最近、ニュースやSNSで「スマートウォッチが発火した」という話題を見かけたことはありませんか？
健康管理や通知機能など、便利で毎日身につける人も多いスマートウォッチ。
でも、肌に密着して使うものだからこそ、「もし発火したら…」と考えるとちょっと怖いですよね。
この記事では、スマートウォッチの発火リスクが本当にあるのか、過去にどんな事例があったのか、そして安全に使うための具体的な対策を紹介します。
普段何気なく使っている人にこそ、知ってほしい内容です。
なぜスマートウォッチが発火するの？
まず、スマートウォッチが発火する最大の原因は「リチウムイオン電池」にあります。
この電池は小型で高性能。スマートフォンやイヤホン、ノートパソコンなどにも広く使われていますが、条件が悪いと発熱・発火する性質があります。
例えばこんなケースです。
- 過充電や過放電を繰り返した
- 強い衝撃を与えた
- 高温多湿の場所に放置した
- 純正ではないケーブルで充電した
リチウムイオン電池は、内部で化学反応によって電気を生み出しています。
もし内部が破損したり、電流の流れが不安定になると、短絡（ショート）が起きて熱が発生。
そのままガスが発生して膨張し、最悪の場合は発火や爆発につながります。
小さな電池でもエネルギー密度は高く、特にスマートウォッチのように狭いスペースに詰め込まれていると、逃げ場がなくなるのが危険なのです。
実際に起きたスマートウォッチの発火・火傷事故
日本の製品評価技術基盤機構（NITE）によると、近年「スマートウォッチやワイヤレスイヤホン」などの小型機器による発火・破裂事故は増加傾向にあります。
特に2020年以降、スマートウォッチ関連の事故報告は40件以上にのぼっています。
主な事例をいくつか紹介します。
- 充電中に発熱してテーブルを焦がした
就寝前に充電を始め、朝になったら本体が溶けていたという報告も。 - 腕につけたまま寝ていたら、突然発火して火傷
寝具が焦げたり、軽いやけどを負ったケースも確認されています。 - 純正以外のケーブルを使用して過電流が流れた
電圧制御が適切でなく、バッテリーが異常加熱したと考えられています。
これらは一見「レアな事故」に思えるかもしれませんが、発生件数を見ると、偶然とは言い切れません。
特に“充電中の事故”が多く、使用者の行動と密接に関係していることがわかります。
海外でもリコールされた事例がある
日本だけでなく、海外でも同様の問題が報告されています。
有名なのは、Fitbit Ionic シリーズ。
2022年にアメリカでリコールが発表され、約170万台が対象になりました。
理由は「バッテリーの過熱による火傷リスク」。
実際に二度・三度の火傷を負ったユーザーもおり、社会的に大きな注目を集めました。
ほかにも、中国製の無名ブランドや通販サイトで販売されている格安スマートウォッチで、発火・発煙の報告が後を絶ちません。
中には安全基準を満たしていないバッテリーや回路設計のものもあり、見た目が似ていても品質には大きな差があります。
発火を防ぐために気をつけるべきポイント
スマートウォッチを安全に使うためには、ちょっとした習慣が大切です。
ここでは、公的機関（NITE・東京消防庁など）が呼びかけているポイントを整理します。
1. 純正のケーブル・充電器を使う
互換品や安価なケーブルは電流制御が甘く、過電流が流れるリスクがあります。
必ずメーカーが指定する純正品を使いましょう。
2. 就寝中に充電しない
夜間は異常が起きても気づけません。
充電は起きている時間に行い、完了したらケーブルを外すのが基本です。
3. 高温・多湿の場所を避ける
直射日光の当たる車内、暖房器具のそば、浴室などはNG。
熱がこもるとバッテリーが膨張しやすくなります。
4. 落下・衝撃に注意
金属製のベルトなどで机にぶつけたり、うっかり落としたり。
見た目が無傷でも内部でセルが損傷していることがあります。
5. 異常を感じたらすぐ使用を中止
「焦げ臭い」「異常に熱い」「本体が膨らんでいる」などを感じたら、すぐに電源を切り、使用をやめましょう。
火が出ていなくても、再度の使用は危険です。
6. リコール情報をチェックする
特に輸入品や古いモデルを使っている人は、メーカーや消費者庁のウェブサイトでリコール情報を確認しておくと安心です。
安全に長く使うためのメンテナンスのコツ
発火のリスクを減らすには、日々の使い方も重要です。
- 定期的に汚れを拭き取り、湿気をためない
- 使用しない期間が長いときは、半分ほど充電してから保管する
- バッテリーの劣化を感じたら、無理に使い続けない
- 公式サポートでの電池交換を検討する
バッテリーは消耗品です。
数年使っていると性能が落ち、発熱や膨張のリスクが高まります。
「まだ使えるから」と思っても、劣化が進んだ状態での使用は避けた方が安全です。
「火傷」や「火災」を防ぐために知っておきたいこと
スマートウォッチは直接肌に触れるため、もし発熱すればすぐに人体への影響が出ます。
特に子どもや高齢者は皮膚が薄く、低温火傷でもダメージを受けやすいので注意が必要です。
また、就寝時に充電したまま装着する習慣がある人は、発熱の逃げ場がない状態になります。
布団や寝具は可燃性の素材が多く、もし発火したら一気に燃え広がる可能性があります。
“寝ながら充電” は便利ですが、最もリスクの高い行動のひとつです。
「日中に充電する」「寝る前に外しておく」だけでも、事故の確率をぐっと減らせます。
どんな製品を選べば安心なのか？
すべてのスマートウォッチが危険というわけではありません。
大切なのは、「安全性の確認が取れているか」を見極めることです。
選ぶときのポイントは次の通りです。
- 技術基準適合マーク（PSEマークなど）があるか
- 国内正規代理店またはメーカー公式サイトで購入する
- 異常時の保証・交換体制が整っているか
- ユーザーレビューで「発熱」「発火」などの報告がないか確認する
価格だけで選ぶと、こうした安全基準を満たしていないケースもあります。
毎日身につけるものだからこそ、信頼できるメーカーや販売元を選ぶことが何よりの安心につながります。
まとめ：スマートウォッチ発火の危険性と安全な使い方
ここまで紹介したように、スマートウォッチの発火リスクは“実際に存在する”問題です。
リチウムイオン電池は便利で高性能ですが、扱い方を間違えると危険な一面を持っています。
発火や火傷を防ぐために、今日からできることはシンプルです。
- 純正のケーブルを使う
- 寝る前に充電しない
- 異常を感じたらすぐに中止
- 高温や衝撃を避ける
この基本を守るだけで、多くの事故は防げます。
「自分だけは大丈夫」と思わずに、毎日安心して使うための意識を持ちましょう。
スマートウォッチは、健康管理を助けてくれる心強い相棒です。
正しく使えば、危険どころか生活をより快適にしてくれる存在になります。
だからこそ、スマートウォッチ発火の危険性は本当？過去事例と安全に使うための対策というテーマを、今一度意識しておくことが大切なのです。
