「ゲーミングPCを10万円で自作したいけど、本当にできるの?」
そんな疑問を持つ人は少なくありません。
確かにゲーミングPCというと、高価で難しそうなイメージがありますよね。
でも、実は10万円前後でも十分に“快適に遊べる一台”を作ることができます。
ここでは、これから自作に挑戦したい初心者に向けて、10万円で組める現実的な構成と考え方をやさしく解説します。
自作PCが初心者にもおすすめな理由
自作PCの最大の魅力は、「自分の目的にぴったり合わせられること」。
既製品のゲーミングPCは性能は良くても、不要な機能や装飾が多く、そのぶん価格が高くなりがちです。
自分で組むなら、「ゲームに必要な性能」だけにお金をかけられます。
しかも、パーツを理解しておけば、数年後にグラフィックボードだけ交換して性能アップ、なんてことも簡単です。
もう一つの利点は、費用対効果の高さ。
同じ性能でも、完成品を買うより自作のほうが2〜3万円安く仕上がることも珍しくありません。
つまり、10万円という限られた予算でも、しっかりゲームが遊べるスペックを目指せるのです。
10万円の予算でどこまでの性能を狙える?
まず現実的なラインを知っておきましょう。
10万円前後の自作PCなら、フルHD解像度(1920×1080)で中~高設定・平均100fps前後が目安です。
Apex LegendsやValorant、Fortniteなど人気タイトルは十分に快適に動かせます。
一方で、4K画質やレイトレーシング対応のAAAタイトルを最高設定で楽しむには、さすがに厳しいです。
その場合は、プラス5〜7万円ほどの予算を考えたほうが現実的です。
でも「フルHDでサクサク遊びたい」「コスパを重視したい」という人には、10万円構成でも十分満足できる環境を作れます。
どこにお金をかけるかが勝負
10万円という限られた中で、どのパーツに重点を置くかが成功のカギです。
優先順位の基本は次のとおり。
- グラフィックボード(GPU)
- CPU
- メモリ
- SSD
- マザーボード
- 電源ユニット
- ケース
この順番を意識するだけで、組み上がりの満足度が大きく変わります。
グラフィックボード(GPU)
ゲームの快適さを決める最重要パーツ。
10万円構成では「AMD Radeon RX 7600」や「NVIDIA GeForce RTX 4060」クラスが狙い目です。
価格は約4万円前後。ここでケチると後悔します。
CPU
GPUの性能を引き出すための“頭脳”。
AMD Ryzen 5 5600 や Intel Core i5-12400F あたりがコスパ良好。
価格帯は2万円前後が目安です。
メモリ
ゲームなら16GB(8GB×2)が現在の標準。
32GBにする余裕があればベストですが、まずは16GBでも十分です。
ストレージ
M.2 NVMe SSDの500GB〜1TBが主流。
ロード時間が短く、快適さを大きく左右します。
マザーボード・電源・ケース
これらは「必要な機能を満たしていればOK」。
ただし電源だけは安物を避けて、信頼性の高いメーカー品(80PLUS Bronze以上)を選びましょう。
実際のパーツ構成例(約10万円)
2025年時点の相場を参考に、代表的な構成を紹介します。
- CPU:AMD Ryzen 7 5700X(約22,000円)
- GPU:Radeon RX 7600(約35,000円)
- メモリ:DDR4 16GB(約6,000円)
- SSD:M.2 NVMe 500GB(約6,000円)
- マザーボード:ASUS PRIME A520M-E(約4,000円)
- 電源:650W Bronze(約6,000円)
- ケース:ZALMAN Z1 Iceberg(約8,000円)
- CPUクーラー:付属品または2,000円程度
- OS:Windows 11 Home(約16,000円)
合計:約105,000円
この構成なら、Apex LegendsやValorantで平均120fps前後を実現できます。
見た目もシンプルで、初心者でも組みやすいバランスです。
初めてでも失敗しないための注意点
自作でありがちなトラブルを防ぐために、最低限おさえておくべきポイントを紹介します。
1. 互換性を必ずチェック
CPUとマザーボードのソケットが合っているか、メモリの規格が対応しているかを必ず確認しましょう。
購入サイトの商品ページやメーカー公式サイトで確認できます。
2. 電源容量に余裕を持つ
ギリギリの容量だと、将来グラボを交換したときに足りなくなることも。
650Wあればミドルレンジ構成なら十分余裕があります。
3. 静電気対策を忘れずに
作業中は金属部分に触れて静電気を逃がすか、リストバンドを使うと安心です。
4. 配線とエアフローを意識
ケーブルを整理して空気の通り道を確保することで、冷却性能と静音性がアップします。
5. BIOSとドライバ更新を行う
組み立て後は、まずBIOSを最新化し、GPUやチップセットのドライバも入れましょう。
これを怠ると、せっかくの性能が出ないこともあります。
節約したいときの工夫
「あと5,000円削りたい…」というときのアイデアもあります。
- ケースを安価なモデルにする(見た目より機能重視)
- CPU付属のクーラーをそのまま使う
- ストレージを500GBにして、後から1TBを追加する
- セールや中古市場を活用する
ただし、あまりに安い中古パーツは初心者にはおすすめできません。
動作確認や保証が不十分なこともあるため、最初は新品中心で組むのが安全です。
自作初心者がつまずきやすいポイント
自作PCを組むとき、誰もが一度は「動かない…!」を経験します。
でも焦らなくて大丈夫。多くの場合、原因は単純です。
- 電源ケーブルの差し忘れ
- メモリの差し込みが浅い
- フロントパネルケーブル(電源スイッチ)の接続ミス
- GPU補助電源をつないでいない
このあたりを順に確認すれば、たいてい解決します。
組み立て前にYouTubeなどで“組み立て手順動画”を見ておくのもおすすめです。
将来を見据えたアップグレードの考え方
10万円構成は「入門機」として理想的です。
その後、必要に応じて以下のように強化できます。
- GPUを上位モデルに交換(RX 7800 XTなど)
- メモリを16GB→32GBに増設
- SSDを追加して容量アップ
- 電源を750Wに交換して上位構成に備える
最初から“拡張しやすいマザーボードと電源”を選んでおくと、アップグレードの自由度が高まります。
10万円でゲーミングPCを自作する方法のまとめ
10万円でゲーミングPCを自作するのは、決して夢ではありません。
ポイントは「GPU中心の構成」「必要十分なCPU」「16GBメモリ+SSD500GB」「信頼できる電源」。
この4つを意識すれば、初心者でもしっかり動く1台が組めます。
さらに、自作PCは“作る楽しさ”も大きな魅力です。
自分の手で組み上げ、電源を入れた瞬間の達成感は何物にも代えがたいもの。
予算を抑えながら、自分だけのマシンを作る。
それこそが、10万円ゲーミングPC自作の最大の価値です。
あなたもぜひ、この機会に挑戦してみてください。
