ゲーム用のデスクを整えて、モニターを2枚並べて、マイクやライトも設置。
いざ電源を入れようとしたら「コンセントが足りない…！」――ゲーミング環境を作ると、多くの人が一度はぶつかるこの悩み。
この記事では、実際にどう対処すれば安全で快適に電源を確保できるのか、具体的な方法をわかりやすく解説します。
どうしてゲーミングPCはコンセントが足りなくなるのか
原因はシンプルです。PCまわりの機器が多すぎるんです。
本体に加えて、モニター、スピーカー、マイク、ヘッドセットアンプ、照明、外付けストレージ、ルーター、スマホ充電器…。
気づけば壁のコンセント1口では到底足りません。
特にゲーミングデスクを整えている人ほど、機器が増える傾向があります。
しかもACアダプタが大きい機器が多く、差し込み口の隣を塞いでしまうことも。
「口数が足りない」「物理的に刺さらない」という二重の問題が起こりやすいんです。
さらに、コンセントや電源タップの配置が悪いと、配線が床に散らばって見た目も乱雑になります。
こうした状況は“足りない”だけでなく、“危ない”状態にもつながります。
無理なタコ足配線はNG！知っておくべき電気の基本
まず知っておきたいのは、家庭用コンセントの最大容量。
日本の一般家庭では、1口あたりおよそ1500W（100V×15A）が上限です。
ゲーミングPCはパーツ構成によって異なりますが、平均で400〜600Wほど。
モニター1台あたり60W前後、スピーカーや照明を加えるとあっという間に1000W近くになります。
同じ回路で他の家電（エアコンや電子レンジなど）も動かしていると、ブレーカーが落ちる原因になります。
「電源タップを増やせばいい」と考えがちですが、1つの壁コンセントから延長タップを連結して使う“タコ足配線”は非常に危険です。
熱がこもり、発火するリスクもあります。
まずは「一つの壁コンセントでどれだけの機器を動かしているのか」を意識するところから始めましょう。
まずやるべきは「消費電力と口数の見える化」
手元の機器をすべて書き出し、それぞれの消費電力を調べてみましょう。
PC、モニター、スピーカー、ルーター、LEDライト、スマホ充電器…。
合計ワット数をざっくり把握すれば、どんなタップが必要か判断できます。
同時に「今、どのコンセントに何を差しているか」も整理。
ひとつの壁コンセントにPCとモニターとルーターをまとめているなら、別の壁口に分けるだけで安定性が上がることもあります。
もし家の回路図があるなら、どの部屋がどのブレーカーにつながっているか確認しておくのもおすすめです。
複数のコンセントを“同じ回路”で使っていることもあり、見た目以上に負荷が集中しているケースがあります。
電源タップを選ぶときのポイント
タップは「口数が多ければいい」ではなく、「安全に使えるか」が最重要。
選ぶ際は次のような点をチェックしてみましょう。
- 定格容量：1500W対応かどうか。合計消費電力を超えない範囲で使う。
- 雷サージ・過電流保護付き：落雷や過電流から機器を守る安全機能があるか。
- 差込口の間隔：ACアダプタが隣と干渉しない設計か。
- ほこり防止シャッター付き：未使用口にホコリが溜まらないような構造か。
- ケーブルの長さと太さ：デスクまで届く長さか、ケーブルが細すぎて発熱しないか。
また、延長コードを何本も繋げるより、最初からケーブルが長いタップを選ぶほうが安全です。
床にコードを這わせる場合は、踏まれないよう配線カバーを使うとより安心です。
壁コンセントを増やすという選択肢
もしどうしても壁コンセントが少ない場合、電気工事で口数を増やすこともできます。
特にPCや周辺機器を常時稼働させる人は、専用回路の設置を検討する価値があります。
ただし、これは資格を持つ電気工事士の作業が必要です。
自分で分解や増設を行うのは絶対に避けてください。
賃貸物件の場合は、管理会社やオーナーへの確認も忘れずに。
壁コンセントの老朽化や配線の劣化があると、火花やトラッキング（ホコリが原因の発火）を起こすことも。
安全のためにも、古い設備をそのまま使うのではなく、専門業者に相談してみましょう。
配線整理で“コンセント不足感”を減らす
実は「コンセントが足りない」と感じる原因の一部は、“配線の乱れ”にあります。
床にケーブルが散らばっていると、どれがどの機器につながっているのか分からなくなり、結果として「もっと差込口が欲しい」と錯覚してしまうのです。
ケーブルを束ねてまとめるだけでも、かなり見た目がスッキリします。
デスク裏にケーブルトレーを設置したり、結束バンドやケーブルボックスを使って配線を浮かせるのも効果的です。
また、ホコリが溜まりにくくなり、トラッキング火災のリスクも減ります。
“整理”と“安全”はセット。
見た目を整えることが、結果的に安全で快適な電源環境づくりにつながります。
安全に使うためのチェックリスト
最後に、今日からできる簡単なチェック項目をまとめます。
- 壁コンセントに何台の機器を繋いでいるか確認する
- 電源タップの定格容量（1500W）を超えていないかチェック
- タコ足配線や古い延長コードを使っていないか見直す
- タップやコードに熱を感じたらすぐ使用を中止する
- ケーブル周りにホコリや水気がないか確認
- 使用年数が長いタップは3〜5年で交換を検討
- 機器追加を見越して、少し余裕のある構成にしておく
これらを守るだけで、電源トラブルのリスクを大幅に減らせます。
ゲーミングPCのコンセントが足りない時に大切なのは「安全と余裕」
結論として、“足りない”という悩みの多くは、
・電力の見える化
・安全なタップ選び
・整った配線環境
この3つでほぼ解決できます。
無理にコンセントを増やしたり、安価な延長コードを重ねるのではなく、
「どこに、どのくらいの電力を使っているのか」を意識することが第一歩。
ゲーミングPCは高性能で電力を多く使う分、安定した電源環境が必要です。
快適で安全なプレイ環境を維持するためにも、今日からコンセントまわりを見直してみましょう。
きっと、“足りない”が“安心”に変わるはずです。
