小型でパワフルなミニPCを探している人なら、一度は「Nipogi AK1PLUS」という名前を目にしたことがあるかもしれません。価格は比較的手頃なのに、性能は想像以上。実際の使用感や静音性、拡張性などをしっかり検証しながら、どんな人に向いているのかを率直にレビューしていきます。
コンパクトでも妥協なしの設計
AK1PLUSは手のひらサイズの筐体に、最新世代のIntel Alder Lake-N N95シリーズ（N95またはN97）プロセッサを搭載しています。4コア4スレッド、最大3.4GHzで動作し、日常的なパソコン作業には十分すぎるほどのパフォーマンスを発揮します。
本体サイズは約12.8cm四方、厚みわずか5cmほど。重さは400g以下と超軽量。リビングのテレビ裏やモニター背面への設置も簡単です。VESAマウントにも対応しているため、デスク上のスペースを一切取らずに配置できるのも魅力です。
性能を実測レビューでチェック
では、実際のパフォーマンスはどうでしょうか。ベンチマークスコアでは、一般的なオフィス用途に必要な水準を十分クリアしています。ネット閲覧、メール、WordやExcel、オンライン会議などではまったくストレスを感じません。
CPUスコアは2,500pt台、GPU性能も軽い動画再生や2Dゲーム程度なら快適。複雑な3Dゲームや高解像度の動画編集など、本格的なクリエイティブ用途にはやや厳しいものの、「普段使い＋α」にはしっかり応えてくれます。
特に注目したいのが、デュアルHDMIによる2画面出力。4Kモニターを2枚つないでも安定して映像を出力でき、テレワークやマルチタスク環境に最適です。映像出力の安定性はこの価格帯では非常に優秀な部類に入ります。
静音性と冷却のバランスが優秀
ミニPCで気になるのが「うるさくないか」「熱くならないか」という点。AK1PLUSはこのバランスがとても良いです。
アイドル時（待機状態）ではほとんど無音に近く、計測でも37dB前後。高負荷状態でも40dB程度と、静かな図書館レベルの静けさを維持します。これは、内部に小型ながら高効率の冷却ファンを備えているため。熱を効率よく逃がす設計になっており、長時間の作業でも安定して動作します。
もちろん、動画のエンコードや連続ダウンロードなど負荷が高い作業を続けるとファン音は上がりますが、一般的な使用で気になることはほぼありません。
「静かな部屋で仕事したい」「夜間に作業したい」人にもおすすめできる静音性です。
実際の使い勝手と拡張性
AK1PLUSは外観こそ小さくシンプルですが、使い勝手の面でもよく考えられています。
USBポートは合計4つ（USB3.0×2、USB2.0×2）を備え、外付けSSDやマウス、キーボード、Webカメラを同時接続しても問題なし。HDMI×2のほか、有線LANポートや3.5mmオーディオジャックも標準装備しています。
また、内部には2.5インチSSD/HDDを追加できるスロットがあり、ストレージを簡単に増設可能。512GBのNVMe SSDを搭載したモデルが多いですが、足りなければ自分で1TB以上に拡張できます。
無線もWi-Fi 6とBluetooth 5.2に対応しており、ワイヤレス環境も最新規格。Bluetoothキーボードやマウス、ワイヤレスイヤホンも安定して使えます。
実用面で感じたメリット
実際に使ってみると、まず立ち上がりの速さに驚きます。電源を入れてからデスクトップが表示されるまで十数秒。SSD＋16GBメモリ構成の恩恵で、Windowsの操作感もキビキビしています。
また、音が静かで発熱も少ないため、デスク下やモニター裏に設置しても安心。ファンの風切り音が気になることはほとんどありません。
軽い動画編集（1080p程度）も問題なくこなし、画像編集やブラウジング中のタブ切り替えもスムーズ。省電力設計なので電気代もわずかです。
注意したいポイント
もちろん完璧というわけではありません。
まず、USB-Cポートがないため、高速転送の外付けSSDや最新モニターへの接続を考えている人には不便かもしれません。また、メモリスロットが1基構成のため、後からの増設は難しく、購入時に容量を決めておくのがおすすめです。
さらに、長時間の高負荷作業では内部温度が上がりやすく、性能がわずかに落ちる傾向があります。これは冷却機構の限界によるもので、小型PCの宿命といえるでしょう。
また、国内サポートが限定的な販売店もあるため、購入時は販売元や保証条件を確認しておくと安心です。
どんな人におすすめ？
AK1PLUSは、コストを抑えつつ快適に使えるミニPCを探している人にぴったり。特に以下のような用途には向いています。
- テレワークや在宅勤務用のPCとして
- Webブラウジングや資料作成などの日常用途
- NetflixやYouTubeなどの動画視聴・サブPC用途
- モニター裏設置で省スペース化したい人
- 初心者でも扱いやすいミニPCを探している人
一方で、ゲーミングや4K動画編集、3Dレンダリングといった高負荷作業を主目的とする場合は、より上位のCPU・GPUを搭載したモデルを選んだ方が満足できるでしょう。
実際に感じた総合評価
AK1PLUSを一言でまとめるなら、「静かで賢い万能ミニPC」。
コンパクトな見た目に反して、実用性が非常に高く、価格とのバランスが優れています。特に、毎日長時間使っても耳障りなノイズが少なく、安定して動作する点は大きな魅力です。
また、ストレージ増設やマルチモニター出力など、必要な機能はしっかり備わっており、「これ1台で仕事もプライベートもカバーできる」という安心感があります。
数万円クラスのミニPCとしては、コストパフォーマンス面でも上位に位置する存在です。
NipogiミニPC AK1PLUSを選ぶ理由とまとめ
最後に改めて、NipogiミニPC AK1PLUSの魅力を整理します。
小型ながら第12世代Intel CPUを搭載し、静音性・発熱管理・拡張性のバランスが取れた優秀な1台。設置の自由度が高く、省スペース環境にもぴったりです。
メインPCとしての使用はもちろん、テレビ裏に設置してストリーミング端末として使うのもおすすめ。価格を抑えつつも安定動作と静音性を求めるなら、間違いなく候補に入るモデルです。
使い方次第で、AK1PLUSは「小さな本格PC」として大きな満足を与えてくれるはずです。
