ゲーミングPCを選ぶとき、多くの人が気にするのが「性能」や「デザイン」。でも実際に使い始めると意外と気になるのが「重さ」です。
持ち運びたいのか、据え置きでじっくり遊びたいのかによって、選ぶべきタイプも変わります。この記事では、ゲーミングPCの重さの目安や、持ち運び・設置のときに注意したいポイントをわかりやすく紹介します。
ノート型ゲーミングPCの重さの目安
まずは、持ち運びを意識したノート型ゲーミングPCから見ていきましょう。
一般的なノートパソコンの重さは、1〜2kg程度が多いといわれています。軽量タイプなら1kgを切るモデルもありますが、ゲーミングノートとなると話は別。
グラフィック性能を高めるために大型の冷却装置や強力なGPUを搭載しているため、重さは2kgを超えることがほとんどです。
15インチクラスのスタンダードなゲーミングノートでは、おおよそ2.2〜2.8kgあたり。
17インチ以上の大型モデルになると、3kgを超えることも珍しくありません。
中には「持ち運び前提で軽量化されたゲーミングノート」も登場しており、1.5kg前後のモデルも見つかりますが、性能面では多少の妥協が必要です。
また、極端な例ではAcerの「Predator 21 X」という21インチの超大型モデルが約8.5kgもあります。
これはまさに“持ち運び不可能なノートPC”と呼ばれるほどで、据え置きに近い存在です。
デスクトップ型ゲーミングPCの重さ
据え置き型のデスクトップゲーミングPCは、構成やケースサイズによって大きく重さが変わります。
スリムな小型ケースでは7〜8kg程度から、一般的なミドルタワーで10〜15kg前後、ハイエンドなフルタワーになると20kgを超えるものもあります。
特に、強化ガラス製サイドパネルや大型冷却ファンを備えたモデルは重くなりやすく、移動のたびに腰にくる重さです。
GPU（グラフィックカード）も最新世代では1枚で2kgを超えることがあり、複数枚差す構成ではそれだけでかなりの重量になります。
つまり、デスクトップ型を選ぶ場合は「置きっぱなし」を前提にしたほうが現実的です。
ただし、重さがある分だけ内部の空間に余裕があり、冷却性能や拡張性が高いというメリットもあります。
重くなる理由を知っておこう
ゲーミングPCが重くなる理由は、いくつかの設計上のポイントにあります。
- 筐体の素材とサイズ
スチールや強化ガラスなど、高級感や耐久性を重視した素材はどうしても重くなります。アルミやプラスチック素材を使えば軽くなりますが、放熱性や剛性では劣ります。 - 冷却機構の強化
長時間プレイしても安定するよう、ヒートシンクや大型ファン、場合によっては液冷システムを搭載することも。これらの部品は冷却性能を高める一方で、重量増の大きな要因です。 - 高性能パーツの搭載
GPUや電源ユニットなど、ハイエンドモデルになるほどパーツそのものが重くなります。さらにストレージを複数積む場合やメモリを増設する場合も、トータルで重量が増加します。 - ディスプレイサイズ（ノート型の場合）
画面が大きいほど筐体も広がり、バッテリーや冷却スペースも大きくなるため、結果的に重くなります。
持ち運ぶときの注意点
ノート型ゲーミングPCは「一応持ち運べる」とはいえ、重さが2〜3kgあると外出先での使用は思ったより大変です。
持ち運びを考えるなら、次の点を意識しておくと安心です。
- バッグの選び方
重量があるPCほど、しっかりしたクッション性と耐久性のあるバッグが必要です。ショルダーよりもリュックタイプのほうが体への負担が分散されます。 - 電源アダプターにも注意
ゲーミングノートのACアダプターは大型化しており、1kg近くあることもあります。
本体が軽くても、電源やマウスなどを含めると総重量が増える点を忘れずに。 - 移動中の衝撃対策
HDD搭載モデルを持ち歩く場合、衝撃で故障するリスクがあります。できればSSDモデルを選ぶか、保護ケースを併用しましょう。 - 長距離移動の頻度を考える
週に何度も持ち出すなら、1.5kg前後の軽量モデルが現実的。
逆に年に数回程度なら、3kgクラスでも許容範囲です。
設置時に気をつけたいポイント
デスクトップ型ゲーミングPCを設置するときは、「重さ」による影響を考慮しておくことが大切です。
- 設置場所の強度を確認
10kgを超えるPCを机の上に置くと、天板がたわむ可能性があります。
特にガラス天板や薄い合板のデスクは注意。床置きや頑丈なPCスタンドを検討しましょう。 - 通気性の確保
重いPCほど発熱量も多くなりがち。壁際や棚の中など、空気がこもる場所に置くと熱が逃げません。背面・側面・上部に少し余裕を持たせましょう。 - ケーブルの整理
一度設置すると簡単に動かせないため、電源・モニター・LANなどの配線は事前に整えておくと後がラクです。ケーブル結束バンドなどを使ってすっきりまとめると見た目もきれい。 - 地震や振動対策
日本では特に重要なポイントです。床置きする場合でも滑り止めシートを敷いたり、壁際で安定させたりしておくと安心です。
「軽さ」だけで選ばないほうがいい理由
軽いPC＝良い、というわけではありません。
確かに軽量モデルは持ち運びに便利ですが、性能や冷却性を犠牲にしていることが多いです。
重さがあるということは、それだけ余裕のある冷却構造や堅牢な筐体を持っている証でもあります。
たとえば、同じGPUを搭載した2台のノートでも、軽量モデルのほうが冷却ファンが小さく、長時間の高負荷プレイでは性能が落ちやすい傾向があります。
そのため「自宅メインで使うなら少し重くても安定性を優先」「外出先でも使うなら軽さ重視」といった具合に、自分のライフスタイルに合わせて選ぶのが理想です。
ゲーミングPCの重さと上手に付き合うコツ
ゲーミングPCは、性能を追求すればするほど重くなります。
でも、重さを理由に諦める必要はありません。扱い方や設置環境を工夫すれば、どんなモデルでも快適に使えます。
・ノート型なら、軽量モデルや持ち運び用バッグを活用する
・デスクトップ型なら、頑丈な設置スペースと通気性を確保する
・そして、使う場所・頻度に合わせて「重さとのバランス」を考える
これだけで、PC選びも設置もずっとスムーズになります。
まとめ：ゲーミングPCの重さはどれくらい？自分の使い方に合った選び方を
ゲーミングPCの重さは、ノート型なら1〜3kg台、デスクトップ型なら10〜20kg台が目安です。
冷却性能や拡張性、素材などによって大きく変わるため、「軽い＝正義」ではありません。
持ち運びが多いなら軽量モデルを。
据え置きで快適に遊びたいなら、重くても安定したモデルを。
重さを理解し、自分の用途に合ったPCを選ぶことが、長く快適にゲームを楽しむ第一歩です。
