最近、小型で高性能な「ミニPC」が注目されています。中でも、Intel N97を搭載したモデルは「安いのに快適に使える」と話題になっています。
この記事では、実際にN97ミニPCを使って感じた使用感や、各種ベンチマーク結果を交えながら、その実力をじっくりレビューしていきます。
N97ミニPCってどんなパソコン?
まず、N97ミニPCとはどんなものかを簡単に紹介します。
N97はIntelが開発したAlder Lake-N世代のCPUで、4コア4スレッド構成、最大3.6GHzのクロックを持つ省電力チップです。
TDPはわずか12Wと非常に低く、電気代を気にせず長時間稼働させられるのが魅力。
このCPUを搭載したミニPCは、掌サイズのコンパクトな筐体にWindows 11を搭載しており、テレビやモニターにHDMIで接続するだけですぐに使えます。
代表的なモデルとして、GMKtec NucBox G5やNiPoGi AK1 Plus、ACEMAGIC S1などがあります。いずれも2〜3万円前後で購入でき、低価格帯ながら十分な性能を発揮します。
実際の使用感:小さいけど意外と頼れる
サイズは72mm四方ほど、重量も約170gと非常に軽量。持ち運びが苦にならず、出張先やリビング用PCとしても便利です。
電源はType-CケーブルでのPD給電に対応しているので、モバイルバッテリーでも動作可能。まるでスマホのような手軽さです。
起動時間は非常に速く、電源を入れてからデスクトップ表示まで10秒ほど。
ブラウザの立ち上げやYouTube視聴、WordやExcelの操作など、日常作業ではストレスを感じません。
また、Wi-Fi 5やBluetooth 4.2、有線LANにも対応しているため、通信面も安定しています。
特に静音性の高さが印象的で、アイドル時のファン音はほぼ無音。夜中の作業でも気にならないレベルです。
これほど小さなPCで、ここまで快適に動くのは正直驚きでした。
ベンチマーク結果とパフォーマンス
ここでは実測ベンチマークの一例を紹介します。Cinebench R23では、シングル約1000点、マルチ約2700点前後。
この数値は、一般的なノートPCのエントリーモデルに近い性能です。
動画視聴やオフィス作業はもちろん、画像の簡単な編集や軽いプログラミングなら問題ありません。
グラフィックスはIntel UHD Graphicsを搭載し、4K出力×2画面に対応。
4K動画の再生もスムーズで、映像がカクつくことはありませんでした。
GLMark2のスコアは約2,800点と、同世代のN100搭載機よりもGPU性能が高めです。
SSDの読み込み速度は約480MB/s、書き込みが350MB/s程度。
高速NVMe SSDほどではないものの、体感では十分に快適。
ただし、負荷をかけ続けると若干クロックが下がり、ベンチマーク結果が落ちる傾向もありました。小型ゆえの冷却性能の限界は意識しておきましょう。
実際に使って感じたメリット
1. 圧倒的な省スペース性
モニター裏にVESAマウントで取り付け可能で、デスク上が驚くほどスッキリ。リビングや寝室、カフェでも設置に困りません。
2. 電力効率が高い
アイドル時で6W、負荷時でも25W前後と非常に低消費電力。
24時間つけっぱなしにしても、電気代は月数十円程度に抑えられます。
3. コスパの良さ
実売価格はおよそ2〜3万円台。
「このサイズでWindows 11 Proが動くの?」という驚きとともに、価格以上の満足感を得られます。
4. 動作の軽快さ
複数タブを開いてネットサーフィンしても快適。
動画再生、文書作成、軽めの画像編集など、一般的な用途なら問題なし。
5. サブPC・家族用として最適
「リビングのテレビでネットを見る」「子どもの学習用に1台」「出張や旅行先で作業したい」など、ライトユースにピッタリです。
注意点と気をつけたいポイント
どんな製品にも弱点はあります。N97ミニPCも例外ではありません。
1. ストレージ速度は控えめ
搭載されているSSDはM.2 2242タイプが多く、ハイエンドNVMe SSDほど速くありません。
大量のデータ転送や動画編集を頻繁に行う場合は、外付けSSDを併用すると良いでしょう。
2. 冷却性能の限界
負荷の高い作業を長時間続けると、内部温度が上がりクロックが下がる傾向があります。
エアフローを確保し、通気性の良い場所で使うことをおすすめします。
3. 拡張性の少なさ
オンボードメモリを採用している機種も多く、後からメモリを増設できない場合があります。
購入前に「メモリ容量固定タイプ」かどうかを必ず確認しましょう。
4. サポート体制
中華ブランド製が多いため、国内サポートや保証がやや心もとないモデルもあります。
購入時は販売店のレビューや保証内容を確認し、信頼できる店舗から購入するのが安心です。
N100やRaspberry Pi 5との比較
同価格帯のCPUとしてよく比較されるのがIntel N100やRaspberry Pi 5です。
N100は省電力性に優れていますが、GPU性能ではN97が上回ります。
GLMark2スコアではN100が約2,000点に対してN97は約2,800点と、映像処理に強い傾向があります。
一方、Raspberry Pi 5はLinuxベースの趣味用途向け。
ベンチマーク上はN97と近いスコアですが、Windowsを標準で使える利便性を考えると、N97ミニPCの方が圧倒的に実用的です。
どんな人におすすめか?
- 自宅のサブPCが欲しい人
→ 家族共有の動画視聴・調べ物・学習用途に最適。 - 出張や旅行先でも作業したい人
→ 小型・軽量なので、モバイルモニターと合わせて携行可能。 - 省スペースを重視する人
→ デスクトップの代わりに、モニター裏に設置してスッキリ。 - 電気代を抑えたい人
→ 常時稼働しても月数十円レベルの消費電力。 - コスパを重視したライトユーザー
→ 価格に対する満足度が非常に高く、「ちょっとした作業用PC」として最適。
まとめ:N97ミニPCレビュー!実際の使用感とベンチマーク結果を詳しく紹介
N97ミニPCは、価格・性能・サイズのバランスが取れた優秀な小型PCです。
小さいながらも4コアCPUを搭載し、動画再生やオフィス作業を快適にこなせます。
省スペースで静音、省電力という特性から、サブマシンとしての価値は非常に高いです。
もちろん、重い処理や拡張性の面では限界もありますが、「安定して動く小型PCが欲しい」「家庭内や出先でサッと使えるPCが欲しい」というニーズにはしっかり応えてくれます。
N97ミニPCは、ライトユーザーにとって“ちょうどいい性能と価格”を両立した一台。
小さな筐体に詰め込まれた実力を、ぜひ一度体験してみてください。
