最近のタブレットは、性能が飛躍的に進化しています。その中心にあるのが「CPU(SoC)」です。どんなにデザインやディスプレイが良くても、CPUの性能が低ければ処理が重く感じたり、アプリの動作がもたつくこともあります。
この記事では、主要なタブレット用CPUを一覧で解説しながら、世代ごとの違いや選び方のポイントを分かりやすく紹介します。
タブレットのCPUとは?性能を決める“頭脳”の仕組み
タブレットのCPUは、人間でいえば「頭脳」にあたる部分です。
ただし、スマートフォンやノートパソコンと同じように、今のタブレットのCPUは単なる“演算装置”ではありません。CPUコアに加えて、GPU(グラフィック処理)、NPU(AI処理)、通信モデムなどが一体化した「SoC(System on a Chip)」として設計されています。
このSoCが進化することで、アプリの立ち上がり速度、動画の再生、ゲームの快適さ、さらにはバッテリーの持ちまでもが変わってくるのです。
現行タブレットで主流のCPUブランド
Apple Mシリーズ:最強クラスの性能を誇るApple独自チップ
AppleのiPad Proシリーズに搭載される「Mシリーズ」は、パソコン並みの性能を持つSoCです。
M1、M2、M3、M4、そして最新のM5へと進化しており、世代が上がるごとにCPU・GPU・NPUのすべてが強化されています。
M1はすでに多くのユーザーから「十分速い」と評価されていますが、M5ではグラフィック性能が約1.4倍向上。動画編集や3D制作、AI生成などの処理も難なくこなせるレベルです。
特にiPad Proシリーズでは、Mシリーズの力を存分に発揮でき、もはやノートPCの代わりとして使う人も少なくありません。
Snapdragonシリーズ:Androidタブレットの王道
Androidタブレットでは、Qualcomm(クアルコム)の「Snapdragon(スナップドラゴン)」シリーズが定番です。
上位モデルの「Snapdragon 8 Gen 3」は、最新のARMアーキテクチャを採用し、高性能CPUコアと高効率コアを組み合わせることで、処理速度と省電力性を両立しています。
中でも8 Gen 3は、マルチタスクや高負荷ゲームにも対応できる性能を誇り、Androidタブレットのハイエンドモデル(Galaxy Tab S9など)に採用されています。
一方で、コストを抑えたい人にはSnapdragon 7シリーズや6シリーズといったミドルクラスの選択肢もあります。普段使いならこのクラスでも十分です。
MediaTek Dimensityシリーズ:コスパ重視の実力派
MediaTek(メディアテック)の「Dimensity(ディメンシティ)」シリーズも近年存在感を増しています。
特にDimensity 9000系はSnapdragon 8シリーズに匹敵する性能を持ちつつ、価格を抑えた端末が多いのが魅力です。
AI処理性能にも優れ、省電力設計が光ります。コスパを重視するユーザーには非常にバランスの取れた選択肢といえるでしょう。
Samsung Exynosシリーズ:Galaxy純正チップの進化
Samsung製タブレットでは「Exynos(エクシノス)」が採用されることがあります。
以前は発熱や効率面でやや課題がありましたが、近年は改良が進み、動画視聴やSNSなどのライト用途には十分な性能を発揮します。
一方、ゲーミングやクリエイティブ作業を重視する場合は、Snapdragon搭載モデルのほうが安定して高性能です。
世代ごとの性能差と進化ポイント
CPUの進化は「数字の大きさ」だけでなく、内部のアーキテクチャでも大きく変わります。
Apple Mシリーズでいえば、M1 → M2 → M3 → M4 → M5と進化するごとに、以下のような改善が見られます。
- 処理速度(クロック数)の向上
- GPUコア数の増加
- NPU(AI処理ユニット)の強化
- メモリ帯域幅の拡大
- 発熱と消費電力の抑制
Android陣営でも同様で、Snapdragon 8 Gen 1 → Gen 2 → Gen 3と進化する中で、電力効率やAI処理性能が格段に向上しました。
同じシリーズ名でも世代が違えば性能差は非常に大きく、購入前には「世代番号」に注目することが大切です。
タブレットのCPU性能を判断する指標
CPUの実際の処理能力を数値で比較する際に参考になるのが「ベンチマークスコア」です。
代表的なものとして以下の2つがあります。
- Geekbench:CPUのシングルコア・マルチコア性能を測定。日常的なアプリ動作の速さを判断するのに適しています。
- AnTuTu:総合スコアとして、CPU・GPU・メモリ・ストレージ性能を含めた全体評価を数値化。ゲームやグラフィック性能を知るのに便利です。
AppleのMシリーズはこれらのランキングで上位を独占しており、Android勢ではSnapdragon 8 Gen 3やDimensity 9300などが高スコアを記録しています。
用途別おすすめCPUの選び方
1. 日常使い・学習用ならミドルレンジで十分
ネット閲覧、動画視聴、SNS、学習アプリなどが中心なら、Snapdragon 7シリーズやDimensity 800シリーズでも快適です。
iPadなら無印iPadやiPad Air(M1/M2)あたりがコストと性能のバランスに優れています。
2. ゲーム・映像制作ならハイエンドCPUを選ぶ
3Dゲームや動画編集などの負荷が高い作業を行うなら、M3以上のiPad Pro、Snapdragon 8 Gen 2/Gen 3搭載のAndroidタブレットが最適です。
GPU性能が高いほど描画が滑らかになり、フレームレートの安定性も増します。
3. 省電力と持ち運び重視なら最新世代を
最新のSoCほど省電力性能が高く、同じ容量のバッテリーでも長持ちします。
また、3nmや5nmといった微細プロセスで作られているチップは、発熱が少なく長時間の使用にも向いています。
CPU選びで見落としがちなポイント
CPU性能だけでなく、メモリ容量(RAM)やストレージの速度も体感に大きく影響します。
いくら高性能なCPUでも、RAMが少なければアプリの切り替えでカクつくことがあります。
また、端末の放熱設計も重要です。高性能チップを積んでも、熱がこもると自動でクロックを下げて性能を落とす「サーマルスロットリング」が発生することがあります。
つまり「CPU単体の性能」よりも、「端末全体のバランス」が重要というわけです。
これからのタブレットCPU動向
今後のCPUトレンドとして注目されるのが「AI処理性能(NPU)」の進化です。
写真の自動補正、リアルタイム翻訳、生成AIなど、タブレット内でAIを活用する機会が増えるにつれ、NPUの強化は避けられません。
AppleのM5やSnapdragon X Eliteなどはすでに高性能なNPUを搭載しており、AI処理を端末内で完結させる「オンデバイスAI」時代が始まっています。
タブレットCPU一覧まとめ!性能・世代別の違いと選び方を詳しく紹介
タブレット選びでCPUを意識することは、もはや必須といっていいでしょう。
AppleのMシリーズは圧倒的な処理能力を誇り、クリエイティブ用途に最適。
SnapdragonやDimensityシリーズはAndroidタブレットの多様なニーズに応える柔軟さがあります。
世代やシリーズごとの特徴を理解すれば、価格や用途に合わせた“最適な1台”を見つけやすくなるはずです。
CPUはタブレットの心臓。性能・世代別の違いを知って、自分にぴったりの相棒を選びましょう。
