「ゲーミングPCを自作してみたいけど、いくらくらい必要なんだろう?」
そんな疑問を持つ人は多いですよね。実際、同じ“自作PC”でも、予算によって性能やパーツ選びの方向性は大きく変わります。この記事では、予算別におすすめの構成や費用感をわかりやすく整理しながら、初めてでも無理なく組めるポイントを紹介します。
まずは考え方:自作ゲーミングPCの予算を決める前に
最初に決めておくべきなのは、「どんなゲームを、どの環境で遊びたいか」。
フルHDで軽いゲームを快適に遊びたい人と、4Kで最新タイトルを最高設定でプレイしたい人とでは、必要なスペックも予算もまったく違います。
たとえば、以下のような目安があります。
- フルHD・中設定で快適 → 約10〜15万円
- WQHD(2K)・高設定で快適 → 約20〜25万円
- 4K・最高設定でプレイ → 30万円以上
そして予算を決めたら、パーツごとの配分を考えましょう。一般的なバランスとしては、GPU(グラフィックボード)に最も多く予算を割くのが基本です。CPUは次点、あとはメモリやストレージ、マザーボードに適度に配分していく形になります。
10〜15万円クラス:フルHDで快適に遊びたい人へ
「まずは自作してみたい」「フルHDで遊べれば十分」という人向けの構成です。
この価格帯では、性能とコストのバランスを取るのが最大のポイント。特にGPUの選び方で体感性能が大きく変わります。
おすすめ構成の方向性
- CPU:Ryzen 5 5500やCore i5-13400Fなど、6〜10コアクラスのミドルレンジモデル
- GPU:GeForce RTX 4060、Radeon RX 6600などがコスパ良好
- メモリ:16GB(8GB×2)で十分。余裕があれば32GBに
- ストレージ:1TBのNVMe SSD(M.2接続)
- 電源:80PLUS認証付き500〜650W
- ケース:冷却性能と組みやすさ重視。安価でも十分なモデル多数
この構成であれば、『Apex Legends』『フォートナイト』『VALORANT』などの人気FPSを高設定で快適にプレイできます。
ただし、最新の重量級タイトルやレイトレーシングを多用するゲームでは、設定を少し下げる必要があります。
費用感と注意点
総額はおおよそ12〜15万円前後。
GPUが価格変動しやすいので、セール時期を狙ったり、中古の上位モデルを検討するのも一案です。
また、後でGPUを交換しやすいように、電源やマザーボードは少し余裕を持ったモデルを選ぶと長く使えます。
20〜25万円クラス:WQHDで高設定も狙える万能構成
「フルHDを超えて、より高画質で遊びたい」
そんな人にはこのクラスがおすすめ。WQHD(2560×1440)で144Hzモニターを使うような中〜上級ゲーマー向けの構成です。
おすすめ構成の方向性
- CPU:Core i5-14400FやRyzen 7 7800X3D
- GPU:GeForce RTX 4070、Radeon RX 7800 XTクラス
- メモリ:32GB(16GB×2)を推奨
- ストレージ:1〜2TBのNVMe SSD
- 電源:750Wクラスで安定供給を確保
- マザーボード:拡張性と冷却性を重視(B650、Z790、またはB760など)
この構成なら、ほとんどの最新ゲームを高設定で快適にプレイ可能です。
CPU性能にも余裕があるため、配信や動画編集などマルチタスクにも対応しやすくなります。
費用感とポイント
目安は20〜25万円前後。
GPUの価格が上がりがちなので、セール時期を狙うのが鉄則です。
また、最新のプラットフォーム(AMDならAM5、IntelならLGA1700)を選ぶことで、将来のCPU交換もしやすくなります。
冷却性能にも気を配りましょう。ハイパフォーマンスなパーツを詰め込むと発熱が増えるため、エアフロー重視のケースや高性能クーラーを導入すると安定性が高まります。
30万円以上クラス:4K・超高リフレッシュ環境を目指す
「とにかく最高の環境で遊びたい」「4Kモニターで全てのゲームを最高設定で」というこだわり派に向くのが、この価格帯。
いわゆるハイエンド構成で、快適さはもちろん、作業用マシンとしても圧倒的なパフォーマンスを発揮します。
おすすめ構成の方向性
- CPU:Ryzen 9 7950X3D、Core i9-14900Kなど最上位モデル
- GPU:GeForce RTX 4090/Radeon RX 7900 XTXクラス
- メモリ:64GB以上のDDR5メモリ
- ストレージ:2TB以上のNVMe SSDを複数枚
- 電源:1000W以上(Platinum認証推奨)
- 冷却方式:水冷(AIOまたはカスタム)
この構成なら、4K・レイトレーシングON・ウルトラ設定でも滑らかに動作します。
また、配信・録画・動画編集・3Dモデリングといった重い作業を並行しても快適です。
費用感と考え方
トータルで35〜45万円前後。
ここまで来ると、価格対性能を重視するというより、「最高の環境を手に入れる」領域です。
ただし、上位モデルは価格変動が激しいため、発売サイクルやセールを狙うのが賢明です。
冷却や電源品質にも妥協せず、長期的に使える“安定構成”を目指すのがポイントです。
国内で自作するなら知っておきたいこと
日本国内では、PCパーツ価格が為替や流通の影響を受けやすい傾向にあります。
円安の時期にはGPUやマザーボードが値上がりする一方、季節セールや在庫調整期には大幅に安くなることも。
おすすめは、以下のようなタイミングを狙うことです。
- 新GPU・CPUの発表直後(旧モデルが値下がり)
- 年末年始・夏のセール
- 在庫処分期(型番変更前)
また、信頼できるショップや公式ストアを利用し、保証やサポートを重視するのも大切です。価格だけで判断せず、トータルコストと安心感を意識しましょう。
これから自作を始める人へ
初めての自作は不安もあると思いますが、一度経験すればその自由度と満足感は大きいです。
何より「自分で選んだパーツで作ったPCが動く瞬間」は格別。
予算を抑えつつ、性能を最大化するには、以下の3つがコツです。
- GPUを最優先に投資する(ゲーム性能に最直結)
- 冷却と電源はケチらない(安定性の源)
- 将来の拡張性を考える(長く使える構成に)
この3点を意識すれば、どの価格帯でも後悔のない1台を組めます。
自作ゲーミングPCの予算別おすすめ構成と費用感:まとめ
ゲーミングPCを自作する最大の魅力は、「自分の遊び方に合わせて最適な性能とコストを選べる」ことです。
10万円台でも十分に快適なゲーム体験が得られますし、20万円を超えれば映像も滑らかに、30万円を超えると新次元の没入感が味わえます。
重要なのは、今の自分にとって“必要十分な性能”を見極めること。
無理のない予算で、少しずつアップグレードしていくのも立派な自作スタイルです。
ぜひこの記事を参考に、あなたにぴったりの自作ゲーミングPCを計画してみてください。
