「え、これが100均で買えるの?」——初めて手に取ったとき、思わずそう口にしてしまう人も多いはず。
いまや100円ショップでも“完全ワイヤレスイヤホン”が売られている時代。しかも税込1,100円ほどで、Bluetooth対応、ケース付き。
そんな超低価格イヤホン、実際のところどれほど使えるのか? 本音でレビューしていこう。
100均でワイヤレスイヤホンが買える時代に
最近ではダイソーやセリアなどの100円ショップでも、完全ワイヤレスイヤホンが普通に並んでいる。
「100均」とはいえ、価格は1,000円+税。とはいえ“ワイヤレスイヤホンが1,000円台”という衝撃は大きい。
この価格帯の製品が増えた背景には、ワイヤレスイヤホンの技術コストが下がったことがある。
以前は数千円〜数万円が当たり前だったBluetoothイヤホンも、いまはチップの大量生産や中国メーカーの参入でぐっと安くなった。
結果として、100円ショップでも「まずは試してみたい」という層に届く価格で提供できるようになったのだ。
ダイソーの人気モデルを例に見てみよう
ダイソーの「完全ワイヤレスイヤホン TWS002」シリーズは、100均界隈ではすっかり定番の存在になった。
シリーズにはいくつかのモデルがあり、たとえばTWS002はBluetooth 5.3対応、USB-C充電、片耳単独再生もできる仕様。
完全ワイヤレスイヤホン TWS005ではさらに小型化され、耳にすっぽり収まるミニサイズ設計になっている。
連続再生時間はおおよそ4〜5時間。ケース込みで18時間前後と、日常使いには十分なバッテリー持ちだ。
もちろんノイズキャンセリングや高音質コーデック(AAC・LDACなど)は非対応だが、動画や音楽を“ながら聴き”するには問題ないレベル。
実際に使ってみた感想:軽さと手軽さが最大の魅力
最初に驚くのは、装着感の軽さ。
本体はとにかく小さく、耳に入れても重さを感じない。ケースもコンパクトで、ポケットに入れても邪魔にならないサイズ感だ。
接続もスムーズ。
ケースから取り出すと自動でペアリングモードに入り、スマホ側で一度登録すれば次回以降は即接続される。
Bluetooth 5.3対応モデルでは遅延もほとんどなく、YouTubeやNetflixなどの動画視聴もストレスなし。
実際に音を出してみると、思っていたよりしっかり鳴る。
低音がしっかり出るタイプもあり、「1000円なのに?」と驚く人も多い。
もちろん、高音の伸びや繊細な音の広がりは高級モデルには及ばないが、通勤・通学や作業BGMには十分だ。
音質の印象:価格を考えれば十分以上
音質については、率直にいえば「想像していたよりずっと良い」。
1000円台のイヤホンにありがちな“シャカシャカした安っぽい音”というよりは、意外にもバランスが取れている。
低音はしっかり出るが、やや中音域が控えめ。
ボーカルよりもリズムやビートを重視するような曲には相性がいい。
ただし装着角度によって音の印象が変わる。
インナーイヤー型では、耳にフィットさせる角度を少し変えるだけで低音の量感が変化する。
「耳にしっかり収めると迫力が増す」というレビューも多い。
音質を細かく求める人には物足りないだろうが、「ながら聴き」「動画・ゲーム用」にはちょうどいい。
特にBluetoothの遅延が少ない点は、この価格帯としてはかなり優秀だ。
使って感じたメリット
- とにかく安い
1,100円で完全ワイヤレス。これだけで十分に魅力的だ。
「試しに買ってみよう」と思える価格は、他にない。 - デザインが想像以上に悪くない
シンプルでマットな質感。遠目では高級機にも見える。
カラーバリエーションも複数あり、好みに合わせて選べる。 - 持ち運びやすい小型ケース
ポケットサイズの充電ケースは非常に軽量。
通勤カバンやポーチの隅に入れておいても気にならない。 - Bluetooth接続が安定
旧モデルより改善され、通信が途切れにくくなった。
ペアリング操作も簡単で、初心者でも扱いやすい。 - 動画・ゲームでも使える遅延の少なさ
SNSやレビューでも「遅延を感じない」という声が多い。
スマホで動画を見たりゲームをする人にはうれしいポイントだ。
一方で気になるデメリットも
もちろん、価格なりの限界はある。
- 高音質を求める人には物足りない
ハイレゾやLDACなどの高音質コーデックには非対応。
音楽を細部まで楽しみたい人には向かない。 - ノイズキャンセリング非搭載
周囲の雑音はそのまま聞こえる。電車内やカフェなどでは音量を上げる必要がある。 - バッテリー容量は控えめ
ケース込みで約18時間と、一般的なモデルよりは短め。
長時間の外出ではこまめな充電が必要。 - 個体差・初期不良のリスク
一部で「片耳から音が出ない」「充電できない」という報告も。
購入後はすぐ動作確認をしたほうが安心だ。 - 耐久性はそれなり
1,000円台という価格を考えれば仕方ないが、落下や水濡れには注意。
長期的な使用にはあまり向かない。
どんな人におすすめ?
「100均ワイヤレスイヤホン」が合うのは、次のような人だ。
- ワイヤレスイヤホンを初めて使ってみたい
- 通勤・通学・家事など“ながら聴き”が中心
- 紛失・破損を気にせず気軽に使いたい
- 子ども用やサブ機として安く持っておきたい
逆に、音質や機能を最優先する人にはおすすめできない。
高音質を求めるなら、数千円台のエントリーモデルを選んだほうが満足度は高い。
実際のレビューから見るリアルな評価
SNSやレビューサイトを見てみると、リアルな感想が並んでいる。
「1000円でこれなら文句なし」
「意外と低音がしっかり出る」
「動画でも音ズレしない」
「音質よりも軽さと手軽さが最高」
一方で、
「音がこもる感じ」「片耳が切れる」「バッテリーが短い」
といったマイナス意見も。
つまり、“価格を理解して買うなら満足度が高い”というのが正直なところ。
1万円のイヤホンと比べるものではなく、「1000円でここまでできる」がこの商品の魅力だ。
購入時のチェックポイント
100均のイヤホンは在庫や仕様が店舗ごとに違う。
買う前に確認しておきたいのは次の点。
- 税込価格(1,100円前後)
- Bluetoothバージョン(5.0以上なら安心)
- 充電端子(USB-Cが便利)
- カナル型かインナーイヤー型か
- パッケージに再生時間や動作保証が明記されているか
また、購入後はすぐに動作チェックを。
接続できない、片耳から音が出ない、といった初期不良がないか確認しておくといい。
安いからこそ、使えないまま放置してしまうのはもったいない。
「安かろう悪かろう」はもう古い
かつての100均イヤホンといえば、音質が悪く壊れやすいイメージが強かった。
しかし、最近のモデルは確実に進化している。
Bluetoothの安定性、バッテリー持ち、デザイン、どれをとっても数年前とは別物だ。
もちろん、音楽を“聴き込む”というより、“使いこなす”タイプのイヤホン。
仕事中のBGM、動画視聴、軽い運動など、日常生活の中で気軽に使えるのが魅力だ。
「イヤホンを気にせず使える自由さ」こそ、この価格帯の最大の価値といえる。
100均ワイヤレスイヤホンの実力、結論は?
結論から言えば——
100均ワイヤレスイヤホンは“期待しすぎなければかなり使える”。
1,000円ちょっとで完全ワイヤレスが手に入り、通勤・通学・動画・ゲームに十分対応できる。
音質は中の上、デザインも悪くない。
高音質やノイズキャンセリングを求めなければ、コスパは抜群だ。
「壊れても気にならない」「気軽に試せる」
そんな自由さを楽しめるのが、このイヤホンの一番の魅力。
一言でまとめるなら——
“1000円でこれなら、十分アリ。”
ワイヤレスイヤホンをまだ持っていない人は、まずこの100均モデルから始めてみるのもいいかもしれない。
