最近話題の「GMKTEC NucBox G9」は、手のひらサイズながらも多機能でパワフルなミニPCとして注目を集めています。
この記事では、実際の評判や性能、そして「なぜこの小さなPCが快適に動作するのか」をわかりやすく紹介していきます。
コンパクトなのに高性能?NucBox G9の基本情報
まず、NucBox G9の概要を簡単に整理しましょう。
GMKTECというメーカーが手掛けるミニPCシリーズの最新モデルで、Intel N150プロセッサを搭載しています。
メモリは12GBのLPDDR5、ストレージはM.2スロットを4基備え、合計で最大16TB以上の拡張が可能です。
本体サイズは「146.6×100.25×38.75mm」。
わずか336gほどの軽さで、ノートPCのACアダプター程度の大きさ。
デスク上に置いても邪魔にならず、テレビの裏や棚の隙間にもすっきり収まります。
WiFi 6やBluetooth 5.2、2.5GbE対応LANポートも搭載しており、通信速度の速さも魅力です。
つまり「小さいけれど、家庭用にも仕事用にも十分使える」ことが特徴です。
実際の評判は?ユーザーやレビューサイトの声
ネット上のレビューを見てみると、NucBox G9は「静かで使いやすい」「省電力で熱も少ない」といった評価が目立ちます。
とくに人気なのは、その拡張性の高さ。4つのM.2スロットを使ってSSDを複数搭載すれば、NAS(ネットワークストレージ)としても使える点が評価されています。
一方で、「ゲーミングには不向き」「冷却性能はやや控えめ」といった指摘もあります。
とはいえ、一般的なオフィス作業や動画視聴、軽い写真編集などでは十分スムーズに動作し、「小型なのに快適」という印象を持つユーザーが多いようです。
また、海外レビューでも「価格の割にバランスが良い」「省スペースで複数OSを扱える柔軟さが魅力」といったコメントが見られます。
特に、Windows 11 ProとUbuntuをデュアルブートで使える仕様は、ITエンジニアやホームサーバー用途のユーザーから高く評価されています。
性能面の実力をチェック:ベンチマークと使用感
では実際、NucBox G9の性能はどれほどのものなのでしょうか。
レビューで測定されたベンチマークの数値を見てみると、Geekbenchスコアでマルチコア約3,000、Cinebenchマルチで約2,000前後。
ミドルクラスのノートPCとほぼ同等のパフォーマンスです。
SSDの速度も優秀で、読み込み約1,700MB/s、書き込み約1,600MB/sほど。
この速度なら、起動やアプリの読み込みもかなり快適。
日常的な作業なら、もたつきを感じることはほとんどありません。
ただし、内蔵GPU(Intel UHD系)はあくまで軽作業向け。
最新の3Dゲームや動画編集ソフトを本格的に動かすには、やや力不足です。
一方で、YouTubeの4K再生や軽いRAW現像などは問題なく処理できるレベルです。
コンパクトでも快適に動作する理由
ここからは、「小さいのになぜ快適なのか」を具体的に見ていきましょう。
NucBox G9が高評価を得ている理由は、大きく4つあります。
1. 高速ストレージと拡張性
4基のM.2スロットが搭載されており、SSDを複数装着することで高速・大容量環境を構築できます。
データ転送やアプリの起動が早く、体感速度が非常に快適です。
この点が、他のミニPCとの大きな差といえるでしょう。
2. 省電力設計と静音性
Intel N150は最新世代の低消費電力CPUで、最大TDPは約6W前後。
そのためファンの回転数も低く、動作音はほぼ無音に近いレベルです。
長時間稼働させても電気代が抑えられるのも嬉しいポイントです。
3. ネットワーク環境の強さ
2.5GbE対応LANを2ポート搭載しており、高速なデータ転送や複数デバイスへの共有がスムーズに行えます。
NASとして使えば、家庭内クラウドのような運用も可能です。
WiFi 6によるワイヤレス接続も安定しており、リモートワークや動画配信にも十分対応できます。
4. OSを切り替えて自由に使える柔軟性
NucBox G9の大きな特徴のひとつが、Windows 11 ProとUbuntuのデュアルブート環境。
日常作業はWindows、開発やサーバー運用はUbuntuと使い分けられるのは非常に便利です。
この柔軟さが、エンジニアやクリエイター層にも好まれている理由です。
実際の使用シーン:どんな人に向いている?
NucBox G9は、その特徴から「自宅・オフィス・趣味」どの用途にも応用できます。
以下のようなシーンでは特に快適に使えるでしょう。
- 在宅勤務のメインPCとして。省スペース&静音でデスクがすっきり
- 映像出力ポートを活かしたデュアルモニタ・トリプルモニタ構成
- NAS(ストレージサーバー)やメディアサーバー構築
- Ubuntuでの開発環境構築やDocker運用
- 軽量なクリエイティブ作業(写真補正・音声編集など)
逆に、最新の3Dゲームや高解像度動画の本格編集には不向きです。
GPUパワーが求められる用途には別モデルを検討したほうが良いでしょう。
注意したいポイントと使いこなしのコツ
もちろん、小型ゆえに気をつけたい点もあります。
まず冷却性能。筐体がプラスチック製で放熱性は控えめなので、SSDを4枚挿すと熱がこもりやすくなります。
長時間の高負荷作業を行う場合は、冷却ファン付きのスタンドを併用すると安心です。
また、メモリはオンボードの12GBで増設不可。
ブラウザを多く開いたり、重いアプリを同時に使う場合は、メモリ負荷に注意しましょう。
ストレージについてはPCIe 3.0×2の帯域制限があるため、最新の超高速SSDを使っても速度が出にくい場合があります。
このあたりは構成を工夫することでカバー可能です。
NucBox G9と他モデルの違い
ミニPC市場には、BeelinkやMINISFORUMなど競合ブランドも多く存在します。
それらと比べたとき、NucBox G9の魅力は「拡張性と静音性の両立」にあります。
他社モデルでは1~2基のSSDスロットしかないことが多い中で、4基搭載できるのは珍しい仕様。
さらに2.5GbE×2ポートも、家庭用ミニPCではほぼ唯一に近い構成です。
つまり、NucBox G9は“NAS兼PC”というハイブリッドな立ち位置を確立していると言えます。
価格帯も5万円前後と手の届きやすい設定で、コストパフォーマンスはかなり高め。
同等の拡張性を備えたミニサーバーを組む場合、一般的には倍以上の費用がかかることを考えると、十分に魅力的な選択肢です。
実際に使ってみて感じること
実際に使用してみると、「起動が速い」「音が静か」「ネットワークが安定している」といった印象が強いです。
小さなボディに高機能が凝縮されており、思わず「これ一台で十分」と感じる瞬間が多々あります。
特にNAS用途では、複数SSDを搭載してストレージサーバーとして運用しても安定動作。
ファイル転送やバックアップがスムーズで、家庭内ネットワークの中心としても活躍します。
これまで大型PCを常時稼働させていたユーザーにとって、消費電力と騒音が減るメリットは大きいでしょう。
まとめ:小型でも頼れる万能マシン
GMKTEC NucBox G9は、ミニPCの中でも特に「バランスの良さ」が光るモデルです。
高い拡張性、静音・省電力設計、豊富なポート、そしてデュアルOS対応。
これらの要素が合わさることで、コンパクトなのに快適に動作する理由がはっきりと見えてきます。
もちろん、ゲーミングや高負荷作業を目的とするなら上位機種が適しています。
しかし、日常用途やサーバー運用、開発環境など、幅広いシーンで「静かに速く動く」ミニPCを探しているなら、NucBox G9は非常に魅力的な選択肢です。
コンパクトさと快適さを両立したGMKTEC NucBox G9。
この小さなPCが、あなたのデスク環境を一段とスマートに変えてくれるはずです。
