星空って、不思議と心を奪われますよね。都会の明かりを離れてふと空を見上げたとき、「あ、今日は星がきれいだな」と思った経験、誰にでもあるはず。
でも、いざその感動をiphoneで切り取ろうとすると、シャッターを押した瞬間にガッカリ……。画面には真っ暗な画像しか写っていない。
「なんで?肉眼ではこんなに星が見えてるのに!」
その悩み、すごくわかります。実は、iphoneのカメラで星を撮るには、ちょっとしたコツと知識が必要なんです。
この記事では、「iphoneで星を撮りたい」 というあなたの願いを叶えるために、基本の設定から三脚なしでも挑戦できるテクニック、さらには天の川を捉えるための応用技まで、徹底的に解説していきます。
これを読めば、今夜からあなたのiphoneが立派な星景カメラに変身すること、間違いなしです。
そもそも、iphoneで星は本当に撮れるの?
結論から言います。撮れます。
ただし、「普通にカメラアプリを開いて、パシャッと撮る」だけでは、ほぼ100%失敗します。なぜなら、星は思っている以上に暗いから。人間の目は暗闇に順応する能力に優れているので、なんとか見えていますが、カメラにとっては極めて少ない光しか届いていないんです。
機種による性能差を知っておこう
iphoneと一口に言っても、機種によって星空撮影の難易度は大きく変わります。
- iPhone 11以降(ナイトモード搭載機種):比較的簡単。三脚を使えば自動で露出時間が延びる。
- iPhone Xs以前 / SEシリーズ(ナイトモード非搭載):少し工夫が必要。サードパーティ製アプリの力を借りるのが近道。
でも、古い機種だからって諦める必要はありません。この後紹介するテクニックを使えば、どのiphoneでも星空撮影は可能です。大事なのは「設定」と「環境」なんです。
撮影前に知っておきたい!一枚目で差がつく準備と環境選び
良い写真は、良い準備から生まれます。カメラの設定をいじる前に、まずは撮影場所とタイミングをしっかり見極めましょう。これだけで成功率がグッと上がります。
場所選びの極意「光害」から逃げる
星が見えにくい原因のほとんどは、街の明かりです。これを「光害(ひかりがい)」と言います。
理想は、街灯や建物の明かりが一切ない山奥や海辺。でも、なかなか行けないですよね。そんな時は、近くの公園でも「街明かりが直接差し込まない場所」を選びましょう。大きな木の陰や、建物の影になる部分を探すのがコツです。
さらにスマートに探すなら、「光害マップ」というWebサイトが便利です。地図上で光の少ないエリアが色分けされていて、自宅周辺の穴場スポットを見つけられます。
時期と時間は「月」のスケジュールをチェック
星空撮影において、月は最大の味方であり、最大の敵でもあります。
- 新月に近い日:月明かりがなく、天の川がくっきり見えるベストタイミング。
- 月明かりがある日:明るすぎて淡い星や天の川がかき消されてしまう。
満月の夜は、月自体はきれいに撮れても、星空撮影には不向きです。撮影計画を立てる前に、必ず「月齢カレンダー」で月の出・月の入りの時間を確認するクセをつけましょう。
【基本編】iphone星空撮影の3ステップ
では、実際に撮影してみましょう。ここでは、最新のiphone(ナイトモード搭載機種)を前提に、基本の手順を解説します。
ステップ1:絶対に固定する。三脚があれば神になれる
まず大前提。星空撮影は「長時間露光」になるため、カメラが少しでもブレると星が線になってしまいます。
- 三脚がある場合:小型の携帯三脚でOK。iphoneをしっかり固定しましょう。これがベストです。
- 三脚がない場合:地面に置く、岩場に立てかける、リュックの上に置くなど、とにかく動かない場所に設置します。息を止めてシャッターを押すのもテクニックのうち。
ステップ2:構図を決めて、フォーカスと露出をロックする
- カメラアプリを開き、画面の中で一番明るい星をタップします。
- 黄色い四角(フォーカス枠)が出たら、そのまま指を画面から離さずに上下にスライドさせ、露出(明るさ)を思い切り下げます。一度下げてから、星がギリギリ見えるくらいまで少しずつ上げていくのがコツ。
- 露出を決めたら、黄色い枠を長押しして「AE/AFロック」をオンにします。これでピントと明るさが固定され、勝手に変わらなくなります。
ステップ3:ナイトモードの露光時間を最大にする
画面左上に、ナイトモードのアイコン(三日月みたいなマーク)が出ていることを確認しましょう。
iphoneを三脚などで完全に固定すると、この数値が自動的に「最大30秒」に変わります。もし10秒などのままなら、シャッターボタンの横にある数字をタップして、手動で最大値(30秒)までスライドさせてください。
準備ができたら、あとはシャッターボタンをポチッ。カウントダウンが始まり、30秒後には見事な星空写真が撮れているはずです。
【応用編】ワンランク上の星空写真を撮るテクニック
基本を押さえたら、次はさらにクオリティを上げるためのテクニックに挑戦してみましょう。ここからは、より深い知識と少しの根気が必要になります。
天の川を撮りたいなら「500ルール」を覚えよう
星は、地球の自転(日周運動)によって東から西へ動いています。長時間露光をすると、その動きが「星の軌跡」として写ってしまいます。
天の川を「点像」としてクリアに写したい場合、この動きを許容範囲内に抑えなければなりません。その計算式が「500ルール」です。
500 ÷ 使用するレンズの焦点距離(mm) = 最大露光時間(秒)
iphoneのメインカメラ(広角)は焦点距離26mm(フルサイズ換算)相当が多いので、計算式はこうなります。
500 ÷ 26 = 約19秒
つまり、三脚を使ってナイトモードの30秒で撮ると、実は星がわずかに動いてしまい、拡大するとほんの少しだけ流れている可能性があります。よりシャープな天の川を撮りたいなら、露光時間を20秒以内に抑えて撮影するのが理想です(その分、暗くなるのでISO感度で調整します)。
サードパーティ製アプリのススメ
ナイトモード非搭載の機種はもちろん、搭載機種でも、もっと細かい設定をしたいなら、サードパーティ製のカメラアプリが超便利です。
おすすめは「NightCap Camera」。天体撮影モードが搭載されており、自動で「500ルール」を計算して最適な露光時間を設定してくれたり、星の軌跡を撮るインターバル撮影も簡単にできます。有料ですが、星空撮影に特化したいなら投資する価値は大いにあります。
撮ったら終わりじゃない!「現像」で写真が化ける
実は、星空撮影で一番重要なのは「撮影後」の編集、いわゆる「現像」かもしれません。特にRAW(ProRAW)形式で撮影しておくと、編集の幅が格段に広がります。
「Adobe Lightroom mobile」や「Snapseed」などの無料アプリで、以下のポイントを調整してみましょう。
- ホワイトバランス:夜空を無理に真っ黒にせず、若干青みを帯びた色合いにすると雰囲気が出る。
- コントラスト:少し強めにすることで、星と背景のメリハリがつく。
- 黒レベル:背景の余計なノイズを引き締める。
- テクスチャ / 明瞭度:天の川の淡い部分を強調する魔法のスライダー。
たったこれだけの調整で、撮影直後の写真とはまるで別物のクオリティになります。
【機種別】あなたのiphoneならどう撮る?
最後に、お使いのiphoneのモデル別に、最適な撮影アプローチをまとめておきます。
- iPhone 15 Pro / 16 Proシリーズ:
ProRAW(解像度48MP)で撮影しよう。圧倒的な解像度で、トリミングに耐えうる一枚が撮れます。編集の自由度が段違い。 - iPhone 13 / 14 / 15 / 16(無印/Plus):
ナイトモードを最大活用。三脚を使った30秒露光で十分に美しい写真が撮れます。撮影後は純正の編集機能で明るさや彩度を微調整するだけでも高品質。 - iPhone SE(全世代) / iPhone 8以前:
純正カメラアプリでは限界があります。素直に「NightCap Camera」などのアプリを導入しましょう。ISO感度やシャッタースピードを手動で設定できるようになり、古い機種でも驚くほど星が写るようになります。
まとめ:iphoneで星を撮る楽しみ方
iphoneでの星空撮影は、ちょっとした知識と準備で、その可能性が大きく広がります。
最初はうまくいかないこともあるかもしれません。それでも、何度も通って、その日の空のコンディションを見極め、設定を少しずつ変えて試行錯誤した先に、自分だけの最高の一枚が見つかるはずです。
暗闇に慣れた目に、突然天の川が浮かび上がった時の感動。その瞬間を、あなたのiphoneでぜひ切り取ってみてください。
さあ、今夜は少しだけ遠くに出かけて、空を見上げてみませんか?
