ランナーなら一度は気になる「Apple Watch」と「ガーミン」の違い。
どちらも人気の高いスマートウォッチですが、「ランニングに本当に向いているのはどっち？」と迷う人は多いはずです。
この記事では、実際に両者を比較しながら、それぞれの強み・弱みをランナー目線でわかりやすく解説します。
なぜApple Watchとガーミンが比較されるのか
この2つがよく比較される理由は、「スマートウォッチ」と「ランニングウォッチ」という設計思想の違いにあります。
Apple Watchは、iPhoneと連携しながら日常生活をより便利にすることを目的に作られています。一方でガーミンは、ランナーやトライアスリートなど“運動のプロ”に向けたデバイスとして発展してきました。
つまり、Apple Watchは「生活をスマートに」、ガーミンは「トレーニングを科学的に」サポートする立ち位置。
同じ“時計型デバイス”でも、得意分野が大きく異なるんです。
Apple Watchの強み：日常と運動のバランスが抜群
Apple Watchの魅力は、やはり日常使いの快適さにあります。
iPhoneユーザーなら、着けた瞬間から通知、通話、音楽、Apple Payなど、すべての機能が手首で完結します。
さらに、ランニング機能も年々強化されています。
GPS計測、ペース・距離・心拍数のトラッキング、ワークアウトアプリとの連携など、一般的なランナーが必要とする機能はすでに標準搭載。
日常的に「健康維持のために走る」「趣味で月に数回走る」という層には、これで十分すぎるほどです。
また、手軽にワークアウトを始められる点もApple Watchの魅力。
操作が直感的で、トレーニングデータもiPhoneの「ヘルスケア」アプリに自動で記録されます。難しい設定や分析をしなくても、毎日の運動量がひと目でわかるのは大きなメリットです。
Apple Watchの弱点：本格ランナーには物足りない場面も
一方で、本格的なランナーにとっては不満もあります。
まず挙げられるのがバッテリーの短さ。
GPSを使いながら走ると、4〜6時間ほどで電池が切れてしまうモデルもあり、フルマラソンでは心配になる人も。
また、Apple Watchはタッチ操作が基本なので、汗や雨で画面が反応しにくくなるケースもあります。ランニング中に操作したい場面では、ボタン操作ができるガーミンの方が快適です。
そして、データ分析の深さにも差があります。
Apple Watchでは基本的なペースや心拍は見られますが、フォーム分析やVO₂MAX（最大酸素摂取量）など、トレーニングを“数値で管理”したいランナーには物足りないのが実情です。
ガーミンの強み：データの正確さと分析力が圧倒的
ガーミンの最大の魅力は、やはりランニングデータの精度と深さです。
ペースや距離、心拍数に加えて、ランニングダイナミクス（ピッチ、上下動、接地時間など）、トレーニング負荷、リカバリータイム、VO₂MAX、レース予想タイムなど、まさに“プロ仕様”の情報が手に入ります。
さらにGPSの精度も非常に高く、街中や山道でも安定して測位可能。
Apple Watchと違って、ボタン操作でスタートや停止を確実に行えるため、走っている最中の誤操作も少なくなります。
もうひとつの大きな利点はバッテリーの持ち。
モデルにもよりますが、通常使用で1〜2週間、GPS使用でも数十時間持つものが多く、フルマラソンはもちろんウルトラマラソンやトレイルでも安心です。
加えて、専用アプリ「Garmin Connect」を使えば、トレーニング内容を詳細に分析したり、目標ペースを計画したりすることもできます。
単に“走る”だけでなく、「どう走れば速くなるか」を考えたい人には、これほど頼もしいパートナーはありません。
ガーミンの弱点：日常使いには少し不便
ガーミンの欠点は、逆にスマートウォッチとしての汎用性にあります。
通知機能や音楽再生なども備えていますが、Apple Watchほどスムーズではありません。特にiPhoneとの親和性は限定的で、メッセージ返信や通話などは制限される場合もあります。
また、メニュー構成や設定がやや複雑で、初心者には少しハードルが高いという声も。
ランニングに特化しているぶん、日常生活の便利さやデザイン性はシンプルです。
とはいえ、「走ることを中心に生活している」「データを活かしてトレーニングを組み立てたい」という人にとっては、ガーミンは唯一無二の存在です。
ランナー別おすすめ：あなたに合うのはどっち？
1. ランニング初心者・健康維持が目的の人
Apple Watchがおすすめです。
走行距離や心拍をチェックしながら、日常の健康管理も一緒にできるので、続けやすさが抜群。
何より普段使いが快適で、ランニング以外の時間もムダになりません。
2. 本格的にトレーニングを積みたい人
ガーミンが断然おすすめ。
データの精度が高く、トレーニング負荷や回復時間を管理できるため、目標タイムを狙うランナーに最適です。
マラソン大会を目指している人なら、投資する価値は十分あります。
3. どちらも気になる人
実は「併用」している人も多いです。
普段はApple Watchで健康管理をし、走るときだけガーミンを使うというスタイル。
コストはかかりますが、それぞれの強みを活かせる合理的な選択です。
最近の進化と今後の展望
近年では、Apple Watchもランナー向け機能を大幅に強化しています。
Apple Watch Ultraシリーズでは、デュアル周波数GPSの採用により精度が向上し、バッテリー持ちも改善。トレイルや登山でも使いやすくなりました。
一方でガーミンも、健康管理やスマート機能を強化。血中酸素濃度やストレスレベル、睡眠スコアなど、日常のコンディションを総合的に把握できるようになっています。
つまり、両者の差は少しずつ縮まりつつあります。
それでも「どちらが自分に合うか」は、何を優先するかで明確に変わります。
“スマートな日常”か、“本気のトレーニング”か——選択の基準はそこにあります。
まとめ：Apple Watchとガーミンの違いを理解して、自分に合った一本を
最後にもう一度整理しましょう。
- **Apple Watch**は、日常の利便性を重視する人に最適。健康維持や趣味ランのパートナーとして万能。
- **ガーミン**は、データをもとにトレーニングを高めたい本格ランナー向け。GPS精度やバッテリー性能は圧倒的。
どちらが優れているというより、「自分が何をしたいか」で選ぶべきです。
もしあなたが“ランナー”としての自分を磨きたいならガーミンを。
“スマートな日常”をより快適にしたいならApple Watchを。
それぞれの特性を知り、自分の目的に合った一本を選ぶことが、最も満足度の高い選択です。
あなたのランを支える最高の相棒が、きっと見つかります。
