ゲーミングPCを組むとき、CPUやGPUはすぐ決まるのに、意外と悩むのがメモリ容量。
「32GBで十分なのか」「64GBにしておくべきなのか」——この違い、実は使い方によって明確に答えが変わります。
この記事では、今のゲーム環境・実際の使用量・将来性などを踏まえて、32GBと64GBのどちらが最適なのかを用途別にわかりやすく解説していきます。
メモリ容量がゲーミングPCで重要な理由
メモリ(RAM)は、PCが処理を行うための作業机のようなもの。
ゲームを起動すると、テクスチャやキャラクターデータ、サウンド、AI処理などがすべてメモリに展開されます。さらに、Discordやブラウザ、配信ソフトなども同時に動いていることが多いですよね。
この作業机が狭いと、データを一部ストレージ(SSDやHDD)に退避させる必要があり、その結果として「カクつき」や「読み込みの遅さ」が起こります。
つまり、快適なゲーム体験のためには、余裕のあるメモリ容量が欠かせません。
ただし、メモリを増やすほど性能が上がるわけではありません。
ゲームや用途に対して“適切な容量”を選ぶことが、コスパと快適さの両立につながります。
32GBメモリの実力:今もっともバランスの良い選択
今のゲーミングPCで「最もバランスが取れている」のが32GBです。
最新のAAAタイトルを高画質でプレイしても、実際のメモリ使用量は20〜25GB前後に収まることが多く、32GBあれば余裕があります。
16GBではバックグラウンドアプリを同時に動かすと不足しがちですが、32GBなら安心して複数作業が可能です。
さらに、最近はSteamなどのユーザー調査でも、16GBから32GBに移行するゲーマーが増えています。
これは、ゲームだけでなくブラウザや配信ツールなどを併用するのが当たり前になったことが背景にあります。
32GBを選ぶメリット
- 現行ゲーム+Discord+ブラウザ+配信ソフトを同時起動しても余裕がある
- 将来の大型アップデートや新作ゲームにも対応できる
- コストパフォーマンスが高い
- メモリ速度(DDR5-5600〜6000など)を優先しやすく、システム全体のバランスが取りやすい
デメリット
- 動画編集や3D制作など、ゲーム以外の重い作業を並行する場合には物足りないことがある
- 高解像度テクスチャや多数のMODを入れたゲームでは、ギリギリになるケースも
総じて、「ゲーム中心+軽いマルチタスク」なら32GBが最適ラインです。
64GBメモリの強み:ヘビーな環境で真価を発揮
では、64GBは「オーバースペック」なのでしょうか?
実は、そうとも言い切れません。
たとえば、ゲーム配信をしながら録画を行い、ブラウザで複数のタブを開き、裏で音楽を流すような環境では、メモリ使用量が一気に増えます。
特に、動画編集ソフトや3Dモデリングツールを同時に起動する人にとって、64GBは安定動作のための保険になります。
また、今後のゲームはAI処理やリアルタイムレイトレーシングなどでメモリ消費が増加する傾向があります。
「長く使う」「後から増設したくない」場合、最初から64GBを搭載しておくのも一つの戦略です。
64GBを選ぶメリット
- 配信・録画・編集・ゲームを同時に行ってもスワップが発生しにくい
- 大量のブラウザタブや仮想マシン、AIツールなども余裕で扱える
- 将来的なタイトルやモッド環境でも安心
デメリット
- 現状、ゲーム性能(フレームレート)への直接的な恩恵はほとんどない
- メモリ価格が2倍前後になる
- 高速メモリキットでは安定動作のハードルが上がる場合がある
結論として、64GBは「ゲーム+クリエイティブ作業+配信」など複合用途の人向けです。
「将来も安心して使いたい」「同時に複数アプリを動かす」なら投資する価値はあります。
用途別に見る最適なメモリ容量
ゲームプレイが中心の場合
最新のAAAタイトルやオンラインゲームを高画質設定でプレイする程度なら、32GBで十分。
例えば「サイバーパンク2077」「Starfield」「バルダーズ・ゲート3」などでも、メモリ使用量は25GB前後で収まります。
ゲーム+配信・録画を同時に行う場合
OBSなどでストリーミング配信しながらプレイするなら、64GBが理想的。
配信ソフトやエンコード処理がメモリを圧迫し、長時間の録画ではキャッシュも蓄積します。
この用途では、32GBでは安定性が落ちるケースもあります。
ゲーム+制作・編集もする場合
動画編集、3Dモデリング、AI画像生成などを併用するなら、64GBをおすすめします。
特にAdobe Premiere ProやDaVinci Resolveなどを使う人は、メモリが多いほど処理がスムーズになります。
将来を見据えた長期使用
「今はゲーム中心だけど、後々は配信や編集もやってみたい」と考えている人は、最初から64GBにしておくと安心です。
ただし、コスト重視なら32GBスタート→後で増設という選択も現実的です。
メモリ構成で性能を引き出すコツ
容量だけでなく、構成も重要です。
- **デュアルチャネル構成(2枚組)**を基本にする
- 同一メーカー・同一仕様のメモリを揃える(混在は避ける)
- DDR5なら 5600〜6000MHz 程度がバランス良好
- レイテンシ(CL値) も確認しておくと安定性が上がる
また、将来の増設を考えるなら、最初は2スロット(2×16GB)で32GBを構成し、空きスロットを残しておくのがベターです。
これなら、後から同じ型番のメモリを追加して64GBにアップグレードできます。
コスパ重視なら「今は32GB、将来必要なら増設」
メモリは後からでも追加できるパーツです。
最初から64GBを入れておくのもいいですが、実際に使ってみて不足を感じたときに増設しても遅くはありません。
特にDDR5メモリは価格が安定してきており、2年後でも手に入りやすいでしょう。
そのため、「今のゲームを快適に遊びたい」「コスパ重視で組みたい」なら32GBで十分です。
逆に、「一度組んだら数年は触らない」「配信も動画制作も全部やる」人なら、64GBを選ぶと長く安心して使えます。
ゲーミングPCのメモリは32GBと64GBどっちが最適?最終結論
結論から言うと——
- ゲーム中心・軽いマルチタスク派 → 32GBで十分。
- 配信・編集・複数アプリ併用派 → 64GBが安心。
- 迷うならまず32GBで組み、後から増設。
今のゲーム環境では、32GBが“快適に遊ぶための標準ライン”です。
64GBは“安心と拡張性を求める人向け”。用途に合わせて、あなたのプレイスタイルに最適な構成を選びましょう。
