最近、「スマートウォッチで血圧や血糖値を測れる」と話題になっています。健康管理に気を使う人が増える中で、腕時計ひとつで体の状態をチェックできるのはとても魅力的ですよね。
ただし、実際にはどこまで正確に測れるのか？安全性はどうなのか？そんな疑問を持つ方も多いと思います。
ここでは、血圧や血糖値を同時にチェックできるとされるスマートウォッチの仕組みや注意点、そしておすすめモデルを5つ紹介します。最新機能の傾向もあわせてお伝えします。
スマートウォッチで血圧を測る仕組みとは？
血圧測定に対応したスマートウォッチは増えています。仕組みとしては、心拍センサー（PPG）や心電図（ECG）を利用し、脈波の変化から血圧を推定する方式が一般的です。
例えば、Samsungの「Galaxy Watch 6 Series」シリーズは、キャリブレーション（初期較正）を行うことで、以後は手軽に血圧をチェックできます。日常の変化を見たい人には便利です。
ただし、ここで大事なのは「医療機器ではない」という点。医療用の血圧計のような精密さはなく、誤差が数mmHg生じることもあります。
そのため、医師が治療に使うための数値というより、「普段の傾向を知る参考値」として考えるのが正解です。
血糖値も測れる？その実力と注意点
血糖値を“非侵襲的”に（つまり針を刺さずに）測る技術は、まだ研究段階です。
一部の製品が「血糖測定対応」とうたって販売されていますが、医療機器として承認された例はありません。実際に医療機関でも「表示値が実際と大きく異なるケースがある」と報告されています。
FDA（米国食品医薬品局）も、血糖測定機能をうたう未承認のスマートウォッチについて注意喚起を行っています。
つまり、「健康の目安として見る分には良いが、自己診断や治療判断には使えない」というのが現時点での立ち位置です。
それでも、汗や皮膚中の糖分を光学的に検知する研究は進んでおり、将来的にはより正確に測れるデバイスが登場する可能性があります。
血圧と血糖値をチェックできるスマートウォッチおすすめ5選
ここからは、血圧や血糖値測定に対応している、または健康モニタリング機能が充実した人気モデルを紹介します。価格帯や特徴もあわせて参考にしてみてください。
1. HUAWEI WATCH D2
血圧測定機能を備えたハイエンドモデル。腕に巻くカフ構造を内蔵しており、より安定した血圧測定が可能です。
心拍、ストレス、睡眠、血中酸素など、総合的な健康管理にも対応。血糖測定こそ対応していませんが、血圧モニタリングの精度は業界でもトップクラスです。
信頼性を重視するなら、まず候補に挙げたい1本です。
2. Omron HeartGuide HCR-6900T-M
医療機器メーカー「オムロン」が開発した血圧計内蔵型スマートウォッチ。腕帯内に空気ポンプを搭載し、実際に加圧して測定します。
医療用血圧計に近い構造のため精度が高く、健康意識の高い層に人気です。
血糖測定には対応していませんが、血圧の正確さを求める人には最有力モデルです。
3. 多機能スマートウォッチ（血圧・血糖モデル／PASIRO）
楽天市場などで販売されている手頃な価格帯のモデル。血圧・血糖値・心拍・酸素飽和度・歩数など、さまざまな数値を手軽に確認できます。
ただし、「血糖値測定」はあくまで参考値。表示は身体状態の推定値であり、医療機器ではありません。
初めてスマートウォッチを試してみたい人や、健康意識を高めたい人におすすめです。
4. 血糖値・血圧測定スマートウォッチ（wapik）
1万円以下で購入できる低価格モデル。血圧・血糖値・睡眠・心拍など、多機能を備えています。
レビュー数も多く、シンプルな操作性が魅力ですが、血糖値の精度は科学的に保証されていません。
「生活リズムの変化を見る」「健康管理を意識する」ための補助ツールとして利用するのが安全です。
5. Galaxy Watch 6 Series
Samsungの最新シリーズは、血圧測定とECG（心電図）機能に対応。
スマートフォンアプリと連携してデータを一元管理できる点が強みです。
血糖値は測れませんが、運動量・ストレス・睡眠など、健康全体をトラッキングできる優秀なモデルです。
血圧と血糖値を測るスマートウォッチを選ぶときのポイント
選ぶ際には、次の3つを意識すると失敗しにくいです。
- 血圧測定の精度や仕組みを確認
空気圧式やPPG式など測定方法により精度が異なります。医療機器メーカー製は信頼性が高め。 - 血糖値測定は「参考値」と割り切る
現時点で正確な血糖測定ができるスマートウォッチは存在しません。健康の目安として使いましょう。 - アプリ連携の使いやすさ
スマホアプリと連動できるモデルは、記録やグラフ化がしやすく継続に役立ちます。
医療専門家が指摘する注意点
医療機関では、「スマートウォッチの測定値を鵜呑みにしないこと」が強調されています。
血圧や血糖値は、体調・姿勢・環境・機器の装着位置などで大きく変動します。
異常な数値が出た場合や体調に違和感があるときは、必ず医療機関で確認することが推奨されています。
特に糖尿病や高血圧の治療中の人は、スマートウォッチの数値を自己判断の根拠にしないよう注意しましょう。
今後の技術と未来の展望
非侵襲型の血糖測定技術は、世界中で開発が進められています。
最近では、皮膚や汗の中の糖分を光学的に検知する「ナノフォトニックセンサー」なども研究されています。
これらが実用化されれば、腕時計を身につけるだけで正確な血糖値をリアルタイムで確認できる未来も現実的になるでしょう。
現段階では「まだ研究段階」ですが、血圧・血糖モニタリングを日常で自然に行うための基盤は確実に進化しています。
スマートウォッチを安全に使うために
血圧や血糖値を測定できるスマートウォッチは、あくまで健康意識を高めるための“パートナー”として使うのが賢明です。
「参考値を見て生活習慣を振り返る」「定期的に医療機関で確認する」というスタンスなら、非常に有益なツールになります。
メーカーが提供するアプリやサポート情報を確認し、正しい使い方を心がけましょう。特に健康に関わる数値は、常に“参考”と考え、必要に応じて専門家に相談することが大切です。
まとめ｜血圧と血糖値を同時に測れるスマートウォッチのおすすめ5選
血圧と血糖値を同時に測れるとされるスマートウォッチは、多機能化が進み、生活の中で体調を可視化する便利なツールとして注目されています。
しかし、現時点では血圧測定が「実用レベル」、血糖値測定は「参考レベル」であることを理解しておきましょう。
おすすめモデルとしては、信頼性の高い HUAWEI WATCH D2 や Omron HeartGuide HCR-6900T-M、手頃な多機能モデルなどが人気です。
これらを上手に活用すれば、健康意識を高めながら、日々の生活をより安心して過ごすことができるでしょう。
血圧と血糖値を同時に測れるスマートウォッチの技術は、これからさらに進化していきます。
今後登場する新しいデバイスにも注目しながら、自分の体と上手に付き合っていきましょう。
