最近では「タブレットを外部モニターとして使いたい」という声をよく耳にします。
テレワークや動画編集、資料作成など、画面をもう一つ増やすだけで作業効率はぐんと上がる。けれど、わざわざ高価なモニターを買うのは少し躊躇しますよね。
そんなときに役立つのが、今持っているタブレットをサブモニター化する方法です。この記事では、その仕組みからおすすめのアプリ、有線・無線接続の違い、そして注意点まで詳しく解説します。
タブレットを外部モニターにする基本の仕組み
まず知っておきたいのは、タブレットはもともと「映像を出す側」のデバイスであり、「受け取る側」ではないということ。
一般的なモニターにはHDMI入力端子がありますが、多くのタブレットには入力端子がありません。つまり、単にケーブルをつないだだけでは映像を映せないんです。
ではどうするのか?
答えは「アプリ」または「専用機能」を使って、タブレットを“仮想的なモニター”として動かすことです。
PC側とタブレット側の両方にソフトを入れ、ネットワークやケーブル経由で映像を転送することで、タブレットを外部ディスプレイのように扱えるようになります。
ソフトウェアを使う方法:最も手軽なアプローチ
最も一般的なのが、アプリを使って接続する方法です。
Wi-Fi経由でワイヤレス接続できるものから、USBケーブルで安定した映像転送を行うものまで種類はさまざま。代表的なものを紹介します。
Duet Display(デュエットディスプレイ)
MacやWindowsとiPadを組み合わせて使いたい人に人気。
PC側・iPad側にそれぞれアプリをインストールし、USBまたはWi-Fiで接続します。
有線なら遅延がほとんどなく、描画系ソフトを使う人にも向いています。
料金は買い切り型またはサブスク型で、安定性と滑らかさに定評があります。
Spacedesk(スペースデスク)
Windowsユーザーにおすすめの無料ソフト。
PCにドライバをインストールし、タブレット側はアプリを入れるだけでOK。
同じWi-Fiネットワークに接続すれば、すぐに画面を拡張できます。
無料ながら高機能で、サブディスプレイ初心者にも扱いやすいのが魅力です。
Splashtop Wired XDisplay / iDisplay / AirDroid Cast
これらも人気の選択肢。
Splashtopは有線専用で安定性が高く、AirDroid CastはAndroid・iOSの両方に対応し、無線でもスムーズです。
アプリごとに特徴があるので、利用環境に合ったものを選ぶのがポイントです。
有線接続と無線接続、どちらがいい?
タブレットをモニター化する際には、「USBケーブルでつなぐ」か「Wi-Fiでつなぐ」かを選べます。
どちらにもメリットとデメリットがあります。
有線接続のメリット
- 遅延が少なく、描画や動画再生がスムーズ
- 接続が安定して切断の心配が少ない
- セキュリティ的にも安心
有線接続のデメリット
- ケーブルが邪魔になる
- 一部のタブレットではポート形状の違いに注意が必要
無線接続のメリット
- 配線が不要でスッキリ
- ソファや別の部屋など、自由なレイアウトが可能
無線接続のデメリット
- ネットワーク状況によって遅延が起きやすい
- 高解像度の映像ではカクつく場合もある
作業内容によって選び方は変わります。
文字入力や資料作成が中心なら無線でも十分。
動画編集や描画作業など、リアルタイム性が求められる場合は有線接続をおすすめします。
タブレットの種類別おすすめ設定
iPadの場合:Sidecarが最強
MacとiPadの組み合わせなら、Apple純正の「Sidecar」が最もシンプルです。
特別なアプリを入れなくても、同じApple IDでログインしていればワイヤレスまたは有線で簡単に接続できます。
ペン入力にも対応しており、Apple Pencilを使えばそのまま液タブのような感覚で作業ができます。
Androidタブレットの場合:Second Screen機能やSpacedesk
SamsungのGalaxyシリーズには「Second Screen」という機能があり、Windows PCと連携可能です。
他メーカーのAndroidタブレットでもSpacedeskなどを使えば、同様のことができます。
もし古いAndroid端末を持っているなら、これを再利用するのも良い方法です。
Windowsタブレットの場合
Windowsタブレットは、同じOS間での連携が取りやすいのが特徴。
「ワイヤレスディスプレイ機能(Connect)」を使えば、他のWindows PCのサブモニターにすることもできます。
ただし、一部の機種ではドライバの更新が必要なことがあるため、事前確認を忘れずに。
必要な機器と環境を整える
タブレットを外部モニター化するには、以下のものを準備しましょう。
- 安定したWi-Fi環境またはUSBケーブル
- PCとタブレットの両方に対応するアプリ
- 可能であればスタンドやキーボード
特にWi-Fiを使う場合は、2.4GHzよりも5GHz帯の回線を選ぶことで、映像転送が格段にスムーズになります。
また、USB接続ではUSB-C対応ケーブルを使うとより安定します。
スタンドを活用して目線の高さを合わせると、デュアルディスプレイの快適さが格段に上がります。
タブレットをモニター化する際の注意点
- 遅延への対策
無線接続ではネットワークの混雑やルーターの位置で遅延が発生することがあります。必要に応じてルーターを近づけるか、有線接続を検討しましょう。 - セキュリティ面
ネットワークを介して映像を転送するため、外部ネットワークでの使用は避けたほうが安心です。信頼できる環境で利用しましょう。 - 電源の確保
タブレットを長時間モニターとして使うと、バッテリー消費が早くなります。充電しながら使用できるケーブルを選ぶと便利です。 - アプリの互換性確認
Windows専用・Mac専用など、対応OSに違いがあるため、事前に確認しておくことが大切です。
タブレットを外部モニターとして使うメリット
- 既存のデバイスを再利用できる
- コストを抑えてデュアルモニター環境を構築可能
- 持ち運びやすく、出先でも拡張画面を確保できる
- 作業効率が向上し、画面切り替えのストレスが減る
特にリモートワーク中の人には大きなメリットがあります。
Web会議をタブレット側に表示して、PCのメイン画面では資料を編集するなど、作業の分担がしやすくなります。
タブレットを外部モニターとして活用する方法と必要な機器を解説
タブレットを外部モニターとして使う方法は、思っているよりも簡単です。
Duet DisplayやSpacedeskなどのアプリを導入すれば、数分でPCの画面を拡張できます。
Apple製品ならSidecar、GalaxyならSecond Screenと、純正機能もどんどん充実しています。
新しくモニターを買う前に、まずは今あるタブレットを活かしてみてください。
接続方法やアプリを工夫すれば、作業環境が一気に快適になります。
外出先でも自宅でも、スマートに作業できる“もう一枚の画面”として、あなたのタブレットが頼れる相棒になるはずです。
