イラストを描く人にとって、タブレットはまさに“相棒”のような存在です。
紙に描くような自然な感覚を求める人もいれば、デジタルならではの効率や機能を活かしたい人もいる。
けれど、「どれを選べばいいの？」と迷ってしまうのも当然ですよね。
この記事では、初心者からプロのクリエイターまで満足できる“イラスト向けタブレット”を10機種紹介します。
それぞれの特徴や選び方のポイントもあわせてまとめたので、自分に合った1台を見つける参考にしてみてください。
イラスト制作に使うタブレットの種類を知ろう
イラスト用タブレットは大きく3つのタイプに分かれます。
どのタイプが自分に合うかを最初に把握しておくのが大切です。
スタンドアロン型（iPadやAndroidタブレット）
いわゆる“タブレット単体で描ける”タイプ。
パソコンがなくてもアプリを入れるだけで、すぐに絵を描けます。
代表的なのはiPadシリーズやGalaxy Tabなど。
外出先でも描ける自由さと、液晶に直接ペンを走らせる感覚が魅力です。
液晶ペンタブレット（液タブ）
パソコンに接続して使うタイプで、画面に直接描けます。
イラストレーターやマンガ家が愛用しているのがこのタイプ。
CLIP STUDIO PAINTやPhotoshopなど、制作ソフトをフルに活用したい人におすすめです。
ペンタブレット（板タブ）
画面のないタイプで、手元の板に描くとPCモニターに線が映る仕組み。
価格が安く、入門用に最適。
最初は慣れが必要ですが、手軽にデジタルデビューしたい人に向いています。
タブレット選びのポイント
どんなに人気のモデルでも、自分の用途に合わなければ使いづらく感じてしまいます。
ここでは、購入前に確認しておきたい基本のチェックポイントを紹介します。
筆圧レベルとペン性能
描き心地を左右するのが筆圧レベル。
現在は8192段階が主流で、筆圧検知が高いほど繊細な線が描けます。
傾き検知機能があると、ペンの角度で線の表現が広がります。
画面サイズと解像度
イラスト制作では10〜13インチ前後が人気。
キャンバスが広く、細部まで見やすいのが利点です。
さらに解像度が高いほど線が滑らかに表示され、色も正確に再現されます。
リフレッシュレート
ペン先と線のズレを減らすには、90Hz以上のリフレッシュレートがおすすめ。
線が追いつかないストレスを感じにくく、描いていて気持ちがいいです。
メモリと処理性能
iPadやAndroidタブレットの場合、6GB以上のメモリが目安。
複数レイヤーを扱うような重いデータを扱うときも安定して動作します。
初心者におすすめのタブレット
初めての1台は、扱いやすくて価格も手ごろなものを選びたいところ。
ここでは入門者に人気のモデルを紹介します。
Wacom Intuos Pro Large
ペンタブの定番ブランドWacom。
筆圧8192段階に対応し、プロ仕様の繊細な描写が可能です。
ショートカットキーも充実していて、操作性も抜群。
長く使える1台として根強い人気があります。
Huion Kamvas Pro 13
コンパクトな液晶タブレットながら、描き心地は本格派。
視差が少なく、自然な線を引けます。
CLIP STUDIO PAINTやPhotoshopとも相性が良く、コスパの高い選択肢です。
Artisul 液晶ペンタブレット
価格を抑えつつも、しっかりとした描画性能を備えたモデル。
初めて液晶タブを使う人にぴったり。
フルラミネーションで反応もスムーズです。
中級者・経験者におすすめのモデル
慣れてくると、表現の幅を広げられるタブレットが欲しくなります。
制作効率を上げたい人には、以下のようなモデルが最適です。
XP-PEN Artist Ultra 16
広い描画エリアが魅力の16インチモデル。
解像度も高く、色の再現性も優れています。
細部の作業や背景描写を行う中〜上級者に人気。
XP-PEN Magic Drawing Pad 2025
最新のAndroid搭載スタンドアロン型。
筆圧16384レベルという高精度のペン性能で、まるで紙に描くような感覚。
PCなしでどこでも制作できる自由さが魅力です。
Wacom MovinkPad 11
Wacomの描き心地をそのままモバイルで。
スタンドアロンで動作するので、出先でも本格的に描けます。
仕事でもプライベートでも使いたいクリエイターにおすすめです。
プロのクリエイターが選ぶ定番モデル
制作ツールをフルに活用したい人、商業イラストを描く人はここをチェック。
Apple iPad Pro 12.9インチ 第6世代
iPad ProとApple Pencilの組み合わせは、多くのプロが愛用しています。
高解像度のLiquid Retina XDRディスプレイは色の再現性が抜群。
ProcreateやAdobe Frescoなどの人気アプリにも対応し、滑らかな描き心地は群を抜きます。
Samsung Galaxy Tab S11 Ultra
Sペン対応で筆圧検知も高精度。
Androidアプリでの制作に強く、Samsung NotesやClip Studioなどの連携もスムーズ。
iPad以外の選択肢を探している人にぴったりです。
快適な描き心地を生むアクセサリ
タブレットそのものだけでなく、周辺アイテムを揃えると作業がぐっと快適になります。
- ペーパーライクフィルム
表面に紙のような摩擦感を加え、ペンが滑りすぎるのを防ぎます。
特にiPadユーザーには定番のアイテム。 - ペンスタンド・替え芯
長く使うほどペン先は摩耗します。
替え芯を常備しておくと、いつでも快適に描けます。 - スタンドやケース
姿勢を保ちやすくし、目や手の疲れを軽減。
出先での作業にも役立ちます。
イラスト制作に使えるおすすめアプリ
ハードだけでなく、ソフトの選び方も大事です。
人気のアプリをいくつか紹介します。
- CLIP STUDIO PAINT
イラスト・漫画・アニメ制作の定番。多機能でプロも愛用。
Windows・Mac・iPad・Android対応。 - Procreate（iPad専用）
直感的な操作と軽快な動作で人気。
スケッチやカラーラフなど、感覚的な制作にぴったり。 - Adobe Fresco
水彩や油彩の表現に強く、Adobe Creative Cloudとの連携もスムーズ。
まとめ：自分に合ったイラスト向けタブレットを選ぼう
イラスト向けタブレットのおすすめ10選を紹介しましたが、重要なのは「自分がどこで、どう描きたいか」です。
PCでじっくり描きたいなら液晶ペンタブ、手軽に始めたいならiPadやAndroidタブレット。
持ち運びやすさ、描き心地、価格のバランスを見ながら選んでみてください。
デジタルイラストの世界は、道具次第で驚くほど広がります。
あなたの感性を最大限に活かせる“相棒”を見つけて、思い通りの作品を生み出していきましょう。
