ゲーミングPCを組むと、どうしても気になるのが“光”。マザーボードやグラフィックボード、ファン、メモリ……気づけば虹色に輝くパーツたちが、夜中の部屋をクラブのように照らしている。カッコいいけれど、作業や睡眠の邪魔になることもありますよね。
この記事では、そんな「ゲーミングPCの光を完全に消す」ための実践的な方法を、パーツごとにわかりやすくまとめます。明るさを抑えて落ち着いた作業環境を作りたい方に向けた、静音・省エネにも役立つ設定ガイドです。
なぜ光を消したくなるのか
ゲーミングPCのRGBライトは、パフォーマンスに影響しない“演出機能”。とはいえ、常にピカピカ光っていると次のような問題が出てきます。
- 夜間、光が目に入り集中できない
- 寝室や共有スペースでまぶしくて気になる
- 作業や映画鑑賞の雰囲気が壊れる
- 無駄な電力を使っている気がする
「静かな環境で、必要な時だけ明かりが欲しい」——そんな人にとって、光の完全オフは快適さを大きく変えます。
光を完全に消すための3つのアプローチ
ゲーミングPCのLEDを消す方法は、大きく分けて3通りあります。
- ソフトウェアで制御する
各メーカーの専用ソフト(Armoury Crate、iCUE、Mystic Lightなど)を使って、LEDを「OFF」や「Stealth」に設定。 - BIOS/UEFIで無効化する
マザーボードの設定画面で「LED Lighting」や「Onboard RGB」をオフにできる機種も多い。シャットダウン後も光らないようにできる。 - 物理的に光源を断つ
ソフトやBIOSで制御できない場合、LEDケーブルを抜く・LED無しファンに交換するなど、ハード的に対応。
この順に試していけば、ほとんどの光は消灯できます。
マザーボードのLEDを消す
まず最初に手を付けるべきはマザーボード。多くの光はここから制御されています。
ASUS(ROG、TUFなど)
- BIOSを開き、「Advanced」→「Onboard Devices Configuration」→「LED Lighting」→「Off」または「Stealth Mode」を選択。
- Armoury Crate内の「Aura Sync」でも、「Shutdown Effect」を「Off」に設定すると、電源を切っても光らなくなる。
Gigabyte
- BIOSの「Peripherals」→「RGB Fusion」から「Off」を選択。
- ソフトの「RGB Fusion」アプリでも、細かく制御可能。
MSI
- 「Mystic Light」でパーツごとのLEDを無効化。
- 一部のマザーボードでは、BIOS内に「Stealth Mode」設定があり、完全な暗闇状態を実現できる。
ASRock
- 「Polychrome RGB」から制御可能。
- BIOSに「LED Control」設定を持つモデルもあるため、併用して確認を。
いずれもBIOSアップデートで項目が増えることがあるため、古い機種では最新化してから設定するのがおすすめです。
メモリ・GPU・ファンの光を消す
マザーボード以外のパーツも光ります。ここを忘れると、どこかがチカチカ残ってしまうことも。
RGBメモリ
Corsair製なら「VENGEANCE RGB PRO」で制御可能。各DIMMを選び、「Lighting Effects」を「Static」→RGB値をすべてゼロに設定すれば消灯できます。
G.SkillやKingstonなども、それぞれ専用ユーティリティから「Off」モードを選べます。
グラフィックボード(GPU)
ASUS、MSI、ZOTACなどのGPUにはロゴLEDがついています。
マザーボード連動型(Aura Sync対応など)なら、マザーボード側のソフトで一括オフ可能。独自ソフトが必要な場合もあるため、メーカーサイトで確認を。
ケースファン・CPUクーラー
Cooler MasterやDeepCoolなどのRGBファンは、付属コントローラーまたはマザーボードのARGBヘッダーで制御。
もし「電源と連動して常時点灯」する場合は、LEDケーブルを抜くか、LED無しモデルへの交換が確実です。
AMD純正の「Wraith Prism」クーラーも、専用ソフトからLEDをオフにできます。
電源オフ後も光らせないための設定
「シャットダウンしたのにまだ光ってる!」というケース、よくあります。これは“待機電力”による点灯が原因です。
BIOSでの電力設定
- 「ErP Ready」または「S5/S4給電オフ」を有効にする
- 「USB Power On in S5」や「Wake on USB」を無効にする
この設定で、電源が切れた後のLED給電を止められます。特にASUSやMSIのマザーボードでは効果が高いです。
ソフトウェアの「Shutdown Effect」
RGB制御ソフトに「シャットダウン時の動作」という項目がある場合、「Off」または「None」にしておくことで、電源オフ後の残光を防げます。
ソフトの競合に注意
意外と多いのが「光が消えないのはソフトのせい」問題です。
iCUE、Armoury Crate、Mystic Lightなどを複数入れると、お互いに制御を奪い合い、設定が反映されなくなることがあります。
対策はシンプル。
1つのソフトに統一し、他はアンインストール。
マザーボードの制御ソフトを中心に設定を行えば、ほぼ間違いなく統一できます。
光を消す際の注意点
- 保証の確認:ケーブルを抜いたり、改造を伴う場合はメーカー保証外になることがあります。
- 安全対策:作業前に電源を切り、静電気防止対策を。
- ファン動作の確認:LEDが消えると回転状況が分かりにくくなるため、温度モニタリングを活用しましょう。
- ソフトの更新:RGB制御ツールは頻繁にアップデートされるため、最新バージョンを利用することが重要です。
光を消すことで得られるメリット
- まぶしさがなく、目が疲れにくくなる
- 夜中にPCをつけっぱなしでも気にならない
- 部屋の雰囲気が落ち着き、集中しやすい
- わずかだが待機電力を削減できる
- 外観がシンプルで“落ち着いた大人のPC”になる
見た目以上に、精神的な快適さが大きく変わります。
「無音・無灯」のPCは、一度体験すると手放せません。
ゲーミングPCの光を完全に消す方法を実践してみよう
ここまで紹介した設定を順番に試していけば、ほぼすべての光は消すことができます。
- 各パーツのRGB制御ソフトをオフ
- BIOSでLEDと給電を無効化
- ソフトを統一して競合を防ぐ
- 必要なら物理的にLEDケーブルを外す
夜の作業部屋が一気に静まり返る感覚は、まるで深夜のスタジオのよう。
RGBの演出もいいけれど、たまには“闇を味方につける”のも悪くありません。
落ち着いた光のない空間で、自分だけの静かな時間を過ごしてみてください。
それが「ゲーミングPCの光を完全に消す方法」の本当の価値かもしれません。
