電源を切ります。電源が切れない場合は、10秒以上長押しして強制的にオフにしましょう。
2. 特定のボタンを押しながら起動する
電源が切れた状態で、以下のボタンを同時に押し続けます。
- 多くの機種：電源ボタン + 音量アップボタン
- 一部機種（Huawei、OPPOなど）：電源 + 音量ダウン
- Samsung Galaxyシリーズ：電源 + 音量アップ + ホームボタン（またはBixbyボタン）
メーカーによって違うため、うまくいかない場合は機種名と「リカバリーモード」で検索して確認しましょう。
3. ロゴ表示後、ボタンを離す
メーカーのロゴが表示されたらボタンを離します。数秒後、「Androidリカバリーモード」や英語のメニューが表示されれば成功です。
4. 音量ボタンで移動、電源ボタンで決定
画面がタッチ操作に対応していない場合が多いため、音量ボタンで項目を上下に移動し、電源ボタンで選択します。
Androidのリカバリーモードでできること
リカバリーモードに入ると、いくつかのメニューが表示されます。主な項目を簡単に説明します。
- Reboot system now：通常起動に戻る
- Wipe data/factory reset：工場出荷時の状態に初期化する
- Wipe cache partition：一時データを削除し動作を改善する
- Apply update from ADB / SD card：手動でシステム更新を適用
特に「Wipe data/factory reset」を選ぶと、アプリ・写真・連絡先などすべてのデータが消えます。操作前にバックアップを取っておくことが絶対条件です。
iPadをリカバリーモードにする方法
Appleのタブレットにも同様に「リカバリーモード」があります。ただし、Androidのように端末単体で操作するのではなく、MacまたはWindowsパソコンに接続して実行します。
手順（ホームボタンありモデル）
- iPadをパソコンにUSBで接続する
- **ホームボタン + トップボタン（電源ボタン）**を同時に長押し
- リカバリーモードの画面が出るまで押し続ける
手順（ホームボタンなしモデル）
- パソコンに接続
- 音量アップ → 音量ダウンの順で押す
- 続いて電源ボタンを長押しし、リカバリーモードが出るまで待つ
画面に「ケーブルとパソコンのアイコン」が表示されれば成功です。パソコンのFinder（またはiTunes）上で「アップデート」または「復元」を選べます。
リカバリーモードを使う前に知っておく注意点
リカバリーモードは便利な機能ですが、扱い方を誤ると取り返しのつかない事態を招くこともあります。実行前に以下のポイントを確認してください。
1. バックアップは必須
「リセット」や「復元」を行うと、タブレット内のデータはすべて消えます。
写真、アプリ、メモ、LINEの履歴などは元に戻せません。
AndroidならGoogleドライブやSDカードに、iPadならiCloudまたはiTunesにバックアップを取りましょう。
2. バッテリー残量に注意
操作中に電源が切れると、システムが破損して起動しなくなる危険があります。リカバリーモードに入る前に、50％以上の充電または電源ケーブルを接続した状態で行いましょう。
3. 正しいボタン操作を確認
機種ごとにボタンの組み合わせが異なるため、間違えると単なる再起動になることがあります。メーカー公式サイトの情報を確認してから実行するのがおすすめです。
4. ハードウェア故障には効果なし
リカバリーモードはソフトウェアの修復機能です。バッテリーや基板、ボタンの物理的な故障が原因の場合は、修理が必要です。
トラブル発生時の対処法
「リカバリーモードに入れない」「途中で止まってしまう」などのトラブルが起きたときは、慌てず以下を試してみてください。
- 電源ボタンを長押しして強制再起動
- ケーブルや電源を一度抜き差しして再度試す
- ボタンを押す順番やタイミングを変えてみる
- パソコンのFinder / iTunesを最新版に更新する（iPadの場合）
どうしても改善しない場合は、メーカーのサポート窓口や修理サービスへの相談が安全です。
リカバリーモード解除の方法
リカバリーモードを解除したい場合、次の方法で通常起動に戻せます。
それでもループから抜け出せない場合は、内部システムの破損が考えられます。その場合は修復ソフトの利用や公式サポートへの依頼を検討しましょう。
データ保護とバックアップの習慣をつけよう
リカバリーモードを使う機会はそう多くありません。しかし、もしものときに備えて日常的なバックアップを習慣にしておくことが、最も確実な「予防策」です。
いざという時、バックアップがあるかないかで復旧のスピードも安心感もまったく違います。
まとめ：タブレットをリカバリーモードにする方法と注意点をわかりやすく解説
リカバリーモードは、タブレットが動かなくなった時の“最後の切り札”です。
手順を理解しておけば、焦らず冷静に対処できます。
ただし、操作を誤ると大切なデータを失うリスクもあります。
そのため、バックアップを取ってから慎重に操作することが何より大切です。
トラブルが起きた時こそ、落ち着いて基本に立ち返りましょう。
あなたのタブレットも、きっと再び快適に動き出すはずです。
