タブレットを選ぶとき、「どの機種が速いのか」「動画編集やゲームに向いているのはどれか」など、迷う人は多いですよね。その判断のカギを握るのが「CPU性能」です。
同じ価格帯でもCPUによって体感速度が大きく違い、用途に合わないチップを選ぶと「重い」「反応が遅い」と感じてしまうこともあります。
今回は、最新CPUの特徴や性能の見方、そして処理速度で選ぶおすすめタブレットを5つ紹介します。
タブレットのCPUとは?性能を決める「頭脳」
CPUは「Central Processing Unit(中央処理装置)」の略。タブレットにおける頭脳の部分で、アプリの起動や操作レスポンス、ゲームや動画編集の滑らかさなどを左右します。
最近のタブレットでは、CPU単体ではなく「SoC(System on a Chip)」として設計されています。SoCにはCPUのほか、GPU(グラフィック処理)、AIチップ、通信モデムなども含まれており、総合的な性能を決める重要な要素です。
CPU性能を比較するときに注目すべきポイントは以下の3つです。
- コア数:タスクを同時に処理する能力。多いほどマルチタスクに強い。
- クロック周波数(GHz):1秒間にどれだけ命令を処理できるかの目安。高いほど速い。
- アーキテクチャ:CPU設計の世代。新しいほど高効率で省電力な傾向。
近年では、「高性能コア」と「省電力コア」を組み合わせるbig.LITTLE構成が主流。負荷に応じて最適なコアを使い分けることで、パフォーマンスとバッテリー持ちのバランスを取っています。
ベンチマークスコアで見るCPU性能の違い
CPU性能を数値で比較する際に使われるのが「ベンチマークスコア」です。
特に有名なのがAnTuTuとGeekbench。
- AnTuTu:CPU、GPU、メモリ、UXなどを総合評価。体感性能に近い指標。
- Geekbench:CPUの純粋な処理能力をシングルコア/マルチコアで測定。
たとえば、Appleの最新「M5」チップを搭載したiPad ProはAnTuTuで約370万点以上という圧倒的な数値を記録。一方でAndroid陣営のトップクラス「Snapdragon 8 Gen3」や「Dimensity 9400+」も280〜400万点台と、ノートPCに匹敵するパワーを持っています。
数字だけ見るとピンとこないかもしれませんが、ざっくり分けると次のようなイメージです。
- 50万点〜:動画視聴・SNS・読書などのライト用途向け
- 100万点〜:ゲームやマルチタスクでも快適
- 200万点以上:動画編集・3D制作などプロ用途も可能
このスコアを目安に、自分の使い方に合ったCPUを選ぶと失敗しにくいです。
主要CPUの特徴を押さえよう
Apple Mシリーズ(M2〜M5)
Apple独自設計のMシリーズは、性能と効率のバランスが抜群。M5チップは10コア構成で、動画編集やイラスト制作などクリエイティブ作業にも十分。macOSクラスの処理をiPadで実現しています。
特に「iPad Pro M5」は、4K動画のレンダリングや3Dアプリでも快適。省電力性も高く、長時間駆動できる点が魅力です。
Qualcomm Snapdragon 8 Gen3/8 Elite Gen5
Androidタブレットの王道チップ。ゲーム性能と通信安定性が高く、ハイエンドモデルでは標準的な選択肢。
特に「Snapdragon 8 Gen3」は発熱が抑えられ、長時間のゲームでもパフォーマンスが落ちにくいのが特徴。マルチタスクにも強く、動作の滑らかさではトップクラスです。
MediaTek Dimensity 9400+
近年急成長しているMediaTekの最新チップ。AI処理やGPU性能が向上し、ハイエンドAndroidタブレットでも採用が増えています。
発熱管理に優れ、電池持ちも良好。Snapdragonと比べて価格が抑えられている点も魅力です。
処理速度で選ぶ!おすすめタブレット5選(2025年版)
ここからは、実際にCPU性能・コスト・使い勝手のバランスが優れた5モデルを紹介します。
1. iPad Pro(M5搭載)
Appleの最新M5チップを搭載したフラッグシップ。
CPU・GPUともに高水準で、動画編集・3D制作・イラスト・音楽制作など、プロユースにも十分対応。高リフレッシュレートのLiquid Retina XDRディスプレイも相まって、動作は極めて滑らかです。
価格は高めですが、性能と長期サポートを考えればコスパは悪くありません。
2. Galaxy Tab S11 Ultra(Snapdragon 8 Elite Gen5)
Samsungの最新ハイエンドタブレット。
Snapdragon 8 Elite Gen5搭載で処理速度は非常に速く、AnTuTuスコアは約400万点近く。マルチタスクやゲーム性能に優れ、Sペン対応でクリエイティブ用途にもぴったり。
大型有機ELディスプレイによる映像美も魅力です。
3. Lenovo Legion Pad Y700 Gen4(Snapdragon 8 Gen3)
ゲーミング用途に特化したコスパ最強タブレット。
Snapdragon 8 Gen3を搭載し、発熱を抑える冷却機構を備えています。
高リフレッシュレート液晶と立体音響スピーカーにより、ゲーム体験は圧倒的。価格を抑えつつハイエンドCPUを体感したい人におすすめです。
4. Xiaomi Pad 7 Pro(Dimensity 9400+)
ハイコスパモデルの代表格。
Dimensity 9400+チップ搭載で、AI処理や動画再生がスムーズ。軽量設計ながらパフォーマンスが高く、普段使いからゲームまで万能です。
価格と性能のバランスを重視するなら、間違いなく候補に入ります。
5. iPad Air(M2搭載)
M2チップは旧世代ながら、今でも十分ハイパフォーマンス。
M5より手ごろな価格で、動画編集やイラストも快適にこなせます。軽くて持ち運びやすく、学生やビジネスユーザーにも人気。
「プロモデルまではいらないけど速いiPadが欲しい」人に最適です。
CPU性能だけでなく「使い方との相性」も大事
CPU性能が高いほど動作は速くなりますが、全員が最上位チップを必要とするわけではありません。
たとえば、YouTube視聴や読書中心なら中価格帯のタブレットで十分。
一方、動画編集やイラスト制作などクリエイティブ作業を想定するなら、高性能CPUが快適さを大きく左右します。
また、CPUだけでなく以下の要素もチェックしておきましょう。
- メモリ(RAM)容量:8GB以上が理想。
- ストレージ速度:UFS 3.1以上だとアプリ起動が速い。
- 放熱設計:発熱が少ないほど安定した性能を維持できる。
つまり、CPU性能はあくまで全体の一部。タブレット選びでは、使う目的とのバランスを取ることがポイントです。
まとめ:タブレットのCPU性能を徹底解説!処理速度で選ぶおすすめモデル5選
タブレットのCPU性能は、使い心地に直結する大切な要素です。
AppleのMシリーズは圧倒的な処理性能を誇り、プロユースにも対応。
AndroidではSnapdragon 8系やDimensityシリーズが進化を遂げ、価格帯ごとに豊富な選択肢があります。
「とにかく速くて長く使える1台」を求めるならiPad Pro(M5)がおすすめ。
「高性能をリーズナブルに体験したい」なら、Xiaomi Pad 7 ProやLenovo Legion Pad Y700 Gen4も狙い目です。
タブレット選びに迷ったときは、まずCPU性能を軸に検討してみてください。
あなたの使い方にぴったりのタブレットが、きっと見つかるはずです。
